CN
2026年4月1日、中国国家知識産権局(CNIPA)は、「OpenClaw」のようなAIエージェントを用いて特許出願書類を作成する行為について、そのリスクに警鐘を鳴らしました。
CNIPAは、「OpenClaw」のようなAIエージェントについて、基本的なセキュリティ設定が脆弱であり、深刻なセキュリティリスクを招く可能性が明らかになったとしたうえで、こうしたAIエージェントを用いて特許出願書類を作成した場合、次の3つのリスクを引き起こすおそれがあると警告しました。
(1)「技術情報情報漏洩」のリスク
- 「OpenClaw」などのAIシステムには、過剰な権限付与、セキュリティ上の脆弱性、プラグイン攻撃といったリスク要因が内在しており、これらを用いて特許出願書類を作成した場合、技術説明書などの重要情報が漏えいする可能性が高い
- 情報が漏えいした場合、特許出願に係る技術的内容が新規性を失い、登録が拒絶されるおそれがあり、第三者が当該技術を先に出願してしまう可能性もあるため出願人に重大な損失をもたらす危険がある
- また、出願代理機関は契約違反に伴う損害賠償責任を負う可能性がある
(2)「実質的欠陥」のリスク
- AIエージェントを活用して特許出願書類を作成する過程では、「AIハルシネーション(AI幻覚)」が発生する可能性があり、これによって出願書類の内容に論理的な矛盾が生じたり、技術的特徴の表現が不明確になったりするなどの問題が発生し、結果として適切な権利保護を受けられなくなる恐れがある
(3)「不誠実な出願」のリスク
- AIを用いて内容を虚偽に生成したり、無作為に作成・寄せ集めたりして特許出願を行う行為は、信義誠実の原則に反する不誠実な特許出願行為に該当
- このような行為が繰り返され、一定回数に達した場合、出願人は警告や過料などの行政処分を受ける可能性があり、出願代理機関および代理人についても、業務許可の取消しや代理資格証の抹消などの行政処分が科される恐れがある
- さらに、深刻な場合には「重大な違法行為および信用失墜行為リスト」に掲載される可能性もある
<出典>"中国国家知識産権局、AIエージェントを用いた特許出願書作成行為のリスクを警告”. 韓国知識財産研究院.
https://www.kiip.re.kr/board/trend/view.do?bd_gb=trend&bd_cd=1&bd_item=0&po_item_gb=CN&po_no=24356, (参照 2026-04-20)
EP
2026年4月1日、欧州委員会(EC)は、中国の標準必須特許(SEP)に関する訴訟差止命令(Anti-Suit Injunction)政策について、世界貿易機関(WTO)の判断後に公表された中国側の見解を紹介するとともに、それに対する評価を発表しました。
2020年、中国最高人民裁判所は、Huawei vs. Conversant事件において、ドイツの裁判所がHuawei社によるConversant社の標準必須特許侵害を認定した判決に関連し、Conversant社が当該ドイツ判決の執行を申し立てることを禁止する内容の訴訟差止命令(Anti-Suit Injunction)を発令しました。
これに対し欧州連合(EU)は、中国裁判所によるこうした訴訟差止命令政策が知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)に違反すると主張し、中国を世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続を通じて提訴しました。
その結果、2025年7月21日、WTO紛争解決手続の第二審において、上訴仲裁人(Appeal Arbitrator)は、中国の明文化されていない訴訟差止命令政策がTRIPS協定に違反すると判断しました。
WTO上訴仲裁人は、中国の訴訟差止命令政策が標準必須特許権者による特許権行使を制限し、さらに他のWTO加盟国が付与した非中国特許に関する権利の実質的な利用を制約していると認定しました。
ECは、WTOにおいて上訴仲裁判断が示された後、中国最高人民裁判所の関係者が、今後は訴訟差止命令政策を実施しないとの立場を表明したと発表しました。
また、ECは知的財産権の執行をめぐるEUと中国間の紛争において、今回WTO上訴仲裁人が示した判断は、中国裁判所による訴訟差止命令によって研究成果やイノベーションが侵害されてきた欧州連合(EU)の標準必須特許権者にとって重要な勝利を意味すると述べました。
さらに、中国がWTO上訴仲裁人の判断を完全に履行しているかどうかを綿密に監視し、必要に応じて追加的な措置を講じる方針を強調しました。
<出典>“欧州委員会、中国の標準必須特許に関する訴訟差止命令政策について見解を発表”. 韓国知的財産庁.



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