2026年8月19日水曜日

【WIPS Global】特許業務の新たな可能性を切り拓く「AI LAB」をご紹介します!

特許調査や分析、明細書のチェック、標準技術とのマッピングなど、特許実務で扱う業務は多岐にわたります。さらに、日々増え続ける膨大な特許情報を前に、「もっと効率よく、しかも精度を落とさずに業務を進めたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな特許実務の現場をサポートするために、WIPSは特許業務に特化したAIソリューション「WIPS AI LAB」をリリースしました。

WIPSのAI LABは、最新の生成AI技術とWIPSが長年培ってきた高品質な特許データベースを組み合わせたAIサービスです。これまで時間と手間のかかっていた大量のデータ分析も、簡単な操作でスピーディーに処理。研究者や弁理士、知財・特許担当者が、分析作業そのものに追われることなく、より重要な判断や戦略の検討に時間を使えるようサポートします。

では、WIPSのAI LABでは具体的にどのようなことができるのか、主な機能と特許業務をどのように効率化できるのかを順番にご紹介します。

▲WIPSのAI Lab

●Ask Brainy ― 特許業務に特化したAIアシスタント

特許に特化した対話型AIエンジンです。気になる特許の内容や複雑な技術について質問するだけで、AIが内容を分析し、わかりやすい回答や要約をすぐに提示します。
馴染みのない技術分野の特許を調べる際や、膨大な明細書を一つひとつ読み込む時間がないときにも便利です。押さえておきたいポイントを素早く把握できるため、特許文書の確認・検討にかかる時間を大幅に短縮できます。

▲WIPSのAI Lab > Ask Brainy

●請求項の解説 ― 複雑な技術内容をスピーディーに理解

難解で複雑な特許請求項(Claim)の文脈をAIが分析し、専門用語の説明とわかりやすい解説を提供します。
法律・技術の専門用語が多く含まれる請求項も、ポイントを整理してわかりやすく把握できます。技術検討時の見落としや解釈ミスを減らし、内容をより直感的に理解できるようサポートします。

▲WIPSのAI Lab > 請求項の解説

●権利範囲分析 ― 特許侵害リスクを事前にチェック

自社の製品・技術と他社特許の請求項を構成要素ごとに照らし合わせ、権利範囲が重複する可能性を詳しく分析します。
FTO(Freedom to Operate)調査や特許侵害リスクを検討する際に、注意すべきポイントを事前に把握。潜在的なリスクの早期発見と、特許紛争の予防に役立つ判断材料を提供します。

▲WIPSのAI Lab > 権利範囲分析

●発明の説明マッピング ― 明細書本文と請求項の対応関係を明確に

請求項の各構成要素が、発明の詳細な説明(明細書本文)のどの箇所に対応しているのかを精密にマッピングし、該当箇所を抽出します。
明細書における記載の裏付けを確認する際や、特許分析表を作成する際に、これまで手作業で該当箇所を探していた工程を自動化。繰り返し作業を減らし、分析業務を大幅に効率化します。

▲WIPSのAI Lab > 発明の説明マッピング

●製品内特許 ― 市場製品と特許技術をわかりやすく可視化

実際に市場で販売・提供されている製品やサービスの特徴と、そこに活用されている特許技術を紐づけてわかりやすく表示します。
競合他社製品の特許ポートフォリオ分析や、ライセンス候補の発掘など、事業化や市場戦略を検討する際に役立つインサイトを提供します。

▲WIPSのAI Lab > 製品内特許

●検索式作成 ― AIが最適な検索式を自動作成

入力した発明の要約やキーワードをもとに、適切なIPC/CPC分類コードや同義語・関連語を組み合わせ、特許検索に適した検索式をAIが自動で作成します。
先行技術調査で手間のかかる検索式作成の試行錯誤を減らし、検索漏れを抑えながら、精度の高い検索結果をスピーディーに得ることができます

▲WIPSのAI Lab > 検索式作成

生成された検索式は、そのまま「Field Search」に連携できます。


●配列表分析 ― バイオ・医薬分野の特許調査を効率化

バイオ・医薬分野の特許に含まれる遺伝子やタンパク質の配列(DNA、RNA、アミノ酸など)を体系的に抽出し、比較・分析します。
複雑で高い精度が求められる配列データの分析を自動化することで、専門的な特許調査にかかる作業負担を大幅に軽減します。
※現在は、配列表が含まれる韓国(KR)特許文献のみ対応しています。

▲WIPSのAI Lab > 配列表分析

●標準技術マッピング ― SEP(標準必須特許)分析を自動化

通信・モビリティなどのICT分野における国際技術標準の規格文書と特許の請求項を精密にマッピングし、対応関係を分析します。
SEP(標準必須特許)候補の抽出やマッピングレポートの作成において、精度の高い分析結果を提供。標準必須特許の発掘・確保に向けた戦略立案をサポートします。

▲WIPSのAI Lab > 標準技術マッピング

AI LABは、特許の詳細画面からもご利用いただけます。


WIPSのAI LABは、単に手作業を自動化するだけにとどまらず、特許専門家の皆さまの専門性を最大限に引き出す、頼れるAIパートナーです。繰り返し行う検索や情報整理はAI LABに任せて、より精緻で戦略的な特許インサイトをぜひ体感してみてください。

現在、WIPSをご利用のお客様を対象に、AI LABの無料体験を実施しています。
ぜひこの機会に、進化した特許分析の革新を実際にお確かめください。
特許業務のスピードと深さが変わるその瞬間、
今AI LABから始めてみませんか。


Japan Tel: +82-2-726-1113, 1107 | Fax: +82-2-777-7334 | wips-jp@wips.co.kr

2026年8月12日水曜日

【IP ISSUE】サッカーボールにも科学が詰まっている!「トリオンダ(TRIONDA)」を支える特許技術

世界中を熱狂させた2026年北中米ワールドカップが、スペインの華々しい優勝とともに、幕を閉じました。選手たちの華麗なプレーや数々の感動的な瞬間が、今も心に残っている方も多いのではないでしょうか。
ところで、あの激戦のピッチで数々の名場面を生み出したもう一人の主役、公式試合球「トリオンダ(TRIONDA)」には、実は数多くの最先端の特許技術が詰め込まれていることをご存じでしょうか?
ワールドカップの興奮が冷めないうちに、勝負を支えた「トリオンダ」に隠された驚きの特許技術の世界を、さっそくひも解いていきましょう!

ワールドカップごとに新しく登場する公式試合球

第1回大会となった1930年のウルグアイ・ワールドカップでは、国によって使用するボールが異なっていました。
決勝で対戦したウルグアイとアルゼンチンは、互いに自国のボールを試合で使用すべきだと譲らず、最終的に前半はアルゼンチンのボール、後半はウルグアイのボールを使用することになりました。興味深いことに、試合も前半はアルゼンチンがリードしていましたが、後半にウルグアイが逆転し、優勝を果たしました。

この出来事をきっかけに、その後のワールドカップでは開催国の裁量によって公式試合球が採用されるようになり、1970年からは国際サッカー連盟(以下、FIFA)が公式試合球を選定し、4年ごとに開催されるワールドカップで使用しています。
FIFAから公式試合球の製造に関する独占的な権利を与えられたアディダスは、1970年に初の公式試合球「テルスター(Telstar)」を発表しました。それ以来、現在に至るまで、アディダスがワールドカップの公式試合球を手がけています。

▲filckr.com @ UKinUSA 

歴代ワールドカップ公式試合球の中でも最も進化した「3つの波」

2025年10月3日に初めて公開された北中米ワールドカップの公式試合球が「トリオンダ(TRIONDA)」です。開催国であるアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国を象徴するカラーが採用されており、ボールの名前もスペイン語で「3つの波」を意味しています。

トリオンダは、歴代ワールドカップの公式試合球の中で最少となる4枚のパネルで作られています。空気抵抗をできるだけ均等に分散できるよう設計されているほか、カタール・ワールドカップの公式試合球「アル・リフラ(Al Rihla)」と同様、内部にはモーションセンサーが搭載されています。
このモーションセンサーによって、ボールの軌道や速度、回転などの動きに関するデータをリアルタイムでVARシステムに送信し、これによって審判はオフサイドやボールがラインを割ったかどうか、ゴールが成立したかどうかなどを、より迅速かつ正確に判断できるようになっています。

また、これまでモーションセンサーを内蔵していた公式試合球とは異なり、トリオンダではセンサーがサイドパネルに取り付けられていて、試合前にはワイヤレス充電が必要です。
サッカーの公式試合球も、時代とともにますます科学的・技術的な進化を遂げているのです。

トリオンダを支える主な特許技術

最先端の公式試合球「トリオンダ」を支える、3つの重要な特許技術をご紹介します。

1. ハードウェアの要となる技術「強烈なキックの衝撃からセンサーを徹底的に守れ!」

▲Wipsglobal.com、US8771110、「Ball


この特許は、ボール側面のバルブアセンブリにセンサーモジュールを一体化して搭載し、保護する技術です。
トリオンダをはじめとするアディダスの「スマートボール」の原点ともいえるこの特許技術は、選手が時速100kmを超えるスピードでボールを蹴っても内部のセンサーが損傷しないよう、キックによる衝撃を吸収する仕組みを備えています。
さらに、1種類のセンサーだけでなく、加速度センサーと磁気センサーを連動させることで、ボールの回転軸や回転数(RPM)を高い精度で算出します。
特に注目したいのが、ボールが動いているときだけセンサーが起動する省電力技術です。こうした技術が、今回のトリオンダに採用されたサイドパネル搭載型センサー技術を支える重要な基盤となっています。

2. 0.001秒が勝負を分ける「足先が触れた、その一瞬を判定する」

▲Wipsglobal.com、US2026-0034423 A1、「Athletic Equipment Motion Monitoring Methods and Systems」

アディダスが2025年に出願したこの最新特許は、ボールのわずかな動きや接触をリアルタイムで検知するアルゴリズム技術です。
選手の足がボールに触れた瞬間のデータを超高速でVARシステムへ送信し、ボールに触れたタイミングや速度、軌道、回転数をAIが瞬時に解析するため、オフサイド判定の際にはパスを出した選手の足からボールが離れた正確なタイミングを0.001秒の誤差もなく捉えることができます。
さらに、こうして取得されたデータは、試合終了後には各クラブの戦術分析に活用できるデータへとすぐに変換されます。

▲Wipsglobal.com、US2026-0034423 A1、RA分析

3. 空間を制する技術「位置だけでなく、ボールが向いている方向まで追跡」

▲Wipsglobal.com、US11150321
System for orientation estimation from radio measurements」

アディダスの強力なスポーツデータパートナーであるドイツの「KINEXON(キネクソン)」が登録したこの特許は、UWB(超広帯域)無線信号を利用し、ピッチ上におけるボールの位置と向きをリアルタイムで把握する技術です。

従来のGPSトラッキングシステムでは、ボールの位置を2次元上の「点」として表示するだけでした。しかし、この技術では、ボールがどの方向に傾き、どのように回転しているのかまで、3次元でリアルタイムに推定することができます。
特に、ボールが高速回転することで生じる無線信号の周波数のずれをアルゴリズムによって高精度に補正・計算できるため、ボールがゴールラインやタッチラインを完全に越えたかどうかを正確に判定することができます。

▲filckr.com @ Mafue

「動くデータハブ」へと進化したサッカーボール

2026年ワールドカップは幕を閉じましたが、たった一つのボールに凝縮された特許技術とイノベーションの物語は、次の舞台に向けてこれからも進化を続けていくことでしょう。
今回ご紹介した「トリオンダ(TRIONDA)」の特許技術のように、今後も興味深く価値ある世界の最新技術・特許情報をお届けしていきます!

選手たちの足元から生まれる数々の名勝負の裏には、このような最先端の科学と数多くの特許技術、そして緻密な技術開発の積み重ねがありました。


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【WIPS】WIPS、WIPO ASEAN IP Registerの公式パートナー企業に選定!

先月、WIPSは、WIPOおよびASEAN知的財産協力作業部会(AWGIPC)が運営する「WIPO ASEAN IP Register」の公式民間パートナー企業に選定されました。

▲出所:www.aseanip.org


■ WIPO(World Intellectual Property Organization/世界知的所有権機関)
世界の知的財産権や特許に関する国際的なルールや基準を策定・管理する、UN傘下の国際機関

■ ASEAN IP Register
ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国の知的財産権の登録情報(特許、商標、意匠、地理的表示)を一括で検索できる統合データベースであり、2023年にASEANとWIPOが共同で構築・公開

今回の協定は、ASEAN加盟国における知的財産データの利便性・可用性を高めるとともに、各国の特許庁審査官の専門的な審査能力を強化することを目的に推進されました。そのため、WIPOとASEANは、審査官が実際に使用するシステムや技術を提供する民間パートナーについて、厳格な審査を行ってきました。
その結果、世界各国のIP関連企業の中から、PatSnap、Questel、そしてWIPSが最終的に公式パートナーとして選定されました。

これまで東南アジア地域のIPデータを調査する際、国によってデータの整備状況にばらつきがあったり最新情報の反映に時間がかかったりと、不便を感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特にASEAN地域は近年、若い人口構成と急速に成長するデジタル経済を背景に、グローバル企業の進出が最も活発なイノベーションハブとして注目を集めています。そのため、正確なIPデータを確保することの重要性は、これまで以上に高まっています。

今回の協定を通じてWIPSはASEAN加盟国の特許庁から、整備された最新かつ正確な公式データを直接、安定的に共有してもらえるようになります。
これによりWIPSをご利用のお客様は、アジアおよび世界の知的財産権を検索する際、これまで以上に幅広く、精度の高いデータをご確認いただけるようになります。

世界を舞台にグローバル企業と競いながら、韓国のIPサービスの存在感をさらに高めていくWIPSの今後の取り組みに、ぜひご注目・ご期待ください。


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2026年6月16日火曜日

【IP ISSUE】各国の最新情報_202606

 US

2026年5月28日、米国の放送局CNNは、自社の記事や動画などが無断で利用され著作権を侵害されたとして、生成AI開発企業であるPerplexityを相手にニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に訴訟を提起したと発表しました。

CNNは訴状において、PerplexityがCNNの著作権で保護されたコンテンツを大規模に不正複製・配信し、その成果物を無償で利用して商用製品の開発およびマーケティングに活用したと主張しています。

▲ gettyimagesbank.com

CNNは、Perplexityの生成AIがCNNのコンテンツと同一または実質的に類似した出力結果を生成しており、著作権侵害に該当すると主張しています。また、Perplexityによる違法行為の責任を追及するため、本件訴訟を提起したとしています。

CNNによると、PerplexityはCNNの記事、動画、画像、その他の著作物を含む約17,000件以上のコンテンツを無断で複製し、自社サービスの運営に利用していたとされています。
また、PerplexityはCNNの著名な登録商標を使用し、あたかもCNNとの提携関係が存在するかのような誤解を利用者に与えており、米国連邦商標法(Lanham Act)に基づく商標権侵害にも該当すると主張しています。

CNNはこれまでPerplexityとの間でコンテンツライセンス契約の締結を継続的に模索してきましたが、条件面で合意に至らず交渉は決裂しました。その過程で、PerplexityはCNNのコンテンツや商標を利用する権限を有していないことを認識していたはずだと指摘しています。

これに対し、Perplexityの幹部はCNNに送付した声明の中で、「事実は著作権保護の対象ではない(You can't copyright facts)」との立場を示しました。

CNNがAI関連の著作権侵害を理由として訴訟を提起するのは今回が初めてです。また、放送事業者がAI企業を相手取って提起した訴訟としても初の事例であることが確認されています。

米国では近年、報道機関、作家、出版社などの著作権者が自らの著作物が大規模言語モデル(LLM)の学習に無断で利用されたと主張し、テクノロジー企業に対して多数の訴訟を提起しています。

一方で、主要メディア各社は著作権侵害訴訟を提起するだけでなく、AI企業とのコンテンツライセンス契約を締結するなど、さまざまな対応策を進めているとのことです。

<出典>"米CNN、Perplexity社を著作権侵害などで提訴”. 韓国知識財産研究院.

KR

2026年5月29日、韓国知識財産庁(MOIP)は、英語版ガイドブック「From Creation to Protection: A Practical Guide to Korean Design Rights & Examination」を作成・配布したと発表しました。

本ガイドブックは、海外企業やデザイナーが韓国で意匠権を取得する際に必要となる手続きや留意事項をまとめた英語版の実務ガイドです。

From Creation to Protection表紙<出所:www.kipo.go.kr>

韓国進出を準備する外国企業および海外デザイナーの利便性向上を目的とした積極的な行政サービスの一環として作成されたもので、韓国における意匠出願書類の作成方法や実務上の審査手続きについて英語で紹介しています。

本ガイドでは、出願人が実際の出願手続きにおいて不要な時間を費やすことがないよう、誤った記載例を紹介するとともに、意匠図面の作成時によく直面する問題やその解決方法、注意事項について重点的に解説しています。
また、関連意匠制度、一組物品の意匠制度、一部審査制度など、韓国特有の意匠権保護制度についても具体的な事例を交えながら詳しく説明しています。

海外出願人や外国代理人が韓国の意匠権制度を正しく理解し、出願手続きにおける不要なミスを減らすうえで、実務的に大きな助けとなることが期待されています。

本ガイドは、韓国知識財産庁(MOIP)公式ウェブサイトおよびID5公式ウェブサイトにおいて無料でダウンロードすることができます。

MOIPは今後も、海外企業やデザイナーが韓国で迅速かつ円滑に意匠権を取得できるよう、韓国の意匠出願・登録制度および審査制度に関する広報活動を積極的に推進していく方針を示しました。

<出典>“韓国知識財産庁、「韓国における意匠権取得および審査実務ガイド」の英語版を公開”. 韓国知的財産庁.


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【IP KOREA】暑さが苦手な人必見! 猛暑を吹き飛ばすアイデア技術とは?

いつの間にか、初夏の気配がぐっと近づいてきました。
5月にはすでに最高気温が29℃に達する日が続き、今年の夏も厳しい暑さになることが予想されています。それに伴い、冷房用品や暑さ対策グッズへの関心もますます高まっています。

このように、年々長期化・深刻化する暑さに対応するため、さまざまな技術やアイデア製品が次々と登場しています。
今回は、猛暑や酷暑を乗り切るための興味深い特許技術や製品をご紹介します。

着るだけで体感温度を下げる冷感ウェア

私たちが毎日身に着ける衣服は、実は体温調節において非常に重要な役割を果たしています。
近年では、多くのアパレルブランドが「エア」「クール」といったキーワードを掲げ、さまざまな冷感ウェアを展開しています。では、こうした冷感ウェアはどのような仕組みや技術によって生み出されているのでしょうか。

まずご紹介するのは、アウトドアブランド「ブラックヤク(BLACKYAK)」が開発した、気化熱を利用して快適性を向上させる冷感ウェアです。

▲Wipsglobal.com、KR10-2020-0165172、「気化熱を利用して快適性を高める冷感ウェア

気化熱は「蒸発熱」とも呼ばれ、液体が気体へと変化する際に周囲から吸収する熱エネルギーのことを指します。
私たちが汗をかいた後に涼しく感じるのも、この気化熱による効果です。汗が蒸発する際に体の熱が奪われることで、体温の上昇が抑えられます。

気化熱を活用した代表的なアイテムとしては、クールアームカバー(冷感アームカバー)が挙げられます。

▲ gettyimagesbank.com

ブラックヤクの冷感ウェアも、気化熱を活用した衣類の一つです。
この冷感ウェアは、内側に織物層を配置し、その外側に透湿防水層と吸収シートを備えた構造となっており、高温多湿な環境下でも熱や汗を効率的に吸収・排出できるよう設計されています。
そのため、産業用安全作業服をはじめ、スポーツウェアやインナーウェアなど、さまざまな用途への応用が期待されています。

また、優れた吸湿・速乾性能を備えた冷感ウェアも開発されています。
この機能性ウェアは、汗を素早く吸収して放出するだけでなく、着用することで冷却効果が高まるよう設計されています。伸縮性を有し、吸汗・速乾機能を持つ生地に加え、トリプロピレングリコールをはじめとする複数の原料を組み合わせることで、熱吸収性能を効果的に向上させているのが特徴です。

▲Wipsglobal.com、KR10-2021-0147186、「吸湿・速乾性と冷感機能を向上させた機能性ウェア

強い日差しから肌を守る「肌熱対策化粧品」

夏は暑さ対策だけでなく、強い紫外線への対策も欠かせません。
冷感ウェアを着用していても、頭皮や顔が強い日差しにさらされると体温が上昇しやすく、肌の老化も加速しやすくなります。

こうした強い日差しから肌を守るための化粧品技術にも注目が集まっています。
こちらの特許は、キノコ発酵物と糖アルコールを含有する、肌熱による老化の防止および毛穴縮小のための化粧料組成物に関するものです。

▲Wipsglobal.com、KR10-2020-0122383、「肌熱老化の予防および毛穴改善のための冷感化粧料組成物
この化粧料組成物は、キノコ発酵物と糖アルコールを一定の割合で配合することで、肌表面の熱を吸収する吸熱反応を促し、冷感効果を持続させることができます。さらに、熱による毛穴の開きやシワの増加を改善する効果も期待されています。特に、化学原料の代わりにキノコ発酵物などの天然由来エキスを使用しているため、健やかな肌の維持にも優れているそうです。

ところで、皆さんは「エピピノレシノール(Epipinoresinol)」という成分をご存じでしょうか。
エピピノレシノールは、キュウリ、レンギョウ、クコ、トチュウなどから抽出される成分で、細胞の回復促進をはじめ、シワ改善や肌のほてりの緩和に優れた効果を持つことで知られています。

化粧品メーカーのコスマックス(COSMAX)は、このエピピノレシノールを活用した化粧品を開発しました。
同社によると、この成分は肌への刺激が少なく、高い安全性を備えているため、強い暑さや紫外線によって肌ダメージを受けやすい夏場において、より高い効果を発揮するとされています。

▲Wipsglobal.com、KR10-2018-0064303、「エピピノレシノールを含有する化粧料組成物

快適な眠りをサポートする通気マット

熱帯夜が続く季節になると、エアコンをつけて寝ても、目が覚める頃には汗でびっしょりになっていることがあります。
そんなときに役立つのが通気マットです。

この通気マットは、従来のマットとは異なり、モーターによって空気圧を発生させ、マット表面に凹凸構造を形成する仕組みを採用しています。また、その上に座布団やマットレスなどを敷いて使用できるよう設計されています。
この構造により、背中に汗がたまりにくくなるだけでなく、体重によって通気孔が塞がれてしまう問題も軽減されるため、通気効果をより高めることができるそうです。

▲Wipsglobal.com、KR10-2020-0159414、「通気マット装置

赤ちゃんの快適な夏を支える冷却機能付きベビーカー

厳しい暑さは、免疫力が未発達で気温の変化に敏感な乳幼児や赤ちゃんにとって、より大きな負担となることがあります。
特にベビーカーの内部は空間が限られているため、熱がこもりやすく高温になりやすい環境といえます。
そこで考案されたのが、冷却機能を備えたベビーカーです。

▲Wipsglobal.com、KR10-2023-0087090、「冷却手段を備えたベビーカー

このベビーカーには、赤ちゃんが暑さにさらされるのを防ぐため、ベビーカーシート上部に空気を浄化・冷却できる冷却装置が設けられています。
冷却装置は、吸気管、排気管、冷却ファンなどで構成されており、ベビーカー内部の空気を素早く浄化するとともに、凝縮水を利用して効率的に冷却する仕組みとなっています。
これにより、高温になりやすいベビーカー内部の環境をより快適に保ち、赤ちゃんを暑さから守ることができるとされています。

▲ gettyimagesbank.com

今年も例年より早く暑さが到来し、本格的な夏への不安が高まっています。
これから迎える猛暑シーズンを少しでも涼しく快適に過ごすためには、日常生活の中でのちょっとした工夫に加え、新しい技術の力を活用することがますます重要になりそうです。

今回ご紹介したさまざまな特許技術やアイデア製品が、皆さまの夏をより快適に過ごすためのヒントとなれば幸いです。
厳しい暑さが続く季節となりますが、どうぞ体調に気を付けて涼しく健やかな毎日をお過ごしください。


Japan Tel: +82-2-726-1113, 1107 | Fax: +82-2-777-7334 | wips-jp@wips.co.kr

【WIPS Global】特許業務の新たな可能性を切り拓く「AI LAB」をご紹介します!

特許調査や分析、明細書のチェック、標準技術とのマッピングなど、特許実務で扱う業務は多岐にわたります。さらに、日々増え続ける膨大な特許情報を前に、「もっと効率よく、しかも精度を落とさずに業務を進めたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。 そんな特許実務の現場をサポートするた...