2025年6月20日金曜日

【WIPS Global】便利さを超えて必須機能に、AI要約とリアルタイム翻訳

知的財産サービス分野でももう色んなAI機能が活用されています。特に特許検索システムでAIを活用するのは特許検索業務の効率性と正確性を革新的に向上させる核心要素になりました。特許検索でAI機能は主に検索、要約、翻訳などでとても重要な役割を果たしています。いくつかご紹介します。

1.膨大なデータ処理及び関連性の高い情報抽出
世界で毎日数多くの特許が出願されて登録されています。この膨大な量のデータを人が手動ですべて検討するのは事実上不可能です。AIはマシーンラーニングアルゴリズムを活用して数百万件の特許文献を迅速に分析してユーザーが希望する情報と最も関連性の高い特許を正確に識別します。キーワードマッチングを超えて文脈を理解して類似概念を探し出す機能を通じて重要な特許を探すのに決定的な役割を果たします。

2.検索正確度及び効率性増大
伝統的なキーワードと演算子を利用した検索方法はユーザーの限界で必要な特許を逃したり不要な特許を過度に検索する場合が多いです。AI基盤検索は自然語処理(NLP)技術を活用しtえ複雑な検索質疑を理解して、類似概念、同義語、関連技術分野を自動で拡張して検索します。これは検索の正確度を高めて不要な努力を減らし、核心特許をもっと速くて効率的に発見できるようにサポートします。また、AIは検索結果を自動で分類して視覚化して分析家が全体的な技術動向を一目で把握できるように支援します。

3.迅速で正確な特許要約
特許文献は専門的で膨大な内容が入っているので、核心内容を把握するのに多くの時間が所要されます。AI基盤要約機能は複雑な特許全文から核心請求項、発明の特徴、技術的効果などを自動で抽出して簡潔に要約してくれます。これは膨大な特許データを素早く確認して重要な特許を選別するのに必須で、調査時間短縮をサポートします。要約された内容を通じて分析家は特許の価値と重要性を迅速に判断して次の段階の深層分析有無を決定できます。

4.言語の障壁解除及びグローバル情報接近性向上
特許文献は様々な言語で出願されるため、特定言語に限られた検索はグローバル技術動向を把握するのに限界があります。AI基盤の翻訳機能は世界の多様な言語で出願された特許文献を正確で迅速に翻訳して言語の障壁を克服できるようにします。これは非英語圏の特許情報に対する接近性を大きく向上させ、海外競合他社の技術開発現況や特定技術分野のグローバル研究動向を把握するのに必須的な道具として活用されます。単純に単語を翻訳するだけではなく、特許ドメインの専門用語と文脈を理解してもっと正確な翻訳を提供するのが重要です。

5.戦略的意思決定支援
AI機能は単純な情報検索を超えて分析家が戦略的な意志決定ができるように支援します。例えば、特定技術分野の特許動向を分析して有望技術を発掘したり、競合他社の特許ポートフォリオを分析して研究開発方向を設定するのをサポートします。また、潜在的な特許侵害リスクを事前に把握したり、新規事業進出時に特許環境を 分析するなど色んなビジネス戦略樹立にAIが生成したインサイトが活用できます。
結論として、AI機能は特許調査専門家たちが複雑で膨大な特許データをもっと正確で効率的に分析して、最終的にはよりいい戦略的意思決定ができるようにサポートする必須的な道具として位置づけています。このような機能は特許業務のパラダイムを変えていて、今後その重要性はもっと大きくなると思われます。

WIPS Globalでは、生成型AIを活用して要約とリアルタイムNMT(Neural Machine Translation)翻訳機能を提供しています。
どのように活用されているか今回のポストで確認してみたいと思います。


AI要約(AI Summary)は生成型AIを基盤に発明の説明を難しい用語の代わりに易しい用語で要約して提供する機能で、膨大な内容の特許文献を簡単で素早く把握できます。明細書の構成を考慮して技術分野、解決課題、解決手段、特徴、効果に対して核心内容を要約します。発明の核心内容を全体的な観点から、また細部的に区分して素早く理解できます。


Full-Textで提供されるデータの内、英語と日本語で提供している文献を対象に中国語のリアルタイム翻訳が提供されます。発明の名称、要約、請求項、発明の説明項目を対象にリアルタイム翻訳が活性化されて該当項目が提供される賦課機能-詳細表示、イージービューアー、デュアルビューアー、請求項分析、Invalidation Advisor、Insight Plus-にも拡大されて提供されます。

▲ 日本特許文献のリアルタイム翻訳画面


NMT(Neural Machine Translation)は人工神経網(Neural Networks)を活用した機械翻訳技術を意味し、人工知能技術のディープラーニングを使用して文脈と文章構造を理解して自然な翻訳を生成します。

既存の翻訳方法より、文脈をもっとうまく把握して自然な翻訳になり、単語やフレーズを独立的に翻訳する既存の方法よりもっと正確で柔軟です。

▲ 請求項分析:英語-中国語リアルタイム翻訳

▲ Insight Plus > 詳細表示 > リアルタイム翻訳画面

ここまで、WIPS Globalで提供しているAI要約とリアルタイムNMT翻訳機能をご紹介しました。
もうAI基盤の要約とリアルタイム翻訳機能は膨大な特許情報から核心内容を早く把握して、言語の壁を越えてグローバル技術トレンドを読み取ってもっと正確で迅速な意志決定ができるようにサポートする必須的な道具になりました。
単純な便利さを超えて業務の生産性と力量を一段と引き上げるのに大きく役立つと思われますので、ぜひご活用ください。


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2025年6月19日木曜日

【IP ISSUE】各国の最新情報_202506

KR

2025年5月8日、韓国の特許庁(KIPO)は特許・商標最多登録権利者を発表いたしました。
KIPOの調査によると、特許最多登録権利者はサムスン電子(134,802件)、商標最多登録権利者はアモーレパシフィック(16,514件)だったそうです。

▲ gettyimagesbank.com

(1)特許

韓国では、1948年中央工業研究所(現、国家技術標準院)の「乳化染料の製造方法」が1号特許として登録となり、以後2024年末まで合計2,705,171件の特許が登録されて、2027年には登録特許が300万号を超えると見込まれています。

特許の最多登録権利者の1位は、サムスン電子で全体の5.0%である134,802件を登録していて、サムスン電子は半導体、移動通信(モバイル)機器分野など先端技術分野で世界を代表する革新企業の一つとして認められています。2024年のサムスン電子の登録特許件数は5,255件でした。
2位はLG電子で全体登録特許の2.9%の77,802件を登録しています。1959年に初めて韓国産のラジオを開発したLG電子はスマート家電分野などで技術開発を主導していて、2024年の登録特許件数は2,424件でした。
3位は現代自動車で、これまで54,305件の特許を登録しています。1968年に設立された現代自動車は絶えない技術開発を通じて現在は世界を代表する自動車製造会社として成長しています。

(2)商標

韓国の商標は1949年に天一産業(チョンイル産業)の「天(チョン)」が1号商標として登録した以後、2024年末まで合計2,741,047件の商標が登録されています。2029年には300万号の達成が予想されています。

商標の最多登録権利者の1位は、1945年太平洋化学工業社で始まったアモーレパシフィックで合計16,514件の商標を登録しています。Sulwhasoo、HERAなど色んな化粧品分野の商標権を保有しています。
2位は化粧品専門企業であるLG生活健康で、合計15,969件の商標を登録していて、THE WHOOなど化粧品関連の商標とPERIOEなど生活用品関連の商標権を保有しています。
3位は9,357件の商標を登録した株式会社アモーレパシフィックグループです。

<出典>"韓国特許庁、特許・商標最多登録権利者を発表”. 韓国知識財産研究院.

EP

2025年5月12日、ヨーロッパ連合知的財産庁(EUIPO)は「著作権観点での生成型人工知能の発展(The development of Generative Artificial Intelligence from a Copyright perspective)」を発表しました。

この報告書はヨーロッパ連合(EU)の著作権法(EU copyright law)の観点で生成型AIの発展動向を探求したものであり、主要構成及び研究結果は以下通りです。

▲ gettyimagesbank.com

(1)主要構成

この報告書は①生成型AIの機能性とその発展が及ぼす影響を理解するための技術的・法的・経済的分析、②生成型AIサービス発展過程でのコンテンツ使用に関連する著作権問題に対する詳細な検討、③コンテンツ生成に関連する著作権問題に対する詳細な検討で構成されています。

(2)主要研究結果

<高品質コンテンツに対する接近の重要性>
・高品質コンテンツに対する接近は生成型AIサービス発展の核心である
・AI学習過程は複雑で様々な段階でコンテンツを入力(Input)値で使用する
・生成型AIモデルの場合、特定機能に特化されているため、高品質の最新コンテンツに接近しなければいけない必要性がある
・これに、一部生成型AI開発者が著作権者から高品質コンテンツの接近及び使用権原を付与されて「直接ライセンシング」市場が登場
・ライセンシング市場が発展するためには著作権者が自分の権利を効果的に保護する力量を備えるべき

<解決策の不在>
・著作権者が自分の権利を保護できる「すべてに適用できる単一の(one-size-fits all)」解決策はまだ存在しない
・代わりに著作権者が権利を保護してAI開発者が規制義務を順守するための多様な接近方式とソリューションが開発されている
・例えば、AIモデル学習の入力段階で権利保存メカニズムを通じて著作権ン社が「テキスト及びデータマイニング(TDM)」に対する著作権保護例外から情報収集禁止(Opt-out)意志を表現できる
・また、算出(Output)段階に対する透明性措置としてAI生成コンテンツの表示および認識を可能にする方法が存在

<公共機関の役割>
・EUIPOなどの公共機関は技術的支援(著作権者が権利を保存してAI開発者がこのような保存を効果的に遵守できるように補助する)と非技術的支援(大衆認識の引き上げ、技術情報共有フォーラム開催、利用できるソリューションに対する情報提供など)を提供する役割を遂行できる

※本報告書の原文は以下のリンクをご参考ください。
https://euipo.europa.eu/tunnel-web/secure/webdav/guest/document_library/observatory/documents/reports/2025_GenAI_from_copyright_perspective/2025_GenAI_from_copyright_perspective_FullR_en.pdf   

<出典>“ヨーロッパ連合知的財産庁、「著作権観点からの生成型人工知能(AI)の発展」報告書発表”. 韓国知識財産研究院.
https://www.kiip.re.kr/board/trend/view.do?bd_gb=trend&bd_cd=1&bd_item=0&po_item_gb=EU&po_no=23647, (参照 2025-06-18)


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2025年6月18日水曜日

【IP ISSUE】手一つ動かさないようにしてあげる!ロボット掃除機の進化

生活の中で最も近い「ロボット」の一つ

皆さんはロボット掃除機を使われてますか?AI技術が早く進化して私たちは既に多くのロボットと一緒に生きています。その中でも最も積極的に私たちに手助けをくれているロボットの一つが「ロボット掃除機」です。

▲ gettyimagesbank.com

勝手に全部してくれるロボット掃除機の機能

「ロボット」という名前があるからか、最近のロボット掃除機は人がすることが一つもないくらい製品が進化しています。家の構造を把握するのはもちろん、水掃除、掃除した雑巾を自動で洗浄⇒乾燥⇒殺菌、そして交替まで自動で行います。また、汚水を人が直接捨てる必要もない直排水モデルも販売されています。このようにロボット掃除機の自動化技術は日々進化しています。

▲ ロボット掃除機の自動化技術(AI検索)

このように勝手に掃除を全部してくれていますが、特に若い世代はこの強力な便宜性でプレミアム製品にもお金を惜しまないそうです。

これからもっと成長するロボット掃除機市場

現在のロボット掃除機の市場規模は日々大きくなっていて、韓国の場合2023年を基準に4000憶ウォン台まで急成長して前年対比48%の成長率を見せたそうです。更に、家庭普及率が現在15%で集計されていて、今後の成長もまた十分であると見受けられます。このようにロボット掃除機が私たちの人生で大きい割合を占めることができたのは発展に発展を重ねている技術の早い成長だと言えます。それではロボット掃除機をもっとスマートにしてくれる特許技術にはどんなものがあるか調べてみたいと思います。

ロボット掃除機に関連する特許技術

1.周辺環境探索と領域区分
ロボット掃除機がセンサーを通じて周辺の障害物を感知、移動する技術は約20年前に初めて披露されました。その後、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術が導入されて本格的に掃除ロボットのナビゲーション及びマッピング技術が発展した時期は2000年代です。2020年代にはその当時よりセンサー技術が著しい発展を見せてより正確に障害物を感知して周辺を探索できるようになりました。

▲ ロボット掃除機の周辺探索 〈出処:サムスン電子、www.samsung.com〉

▲Wipsglobal.com、KR10-2297496、「人工知能を利用した移動ロボット及び移動ロボットの制御方法」

LG電子は2019年、掃除領域を多数の細部ドメインに分割してターゲット化した掃除動作を可能にする特許技術を出願しました。その特許によると、該当技術はイメージセンシング部を利用して周辺のビデオデータをキャプチャしながら制御機ではキャプチャされたデータを処理して、ロボットと障害物の間の空間関係をマップを形成しながら把握するようにします。これを通じてロボット掃除機は不要な移動をしないと同時に衝突を最小化してより短い時間に効率的に掃除を完了できるそうです。

2.乾燥掃除と湿式掃除を同時に
最近では水掃除機能が追加された製品が多数販売されてユーザーにもっと強力な便宜性を提供しています。以前には水掃除ができるとしても乾式そうじと同時にするのはできない製品が多かったです。しかし汚染物質の種類や床の環境によっては乾式掃除と湿式掃除が同時に必要な場合があるのも事実です。特にアジアでは友香を水雑巾で拭く掃除法が普遍的でこの機能の市場潜在力がもっと高いと言えます。

▲ 床状態によって最適化した掃除機能を選択 〈出処:ロボロック、us.roborock.com〉

そこで乾式掃除-スウィーピング(sweeping)または湿式掃除-雑巾(mopping)から一つだけを行うことができた既存のロボット掃除機の限界を解決した技術があります。2022年に中国のロボロック社が出願した技術です。

▲Wipsglobal.com、US 11612295(2303.28)、「自動洗浄装置(Autonomous cleaning device)」

この特許技術は床表面の条件によって洗浄パラメータを調整して、乾式/湿式洗浄モジュールが「リフティング構造」を通じて上下移動しながらお互いの高さを調整するようにします。これで各洗浄モジュールが床環境に合わせて高周波往復移動をすることで同時に他の種類の洗浄が可能になって洗浄効率と洗浄効果を改善するようになる原理です。

3.低い高さの障害物感知を正確に
過去には室内に手厚いカーペットや敷居、窓枠のような一定の高さ以下のオブジェクトが存在する場合、カメラやレーザーセンサーだけでは正確に認識できない問題がありました。これによって通過できないオブジェクトにもロボット掃除機が走行を続いて引っかかったり差し込まれたりする現象が発生したり、逆に通過できる対象にも関わらずロボット掃除機が回避して走行することで掃除が効果的にできなかった問題もありました。

▲ 敷居を自由に超えるロボット掃除機 〈出処:LG電子、lge.co.kr〉

韓国の一部住居施設の場合、部屋と共用空間の間にある敷居やドアのフレームのような要素があってロボット掃除機の自律走行と相反する部分がありました。しかし今ではマシーンラーニングと人工知能を通じてこのような問題を解決できます。

▲Wipsglobal.com、KR10-2550260、「ロボット掃除機

LG電子は2018年、クリフセンサーのようなロウ‐レベルオブジェクト感知部とマシーンラーニング技術を利用して所定の高さ以下のオブジェクトを効果的に認識して通過または回避できる技術を出願しました。これを通じて私たちは床に置かれたケーブルや服を事前に移したり、敷居を超えられないロボット掃除機を直接移したりする必要がなくなりました。

4.掃除パッドも自ら交替
最近のロボット掃除機は雑巾機能で床の汚染物質をふき取ります。この機能が搭載された初期には使用者が直接雑巾モジュールを取り⇒洗濯をして⇒乾燥して⇒再付着しなければいけない不便さがありました。しかし以後発売されたモデルは雑巾モジュールをステーション内で自ら洗浄⇒殺菌⇒乾燥するように進化した形態を見せています。

▲ ロボット掃除機下段の掃除パッド 〈出処:サムスン電子、www.samsung.com〉

しかしこの方式も掃除パッド一つでは永久に使えるものではないので、複数回交替が必要な場合があります。こういう時にも使用者が直接管理することなく、自ら掃除パッドを交替できるようにする技術があります。

▲Wipsglobal.com、KR10-2618897、「ロボット掃除機、ステーション及び掃除システム

2023年にサムスン電子が出願した特許技術では、パッド固定部とパッドに磁性体を含ませてこれを通じて駆動装置が動くようにするリフト装置を搭載しました。これを通じて必ずステーションにドッキングされた状態でなくても、ロボット掃除機本体は自ら汚くなったパッドを分離できて、ステーションに到着した時には保管されている新しいパッドを自動供給することができます。

次世代のロボット掃除機は?

ここまで、何年間で大きい発展を成し遂げて使用者における掃除の手間を忘れられるようにしてくれたロボット掃除機の特許技術について調べてみました。既に水雑巾掃除、自動掃除予約、自動給水と排水、ペットケア、ダストバッグ空き機能など数多くの便宜機能を提供してきたので、これ以上の技術があるのか!とも思います。いまでも私たちの生活空間をリアルタイムで感知して活躍している分、今後はもっと発展した技術を通じてスマートホームの中心ハブ、一足早く動くロボット‐助手のような役割を果たしてくれるのではないかと期待してい見ます。


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2025年6月13日金曜日

【IP KOREA】文化財を復元する技術と特許

一昨年の冬、韓国では大切な国宝である景福宮(キョンボックン)の壁がスプレーで汚れた事件がありました。幸い国家文化財研究院を始めとする関連部署、研究陣が集まって素早くきれいに復元することができました。これは、色んな文化財復元技術を装備があったからこそできたことでした。

▲ スプレーで落書きされた景福宮(キョンボックン)の壁

最近では観光客流入、山火事、工事などによる文化財毀損事例が増えていてこれを防止して文化財を保存するための復元技術と装備開発の重要性が注目されています。今回のポストでは歴史そのものが入った文化財を復元する技術と特許について調べてみたいと思います。

文化財復元の基本は細かな洗浄から

発掘された文化財や遺物復元の基本は細かな洗浄から始まります。何より文化財や遺物の状態は毀損せず溜まったほこりや土などをきれいに洗浄しなければいけません。驚きなのは最近までも市販される洗浄ブラッシュで文化財を洗浄してきたそうです。しかし一般のブラッシュはブラッシュヘッドから毛の長さが3~10㎝程で十分な洗浄ができず、文化財が毀損されてしまうという問題があったそうです。

結局、韓国の国立文化遺産研究院は文化財洗浄だけのためのブラッシュを直接開発しました。この文化財洗浄用のブラッシュは、問題になってきた毛の長さを研究者が直接調整できるので、毛の摩耗を防止して洗浄効果も向上させる効果を得られたそうですが、文化財を特定せず色んな文化財にも使用できるようにして汎用性も確保したそうです。

▲Wipsglobal.com、KR10-2018-0073629、「文化財洗浄用ブラッシュ」

3Dスキャナーで文化財と遺物を復元

一般的に遺物発掘現場で発見される遺物は砕けた状態で発見されます。5㎝ほどの小さいかけらが誰かにはただの砕けた意志の破片に見えるかも知れませんが、研究陣にはそれもまた大事な手掛かりになる可能性があります。その過程でとても重要なのはこのかけらがどんな遺物の破片なのか、どんな姿の遺物なのかを把握することです。
こういう時に3Dスキャナーが大きな助けになる可能性があります。この発明は3Dスキャナーを利用して文化財遺物を復元する技術として3Dスキャナーで破片をスキャンした後、適切な破片の元の位置に違う破片と接合して実際の遺物を予測復元してみるのです。

▲Wipsglobal.com、KR10-2017-0041495、「3Dスキャナーを利用した文化財遺物復元サービス提供システム」

こちらは、破片を測定するユニットと3Dモデリング出力ユニット、分析ユニット、粒子の骨格を製造するユニットで構成されています。既存には一々研究陣が破片の大きさと規格を測定しては破片間の一致有無を分析するのに多くの時間を必要としましたが、この3Dスキャナーを利用するとより正確に遺物のかけらを分析、復元することができるそうです。

文化財の本来の色を探してくれる計測システム

文化財は内部の腐食や錆、摩耗による変色がある場合もあります。特に金属で作られた遺物はひどい錆でその形を完璧に把握することが難しいです。
そういう時に役立つ発明として、文化財保存処理のための文化財調色用の計測装置があります。発掘された遺物を復元及び複製する時に原本の色を客観性があるように抽出してなるべく原本と類似するように具現してくれる装置です。

▲Wipsglobal.com、KR10-2022-0011243、「文化財保存処理のための文化財調色用計測装置」

装置の構成要素を見てみると、文化財の表面を拡大して目で確認できる拡大鏡と陰影除去のための照明などで構成されています。ここで特徴はレーザー技術を活用するというところです。レーザーを活用して文化財の表面色と最大類似するように具現できるそうです。

劣化処理で織物文化財を保存する技術

発掘される文化財には伝統衣装の繊維、織物文化財も多数を占めます。特に服、繊維文化財は該当社会の服文化、服飾文化がどうだったか正確に測る基準にもなり得ます。しかし、長い時間の流れによって綿と繊維が風化されたり腐る場合が多く、復元が難しい部分があるそうです。

これに韓国の国立文化遺産研究院は人工劣化処理方法を利用して織物文化財を保存する技術を開発しました。人工劣化処理にはゼノンランプが使用されます。ゼノンランプの光源は光量を増加させて分光分布に大きく変化がなくて耐候性劣化処理に適して、織物の耐性変化を最小化する代わりに熱は増加させる長所があるそうです。

▲Wipsglobal.com、KR10-2022-0124778、「織物文化財保存処理用絹織物の人工劣化方法及びこれを利用した織物文化財の保存処理方法」

織物に一定の温度で設定されたゼノンランプで人工劣化をすると綿織物の原状をそのまま維持できるそうです。また、本装置を利用すると織物の抗張力損失及び黄変指数変化を最小化して長い間織物の無欠性も維持されるそうです。

技術の革新で文化財の価値をもっと輝くように

今回のポストでは我々の歴史がこもった文化財と遺物の復元、保存技術について調べてみました。これまで復元、保存された文化財のすべての過程には数多くの人力と努力と技術の適用があったから可能だったはずです。これからも私たちの文化財の価値がもっと輝くように技術の革新も続くことを祈っています。


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2025年4月23日水曜日

【WIPS Global】核心的で必須的なファミリー&引用文献検討を一遍に!

特許技術を調査して分析する過程でファミリー文献と引用文献の調査及び分析は最も重要な役割を果たします。これは単純な情報収集を超えて該当技術の国際的な権利範囲、技術発展の流れ、競合現況などを総合的に把握できる核心手段であるためです。

まず、ファミリー文献は同じ発明を基に色んな国に出願された特許文献の集合であり、これを分析することで該当技術のグローバル権利確保戦略を把握できます。出願人は自社の主要市場を考慮して戦略的に出願国を選定することになり、これを通じて企業の市場侵入意図及び保護対象技術の重要性を予測できます。また、ファミリー文献間の請求項の差や出願間の時差を分析すると技術の進化過程や各国別に差別化した権利確保戦略も確認できます。従って、ファミリー分析は企業の国際IP戦略を把握して、自社の技術が参入しようとする市場での権利衝突可能性を事前に判断するのに核心的な役割を果たします。

一方、引用文献分析は該当特許が引用した選考技術(Backward Citation)と以後にこの特許を引用した後続技術(Forward Citation)が中心になります。これを通じて特定の技術がどんな先行技術を基に発展したか、またどんな後続技術に繋がったかを把握できて、技術の流れと核心性を立体的に理解できます。引用回数が多い特許は該当技術分野において中心的な役割を果たしている可能性が高く、よく引用する企業は類似技術開発に集中している確率が高いです。なので、引用文献分析は技術の中心性評価、競合他社分析、無効化可能性検討など様々な戦略樹立の基礎資料になります。

WIPS Globalでは、このような核心的な業務を効果的に行えるようにファミリーと引用文献を一概にまとめて検討できる機能を新しく追加しました。今回のポストではファミリー&引用分析について紹介させていただきます。


「ファミリー&引用」機能は、詳細表示画面から確認できます。


ファミリー分析画面では様々な観点から分析できるように色んなタブに区分して情報をご提供しますが、そこに「Family&Citations」タブが新しく追加となりました。
ファミリー文献と引用文献をリスト化して比較・分析できるようにUIを改良して、全てのファミリーの引用文献を確認できます。


左側のファミリーリストから検討したい特定文献を選択すると選択した文献の1-depth backward引用文献がリスティングされます。リスト表示オプションを通じて図面と一緒に検討できます。


ファミリーと引用文献はInvalidation AdvisorのCitation Matrixでも確認できます。


既存のInvalidation Advisorでは4カ国(US, EP, JP, KR)のみ確認できましたが、もうファミリー分析機能からも確認できるので、全ての国を対象にファミリー全体の引用分析ができるようになりました。
Citation Matrixでは検索した文献の引用文献とファミリー文献がマトリックス構造で確認できます。引用文献またはファミリー文献をクリックすると文献間の相関関係が活性化して簡単に確認できます。

ここまでWIPS Globalに新しく追加されたファミリー&引用機能をご紹介しました。
ファミリー文献は技術の「国際的な拡散と戦略」、引用文献は技術の「脈絡と進化」を見せる指標とも言えます。この二つの文献を検討するのは単純な付随業務ではなく、技術調査と特許戦略樹立の核心基礎作業です。これを通じて技術の国際的拡散経路、競合他社のIP戦略、技術進化の方向性を総合的に理解できてこれは向後の研究開発、製品リリース、特許紛争対応などすべての段階で重要な判断根拠になります。
このようなとても核心的で必須的な業務である「ファミリー&引用」文献検討!
WIPS Globalでぜひご確認ください。


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【WIPS Global】便利さを超えて必須機能に、AI要約とリアルタイム翻訳

知的財産サービス分野でももう色んなAI機能が活用されています。特に特許検索システムでAIを活用するのは特許検索業務の効率性と正確性を革新的に向上させる核心要素になりました。特許検索でAI機能は主に検索、要約、翻訳などでとても重要な役割を果たしています。いくつかご紹介します。 1....