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2026年10月16日金曜日

【IP ISSUE】わずかな高度変更で気候への影響を抑える:AIを活用した飛行機雲の低減技術と特許

Googleとキャセイパシフィック航空による飛行実証は、航空が気候に与える影響を軽減できる現実的な可能性を示しています。関連する特許文献を通じて、予測・センシング・航空機制御技術がこうした取り組みをどのように支え得るのかを見ていきます。

飛行機の高度を少し変えるだけで、地球温暖化への影響を減らせるとしたらどうでしょうか?

2026年9月7日、Googleとキャセイパシフィック航空は、実際の運航環境で実施した飛行機雲(Contrail)の回避試験の結果を発表しました。80便以上の航空便が飛行機雲を回避する飛行経路を利用し、Googleの分析によると、これらの航空便で発生した飛行機雲による温暖化への影響は約40%減少したと推定されています。

ここでの40%という数値は、飛行機雲による温暖化への影響に関するものです。燃料消費量やCO₂排出量、航空全体の環境負荷が40%削減されたという意味ではありません。
それでも、実際の航空運航において、比較的小さな飛行経路の調整によって気候への影響を軽減できる可能性が確認された点は注目に値します¹⁾。

白い飛行機雲が気候に影響を与える?


飛行機雲を意味する「Contrail」は、「Condensation Trail」の略語です。航空機の排気ガスが十分に冷たい空気に触れることで形成される、氷の結晶からなる雲を指します。

▲ gettyimagesbank.com

ほとんどの飛行機雲はすぐに消えますが、特定の大気条件下では長時間残り、広範囲に広がることもあります。このように長く残る飛行機雲は、太陽光を反射する一方で、地球から宇宙へ放出される熱を閉じ込めるため、全体として温暖化に影響を与えると知られています²⁾。

では、飛行機雲が長く残る可能性の高い場所を事前に予測し、その場所を避けて飛行するとしたらどうでしょうか?

これこそが、Googleとキャセイパシフィック航空が試験している方法です。

AIが教える「飛行機雲を避けるルート」


アイデア自体はシンプルです。長時間残る飛行機雲が発生しやすい空域を事前に特定し、航空機の高度を少し調整して、その区域を避けるというものです。
しかし、実際の飛行で活用するには、いつ、どこで飛行機雲が発生する可能性が高いのかを正確に予測する必要があります。

Googleのソリューションは、AI予測モデルと気象情報、衛星画像による検出技術を組み合わせ、飛行機雲が形成されやすい区域を予測します。キャセイパシフィック航空は、機内通信を通じて更新される予測情報を、自社の電子飛行情報システム「Electronic Flight Folder(EFF)」に送信し、パイロットが他の運航情報とともに確認できるようにしました³⁾。
つまり、AIが飛行機雲の発生可能性が高い区域を特定し、パイロットと運航担当者が実際の運航条件を考慮して飛行経路を調整する仕組みです。

今回の試験は、AIによる予測が実際の航空運航における意思決定につながっているという点でも興味深いものです。

では、飛行機雲を減らす別の方法は?

Googleとキャセイパシフィック航空は、飛行経路を調整する方法を試験しています。しかし、飛行機雲を減らす方法はこれだけなのでしょうか?

WIPS Globalで関連特許を調べてみました。

飛行機雲が発生する位置を予測して飛行経路を変更する技術から、飛行機雲をリアルタイムで監視する技術、燃料を調整する技術、さらにはレーザーを利用する方法まで、さまざまなアイデアを確認できました。

※以下は関連技術の事例であり、Googleやキャセイパシフィック航空が今回の試験でこれらの技術を使用したことを意味するものではありません。

飛行機雲を予測した最適の飛行経路探し

▲Wipsglobal.com、US 12210356 B2、「Method for optimising the atmospheric radiative forcing of aircraft flight operations on climate by forecasting and validating aircraft contrail formation」

この特許は、気象情報と飛行情報を活用して飛行機雲の形成と気候への影響を予測し、それに基づいてより適切な飛行経路を見つける技術です。

飛行機雲が発生する可能性だけでなく、それによる放射強制力(Radiative Forcing)も考慮して複数の飛行経路を比較し、実際の飛行後には飛行機雲がどのように形成されたかを確認して、予測結果を検証します。

つまり、「どこを飛行すれば、飛行機雲による気候への影響を減らせるのか?」という問いに取り組む技術です。今回のGoogleとキャセイパシフィック航空による試験とも、技術的な関心が重なる部分があります。

形成された飛行機雲を追跡して必要な対応を探索

▲Wipsglobal.com、US 12366211 B2、「Aircraft contrail monitoring and targeted mitigation」


Pratt & Whitney Canadaのこの特許は、航空機から発生する飛行機雲を監視し、飛行環境やエンジンデータなどを利用して、その影響を評価する技術です。

飛行機雲が発生したかどうかを確認するだけでなく、周囲の環境や飛行機雲の特性も併せて分析し、その影響を把握したうえで、必要に応じて飛行機雲を減らすための対策につなげます。

先ほどの技術が「飛行機雲が発生する場所を事前に予測して回避する方法」だとすれば、この技術は「実際に発生した飛行機雲を確認し、どのように対応するかを判断する方法」により近いものです。

二つの種類の燃料を変えながら飛行機雲を低減

▲Wipsglobal.com、US 12612877 B2、「Contrail suppression」


Airbusは、まったく異なる方法を提案しています。飛行経路ではなく、燃料に着目したのです。

この特許は、飛行機雲の発生を抑えるのに適した燃料と通常の燃料を、飛行状況に応じて選択的に使用する技術です。
飛行機雲が発生する可能性が低い区間では通常の燃料を使用し、発生する可能性が高まる条件下では別の燃料を使用するように調整します。

飛行機雲を減らすために特定の燃料を使い続けるのではなく、必要な状況に応じて燃料を選択する点が特徴です。同じ問題を、飛行経路ではなく燃料の観点から解決しようとするアプローチといえます。

飛行機雲にレーザーを?

▲Wipsglobal.com、US 12202617 B2、「Aircraft laser contrail reduction apparatus and system」


Boeingは、さらにユニークな方法を提案しています。それはレーザーです。

この特許は、航空機のセンサーを通じて温度や高度など、飛行機雲が形成されやすい環境条件を確認し、必要に応じてエンジン周辺に設置されたレーザーを作動させ、飛行機雲が形成される領域にレーザービームを照射する技術です。
飛行経路を変更したり、燃料を調整したりするのではなく、飛行機雲が形成される過程そのものに直接介入しようとする方法です。

AIを活用して飛行機雲を回避する方法から、燃料、さらにはレーザーまで。同じ飛行機雲の低減という目標に対しても、まったく異なる技術的アプローチが特許として提案されている点は興味深いものです。

わずかな高度変更の裏にある多様な技術


Googleとキャセイパシフィック航空による今回の試験は、飛行機雲を減らすために航空機自体を大きく変更しなくても、予測情報を活用して飛行経路を少し調整する方法が、実際の運航でも実現可能であることを示しています。

しかし、WIPS Globalで関連特許を調べてみると、飛行機雲を減らすためのアプローチはこれだけではありませんでした。飛行機雲が発生する場所を予測して飛行経路を変更する技術から、発生した飛行機雲を監視する技術、燃料を選択的に使用する技術、レーザーで飛行機雲の形成に直接介入する技術まで、さまざまなアイデアが研究されています。

空に一時的に現れては消える白い飛行機雲。その小さな痕跡を減らすために、AIや航空機制御、センサー、燃料、レーザーなど、異なる技術が活用されている点は興味深いものです。

今後、飛行機雲の低減技術が実際の航空運航でどのように発展していくのか、そしてその過程でどのような新しい特許技術が登場するのか、注目していきたいと思います。

▲ gettyimagesbank.com

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<関連記事>
  1. Googleによる実証試験の発表:Our new contrail avoidance trial in Asia-Pacific
  2. Googleによる飛行機雲の科学的解説:How AI is helping airlines mitigate the climate impact of contrails
  3. キャセイパシフィック航空による発表:Cathay Pacific and Google Partner to Research and Trial AI-Powered Contrail Avoidance


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2026年10月13日火曜日

【IP ISSUE】各国の最新情報_202610

CN

中国最高人民法院、特許侵害製品の無償提供も「販売」に該当すると判断


中国最高人民法院の知的財産権法廷は2026年9月23日、特許権を侵害する製品を他の商品とともに無償提供した場合でも、取引の実態によっては特許法上の「販売行為」に該当するとの判断を示しました。
今回の判決では、無償提供された製品に個別の価格が設定されていなくても、その経済的価値が主たる商品の販売利益に含まれていれば、販売行為と認められるとしています。

※このイラストはChatGPT(OpenAI)を使用して生成したものであり、実際の中国の法廷の様子とは異なる可能性があります。


無償の付属品も販売行為に該当

本件は、ワイヤー巻付装置に関する発明特許をめぐる侵害訴訟です。
被告企業は、鉄筋ロール溶接機3台を販売する際、各製品に特許侵害が疑われるワイヤー巻付装置を1台ずつ無償で提供していました。
被告側は、巻付装置には個別の価格が設定されておらず、無償提供であるため販売行為には該当しないと主張しました。
しかし、最高人民法院は、無償提供も主たる商品の販売を促進する手段であり、その経済的価値は取引全体に含まれると判断しました。また、対象製品が特許請求の範囲に記載された技術的特徴をすべて備えているとして、特許権侵害を認めました。

損害賠償額は10倍の50万元に

最高人民法院は、税務資料などをもとに販売実績を確認し、被告側が関連資料の提出を拒んだ事情なども考慮して、2021年から2024年までの侵害製品の販売数量を468台と認定しました。
第一審では5万元の損害賠償が認められていましたが、第二審では販売数量や平均販売価格、営業利益率などから侵害利益を約54万8,000元と算定しました。その結果、特許権者が請求した50万元を全額認めました。
最終的に、侵害製品の製造・販売の差止めを維持し、損害賠償額を5万元から50万元に引き上げました。

取引の実態を重視した判断

今回の判決は、特許侵害製品を「無料の付属品」や「贈呈品」として提供しても、販売行為に該当する可能性があることを示しています。
特に、価格設定の有無ではなく取引全体の経済的実態を重視した点が注目されます。企業の販促活動においても、無償提供品の特許侵害リスクに注意する必要がありそうです。

<出典>"中国最高人民法院、特許侵害製品の無償提供も「販売」と判断”. 韓国知識財産研究院.

EU

EU司法裁判所、SNS投稿の著作権保護と時事報道の例外適用基準を提示

EU司法裁判所(CJEU)は2026年9月3日、SNSに投稿された短い文章の著作権保護と時事報道における例外規定について判断を示しました。
短いSNS投稿でも著作者の創造的な選択が反映されていれば著作権保護の対象となり、報道目的での利用には一定の条件下で例外が認められる可能性があるとしています。

※このイラストはChatGPT(OpenAI)を使用して制作したAI生成イラストであり、実際の事件や裁判の様子を再現したものではありません。


SNS投稿の無断転載をめぐる訴訟

本件は、ルーマニアの教師CYがFacebookに投稿した文章を、オンライン新聞「Gândul」が無断転載したことから始まりました。
2021年9月、CYは保護者からの贈り物を受け取らない旨を投稿しましたが、同紙は本人の同意なく全文を掲載し、当初は著作者名や元の投稿へのリンクも記載していませんでした。
CYは著作権侵害を主張しましたが、下級審では著作物性が否定されました。その後、ルーマニア最高裁判所がEU司法裁判所にEU法の解釈を求めました。

短いSNS投稿も著作権保護の対象に

EU司法裁判所は、文章の長さや掲載媒体にかかわらず、言葉の選択や組み合わせに著作者の自由で創造的な選択が反映されていれば、著作権保護の対象となり得ると判断しました。
一方、時事報道を目的とする利用については、詳細な分析などを伴わなくても例外が適用される可能性があります。ただし、利用は情報提供に必要な範囲に限られ、原則として著作者名を含む出典の明示が求められます。
また、商業的・経済的利益を伴わない場合に限って例外を認めることは、EU指令に適合しないとしました。
なお、本件の具体的な判断は、ルーマニアの裁判所が行います。

SNS投稿の利用にも著作権への配慮が必要

今回の判決は、短いSNS投稿も著作権保護の対象となり得る一方、報道目的での利用には一定の例外が認められることを示しています。
SNS投稿を記事などに引用・転載する際には、利用範囲や出典表示への配慮が重要といえます。

<出典>“欧州連合司法裁判所、SNS投稿の著作権保護および時事事件の報道に関する例外の適用基準を提示”. 韓国知的財産庁.


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【IP ISSUE】スタッフが全員ロボットのホテル?特許でひと足先にチェックインしてみました!

ホテルにチェックインしたのに、滞在中に一度も人間のスタッフに会わないとしたらどうでしょうか?

ロビーではロボットがこちらを見つめながら案内を始めます。別のロボットは客室へと向かい、しばらくすると、注文したコーヒーがロボットのトレイに載せられて部屋の前に届きます。外出している間には、清掃ロボットがホテル内を動き回ります。

一見すると、すべてが自然に行われているように見えますが、ロボットの立場で考えてみると、話は変わってきます。
エレベーターのボタンを押すこと、人が乗っているエレベーターに入ること、コーヒーを一滴もこぼさずに運ぶこと、さらには、床に落ちているものが何なのかを判断すること。

私たちにとっては何気ない行動ですが、ロボットにとっては、一つひとつが解決しなければならない技術的な課題です。そして、その課題を解決するための方法の中には、特許になっている技術もあります。

今回のポストでは、さまざまな企業の特許技術を一か所に集めた、架空の「ロボットホテル」に実際にチェックインしてみました。
特許に登場する技術をたどりながら、近い未来のホテルで過ごす一日を想像してみませんか?

CHECK-IN — ロボットは今、私を見ているのでしょうか?


スーツケースを引きながらロビーに入ります。案内ロボットに近づくと、ロボットの視線がこちらに向けられます。私が横に動くと、ロボットの視線もそれに合わせて動きます。
人同士が会話するときには、ごく自然な行動です。相手がどこにいるのかを確認し、その人の方へ体や視線を向けます。では、ロボットは誰を見るべきなのか、どうやって判断しているのでしょうか?

「Bear Robotics Korea」が現在の出願人として記載されている案内ロボットに関する特許には、周囲にいる人の情報をもとに人の顔の向きなどに応じてロボットの姿勢や視線の方向を調整する技術が盛り込まれています。
案内している間も人の情報を継続的に更新し、次の動作を決定します。つまり、決まった方向を見ながら同じ案内を繰り返すのではなく、今まさにやり取りしている相手に合わせて、ロボットの動きを調整するということです。
この特許は、ロボットが人とより自然にコミュニケーションを取るためには、どのような技術が必要なのかを示す興味深い事例です。

▲ Wipsglobal.com、KR10-2025-0024805A、「案内ロボット及び案内ロボットの動作方法」

チェックインを終えました。もう客室に行ってみましょう。

ON THE WAY UP — 道を探す前に、「今、自分はどこにいる?」


ロボットが先頭に立ち、エレベーターへと向かいます。私たちはスマートフォンの地図に表示される青い点を見るだけで現在地がわかりますが、GPSに頼ることが難しいホテルのような屋内空間では、ロボットはどうやって自分の位置を把握するのでしょうか?

「Pudu Robotics」の特許は、2D LiDARを使って周囲の環境を測定し、その情報をあらかじめ作成された地図と照らし合わせることで、ロボットの位置や向きを推定・補正する技術を扱っています。

人間なら、「さっきエレベーターの横にある柱を通り過ぎて、今は右側に長い壁があるから、このあたりにいるんだな」と考えるだけの単純な状況ですが、ロボットはセンサーで読み取った周囲の環境と地図データを利用します。
目的地を知っているだけでは、動くことはできません。今、自分がどこにいて、どの方向を向いているのかを把握して初めて、次の動きを決めることができるからです。

▲ Wipsglobal.com、US 12687637 B2、「Fusion positioning method and apparatus, device and computer-readable storage medium」

AT THE ELEVATOR — ところで、ボタンは誰が押すのでしょうか?


ついにエレベーターの前に到着しました。ここでほんの些細なことですが、現実的な問題が一つ生じます。ボタンは誰が押すのでしょうか?人間なら指を一本伸ばすだけで済みますが、ロボットにとってはそう簡単ではありません。

「Pudu Robotics」の特許には、センサーを使ってエレベーターのボタンパネルと押すべきボタンの位置を把握し、ボタンを押す方向を計算したうえで、ロボットアームを動かして実際にボタンを押す技術が登場します。
つまり、パネルを見つける → 押すべきボタンを見つける → 位置と方向を計算する → アームを動かしてボタンを押す、という流れです。

私たちが1秒も考えずに行っている何気ない動作も、ロボットにとっては、認識・判断・物理的な動作が組み合わさった一つの技術的な課題なのです。

▲ Wipsglobal.com、CN114348811 B、「Robot, robot elevator taking method and device and storage medium」

ボタンを押しました。ドアも開きました。では、あとはそのまま乗り込めばいいのでしょうか?

エレベーターの中には、すでに人やスーツケースなどの障害物があるかもしれません。「Pudu Robotics」の別の特許では、ロボットがエレベーターの乗り込み位置へ移動する際に障害物との距離を判断し、状況に応じて移動を続けたり停止したりするよう制御する方法を扱っています。

人間にとってはボタンを押して前方を確認し、一歩踏み出して乗り込むという一連の動作ですが、ロボットにとっては、ボタンを押すことと安全に乗り込むことがそれぞれ別の課題として存在しているのです。

▲ Wipsglobal.com、US 12728534 B2、「Method and system for controlling robot to take elevator」

ROOM SERVICE — 注文したコーヒーが届きました。


客室に到着し、荷物を片付けてコーヒーを注文します。しばらくすると、ロボットが部屋の前に到着します。トレイの上に置かれたコーヒーを手に取りながら、また一つ疑問が浮かびます。
コーヒーを客室まで運ぶこととコーヒーをこぼさずカップに入ったまま客室まで運ぶことは、同じ問題なのでしょうか?
ロボットは廊下を走って方向を変えて、停止します。床のわずかな凹凸や急な動きも、トレイには振動として伝わる可能性があります。

「VD Robotics」の特許では、こうした問題を軽減するために可動式のトレイ構造を利用して振動を減衰させ、飲み物の揺れやこぼれを抑える方法が提案されています。
配膳ロボットと聞くと、自律走行やセンサーを思い浮かべることが多いかもしれません。しかし、飲み物を無事に届けるためには、カップを支えるトレイにも技術が必要です。
宿泊客の目に映るのは、ごく普通の一杯のコーヒーですが、その下にはコーヒーをこぼさずに守るための小さな工夫と技術が隠されているのです。

▲ Wipsglobal.com、KR 102830374 B1、「Serving robot drink tray and robot including the same」


WHILE YOU'RE OUT — すべての場所を同じように掃除する必要があるのでしょうか?

コーヒーを飲み終え、ホテルの外へ出かけます。宿泊客が留守にしている間、今度は清掃ロボットの出番です。
部屋の隅々まで一度ずつ掃除すれば、それが最も効率的な方法なのでしょうか?ほとんど汚れていない場所もあれば、繰り返し汚れがたまる場所もあります。

「Samsung Electronics」のある特許では、場所ごとの汚れ具合を記録した「汚れ分布マップ(pollution map)」を活用して汚れの原因を判断し、その位置をロボットの移動に反映する技術が扱われています。

また別の特許では、室内の地図やホコリの量、汚れ具合などをもとに清掃エリアを分け、それぞれの状態に応じた清掃ルートや方法を計画します。簡単に言えば、ロボットにも次のような判断が必要なのです。
「どこが汚れている?」→「では、どこを重点的に掃除すればいい?」
すべての場所を一律に掃除するのではなく、空間の特徴や汚れ具合に合わせて掃除の仕方を変えるということです。

▲ Wipsglobal.com、KR 10-2025-0060869 A、「Pollution source determination robot cleaner and operating method thereof」

▲ Wipsglobal.com、KR 102616863 B1、「Robotic vacuum cleaner and method for planning cleaning routes」

ところで、ロボットにも「これは何だろう?」と思う瞬間があります。
掃除をしていたロボットが、床に何かを発見しました。カメラで確認しても、どのような種類の汚れなのか、はっきりとは判断できません。そんなとき、どうするのでしょうか?

「LG Electronics」の特許には、なかなか興味深い方法が登場します。汚れの種類を十分に判断できない場合、風や振動、光などの外部刺激を与え、その反応を観察することで追加の情報を得るという仕組みです。

よくわからないからといってそのまま通り過ぎるのではなく、「ちょっと刺激を与えて、もう一度判断してみよう」と考えるわけです。
ロボットの知能と聞くと、より高性能なカメラや強力なAIを思い浮かべがちです。しかし、この特許が示すアプローチは少し異なります。
見るだけでは十分な情報が得られないなら、周囲の環境に小さな働きかけをして、新たな情報を引き出すのです。
もしかすると、これは意外と人間らしい問題解決の方法なのかもしれません。

▲ Wipsglobal.com、WO 2025244159 A1、「Robot cleaner and control method thereof」

CHECK-OUT — ホテルが少し違って見えてきました


翌朝。
チェックアウトを済ませ、昨日初めて足を踏み入れたロビーを再び通ります。昨日はただこちらを見つめるロボットにしか見えませんでしたが、今では人の向きに合わせて視線を調整する技術が見えてきます。
エレベーターの前では、ボタンを押すためのロボットアームの動きが思い浮かびます。ドアが開いたら、安全に乗り込めるスペースがあるかどうかを判断しなければならないこともわかりました。

配膳ロボットを見ると、一杯のコーヒーをこぼさずに運ぶための仕組みが思い浮かび、清掃ロボットを見るとどこが汚れているのかを判断し、次の移動ルートを決める過程が頭に浮かびます。
ホテルで私たちが何気なく行っていることも、ロボットにとっては決して簡単なことではありません。

人がいる方向を見ること。
自分がどこにいるのかを把握すること。
ボタンを一つ押すこと。
人の間を安全に移動すること。
コーヒーをこぼさずに運ぶこと。
どこを重点的に掃除するかを決めること。

一つひとつを見れば、ごく小さな課題に思えます。しかし、こうした課題が少しずつ解決され、それぞれの技術がつながって初めて、私たちが思い描く「ロボットホテルでの自然な一日」が実現するのです。

そんな何気ない一日の裏には、想像以上に多くの特許技術が隠されています。
次にホテルでエレベーターのボタンを押したり、一杯のコーヒーを受け取ったりするとき、ぜひ一度考えてみてください。
「ロボットだったら、これをどうするんだろう?」
その問いの先に、また新たな特許が見つかるかもしれません。

▲ Serving robot (generated by AI)

本ポストで紹介した特許は、WIPS CLIPを活用して調査したものです。異なる企業の関連特許技術をもとに構成した架空のホテル体験であり、特定のホテルや製品にこれらの特許技術が実際に採用されていることを示すものではありません。
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<関連参考資料>



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2026年8月12日水曜日

【IP ISSUE】サッカーボールにも科学が詰まっている!「トリオンダ(TRIONDA)」を支える特許技術

世界中を熱狂させた2026年北中米ワールドカップが、スペインの華々しい優勝とともに、幕を閉じました。選手たちの華麗なプレーや数々の感動的な瞬間が、今も心に残っている方も多いのではないでしょうか。
ところで、あの激戦のピッチで数々の名場面を生み出したもう一人の主役、公式試合球「トリオンダ(TRIONDA)」には、実は数多くの最先端の特許技術が詰め込まれていることをご存じでしょうか?
ワールドカップの興奮が冷めないうちに、勝負を支えた「トリオンダ」に隠された驚きの特許技術の世界を、さっそくひも解いていきましょう!

ワールドカップごとに新しく登場する公式試合球

第1回大会となった1930年のウルグアイ・ワールドカップでは、国によって使用するボールが異なっていました。
決勝で対戦したウルグアイとアルゼンチンは、互いに自国のボールを試合で使用すべきだと譲らず、最終的に前半はアルゼンチンのボール、後半はウルグアイのボールを使用することになりました。興味深いことに、試合も前半はアルゼンチンがリードしていましたが、後半にウルグアイが逆転し、優勝を果たしました。

この出来事をきっかけに、その後のワールドカップでは開催国の裁量によって公式試合球が採用されるようになり、1970年からは国際サッカー連盟(以下、FIFA)が公式試合球を選定し、4年ごとに開催されるワールドカップで使用しています。
FIFAから公式試合球の製造に関する独占的な権利を与えられたアディダスは、1970年に初の公式試合球「テルスター(Telstar)」を発表しました。それ以来、現在に至るまで、アディダスがワールドカップの公式試合球を手がけています。

▲filckr.com @ UKinUSA 

歴代ワールドカップ公式試合球の中でも最も進化した「3つの波」

2025年10月3日に初めて公開された北中米ワールドカップの公式試合球が「トリオンダ(TRIONDA)」です。開催国であるアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国を象徴するカラーが採用されており、ボールの名前もスペイン語で「3つの波」を意味しています。

トリオンダは、歴代ワールドカップの公式試合球の中で最少となる4枚のパネルで作られています。空気抵抗をできるだけ均等に分散できるよう設計されているほか、カタール・ワールドカップの公式試合球「アル・リフラ(Al Rihla)」と同様、内部にはモーションセンサーが搭載されています。
このモーションセンサーによって、ボールの軌道や速度、回転などの動きに関するデータをリアルタイムでVARシステムに送信し、これによって審判はオフサイドやボールがラインを割ったかどうか、ゴールが成立したかどうかなどを、より迅速かつ正確に判断できるようになっています。

また、これまでモーションセンサーを内蔵していた公式試合球とは異なり、トリオンダではセンサーがサイドパネルに取り付けられていて、試合前にはワイヤレス充電が必要です。
サッカーの公式試合球も、時代とともにますます科学的・技術的な進化を遂げているのです。

トリオンダを支える主な特許技術

最先端の公式試合球「トリオンダ」を支える、3つの重要な特許技術をご紹介します。

1. ハードウェアの要となる技術「強烈なキックの衝撃からセンサーを徹底的に守れ!」

▲Wipsglobal.com、US8771110、「Ball」


この特許は、ボール側面のバルブアセンブリにセンサーモジュールを一体化して搭載し、保護する技術です。
トリオンダをはじめとするアディダスの「スマートボール」の原点ともいえるこの特許技術は、選手が時速100kmを超えるスピードでボールを蹴っても内部のセンサーが損傷しないよう、キックによる衝撃を吸収する仕組みを備えています。
さらに、1種類のセンサーだけでなく、加速度センサーと磁気センサーを連動させることで、ボールの回転軸や回転数(RPM)を高い精度で算出します。
特に注目したいのが、ボールが動いているときだけセンサーが起動する省電力技術です。こうした技術が、今回のトリオンダに採用されたサイドパネル搭載型センサー技術を支える重要な基盤となっています。

2. 0.001秒が勝負を分ける「足先が触れた、その一瞬を判定する」

▲Wipsglobal.com、US2026-0034423 A1、「Athletic Equipment Motion Monitoring Methods and Systems」

アディダスが2025年に出願したこの最新特許は、ボールのわずかな動きや接触をリアルタイムで検知するアルゴリズム技術です。
選手の足がボールに触れた瞬間のデータを超高速でVARシステムへ送信し、ボールに触れたタイミングや速度、軌道、回転数をAIが瞬時に解析するため、オフサイド判定の際にはパスを出した選手の足からボールが離れた正確なタイミングを0.001秒の誤差もなく捉えることができます。
さらに、こうして取得されたデータは、試合終了後には各クラブの戦術分析に活用できるデータへとすぐに変換されます。

▲Wipsglobal.com、US2026-0034423 A1、RA分析

3. 空間を制する技術「位置だけでなく、ボールが向いている方向まで追跡」

▲Wipsglobal.com、US11150321、
「
System for orientation estimation from radio measurements」

アディダスの強力なスポーツデータパートナーであるドイツの「KINEXON(キネクソン)」が登録したこの特許は、UWB(超広帯域)無線信号を利用し、ピッチ上におけるボールの位置と向きをリアルタイムで把握する技術です。

従来のGPSトラッキングシステムでは、ボールの位置を2次元上の「点」として表示するだけでした。しかし、この技術では、ボールがどの方向に傾き、どのように回転しているのかまで、3次元でリアルタイムに推定することができます。
特に、ボールが高速回転することで生じる無線信号の周波数のずれをアルゴリズムによって高精度に補正・計算できるため、ボールがゴールラインやタッチラインを完全に越えたかどうかを正確に判定することができます。

▲filckr.com @ Mafue

「動くデータハブ」へと進化したサッカーボール

2026年ワールドカップは幕を閉じましたが、たった一つのボールに凝縮された特許技術とイノベーションの物語は、次の舞台に向けてこれからも進化を続けていくことでしょう。
今回ご紹介した「トリオンダ(TRIONDA)」の特許技術のように、今後も興味深く価値ある世界の最新技術・特許情報をお届けしていきます!

選手たちの足元から生まれる数々の名勝負の裏には、このような最先端の科学と数多くの特許技術、そして緻密な技術開発の積み重ねがありました。


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2026年6月16日火曜日

【IP ISSUE】各国の最新情報_202606

 US

2026年5月28日、米国の放送局CNNは、自社の記事や動画などが無断で利用され著作権を侵害されたとして、生成AI開発企業であるPerplexityを相手にニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に訴訟を提起したと発表しました。

CNNは訴状において、PerplexityがCNNの著作権で保護されたコンテンツを大規模に不正複製・配信し、その成果物を無償で利用して商用製品の開発およびマーケティングに活用したと主張しています。

▲ gettyimagesbank.com

CNNは、Perplexityの生成AIがCNNのコンテンツと同一または実質的に類似した出力結果を生成しており、著作権侵害に該当すると主張しています。また、Perplexityによる違法行為の責任を追及するため、本件訴訟を提起したとしています。

CNNによると、PerplexityはCNNの記事、動画、画像、その他の著作物を含む約17,000件以上のコンテンツを無断で複製し、自社サービスの運営に利用していたとされています。
また、PerplexityはCNNの著名な登録商標を使用し、あたかもCNNとの提携関係が存在するかのような誤解を利用者に与えており、米国連邦商標法(Lanham Act)に基づく商標権侵害にも該当すると主張しています。

CNNはこれまでPerplexityとの間でコンテンツライセンス契約の締結を継続的に模索してきましたが、条件面で合意に至らず交渉は決裂しました。その過程で、PerplexityはCNNのコンテンツや商標を利用する権限を有していないことを認識していたはずだと指摘しています。

これに対し、Perplexityの幹部はCNNに送付した声明の中で、「事実は著作権保護の対象ではない(You can't copyright facts)」との立場を示しました。

CNNがAI関連の著作権侵害を理由として訴訟を提起するのは今回が初めてです。また、放送事業者がAI企業を相手取って提起した訴訟としても初の事例であることが確認されています。

米国では近年、報道機関、作家、出版社などの著作権者が自らの著作物が大規模言語モデル(LLM)の学習に無断で利用されたと主張し、テクノロジー企業に対して多数の訴訟を提起しています。

一方で、主要メディア各社は著作権侵害訴訟を提起するだけでなく、AI企業とのコンテンツライセンス契約を締結するなど、さまざまな対応策を進めているとのことです。

<出典>"米CNN、Perplexity社を著作権侵害などで提訴”. 韓国知識財産研究院.

KR

2026年5月29日、韓国知識財産庁(MOIP)は、英語版ガイドブック「From Creation to Protection: A Practical Guide to Korean Design Rights & Examination」を作成・配布したと発表しました。

本ガイドブックは、海外企業やデザイナーが韓国で意匠権を取得する際に必要となる手続きや留意事項をまとめた英語版の実務ガイドです。

▲From Creation to Protection表紙<出所:www.kipo.go.kr>

韓国進出を準備する外国企業および海外デザイナーの利便性向上を目的とした積極的な行政サービスの一環として作成されたもので、韓国における意匠出願書類の作成方法や実務上の審査手続きについて英語で紹介しています。

本ガイドでは、出願人が実際の出願手続きにおいて不要な時間を費やすことがないよう、誤った記載例を紹介するとともに、意匠図面の作成時によく直面する問題やその解決方法、注意事項について重点的に解説しています。
また、関連意匠制度、一組物品の意匠制度、一部審査制度など、韓国特有の意匠権保護制度についても具体的な事例を交えながら詳しく説明しています。

海外出願人や外国代理人が韓国の意匠権制度を正しく理解し、出願手続きにおける不要なミスを減らすうえで、実務的に大きな助けとなることが期待されています。

本ガイドは、韓国知識財産庁(MOIP)公式ウェブサイトおよびID5公式ウェブサイトにおいて無料でダウンロードすることができます。

MOIPは今後も、海外企業やデザイナーが韓国で迅速かつ円滑に意匠権を取得できるよう、韓国の意匠出願・登録制度および審査制度に関する広報活動を積極的に推進していく方針を示しました。

<出典>“韓国知識財産庁、「韓国における意匠権取得および審査実務ガイド」の英語版を公開”. 韓国知的財産庁.


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2026年4月21日火曜日

【IP ISSUE】各国の最新情報_202604

 CN

2026年4月1日、中国国家知識産権局(CNIPA)は、「OpenClaw」のようなAIエージェントを用いて特許出願書類を作成する行為について、そのリスクに警鐘を鳴らしました。

▲ gettyimagesbank.com

CNIPAは、「OpenClaw」のようなAIエージェントについて、基本的なセキュリティ設定が脆弱であり、深刻なセキュリティリスクを招く可能性が明らかになったとしたうえで、こうしたAIエージェントを用いて特許出願書類を作成した場合、次の3つのリスクを引き起こすおそれがあると警告しました。

(1)「技術情報情報漏洩」のリスク
  • 「OpenClaw」などのAIシステムには、過剰な権限付与、セキュリティ上の脆弱性、プラグイン攻撃といったリスク要因が内在しており、これらを用いて特許出願書類を作成した場合、技術説明書などの重要情報が漏えいする可能性が高い
  • 情報が漏えいした場合、特許出願に係る技術的内容が新規性を失い、登録が拒絶されるおそれがあり、第三者が当該技術を先に出願してしまう可能性もあるため出願人に重大な損失をもたらす危険がある
  • また、出願代理機関は契約違反に伴う損害賠償責任を負う可能性がある

(2)「実質的欠陥」のリスク
  • AIエージェントを活用して特許出願書類を作成する過程では、「AIハルシネーション(AI幻覚)」が発生する可能性があり、これによって出願書類の内容に論理的な矛盾が生じたり、技術的特徴の表現が不明確になったりするなどの問題が発生し、結果として適切な権利保護を受けられなくなる恐れがある

(3)「不誠実な出願」のリスク
  • AIを用いて内容を虚偽に生成したり、無作為に作成・寄せ集めたりして特許出願を行う行為は、信義誠実の原則に反する不誠実な特許出願行為に該当
  • このような行為が繰り返され、一定回数に達した場合、出願人は警告や過料などの行政処分を受ける可能性があり、出願代理機関および代理人についても、業務許可の取消しや代理資格証の抹消などの行政処分が科される恐れがある
  • さらに、深刻な場合には「重大な違法行為および信用失墜行為リスト」に掲載される可能性もある

<出典>"中国国家知識産権局、AIエージェントを用いた特許出願書作成行為のリスクを警告”. 韓国知識財産研究院.

EP

2026年4月1日、欧州委員会(EC)は、中国の標準必須特許(SEP)に関する訴訟差止命令(Anti-Suit Injunction)政策について、世界貿易機関(WTO)の判断後に公表された中国側の見解を紹介するとともに、それに対する評価を発表しました。

2020年、中国最高人民裁判所は、Huawei vs. Conversant事件において、ドイツの裁判所がHuawei社によるConversant社の標準必須特許侵害を認定した判決に関連し、Conversant社が当該ドイツ判決の執行を申し立てることを禁止する内容の訴訟差止命令(Anti-Suit Injunction)を発令しました。

これに対し欧州連合(EU)は、中国裁判所によるこうした訴訟差止命令政策が知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)に違反すると主張し、中国を世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続を通じて提訴しました。

その結果、2025年7月21日、WTO紛争解決手続の第二審において、上訴仲裁人(Appeal Arbitrator)は、中国の明文化されていない訴訟差止命令政策がTRIPS協定に違反すると判断しました。

WTO上訴仲裁人は、中国の訴訟差止命令政策が標準必須特許権者による特許権行使を制限し、さらに他のWTO加盟国が付与した非中国特許に関する権利の実質的な利用を制約していると認定しました。

▲ gettyimagesbank.com

ECは、WTOにおいて上訴仲裁判断が示された後、中国最高人民裁判所の関係者が、今後は訴訟差止命令政策を実施しないとの立場を表明したと発表しました。

また、ECは知的財産権の執行をめぐるEUと中国間の紛争において、今回WTO上訴仲裁人が示した判断は、中国裁判所による訴訟差止命令によって研究成果やイノベーションが侵害されてきた欧州連合(EU)の標準必須特許権者にとって重要な勝利を意味すると述べました。

さらに、中国がWTO上訴仲裁人の判断を完全に履行しているかどうかを綿密に監視し、必要に応じて追加的な措置を講じる方針を強調しました。

<出典>“欧州委員会、中国の標準必須特許に関する訴訟差止命令政策について見解を発表”. 韓国知的財産庁.


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