2024年4月26日金曜日

【IP ISSUE】各国の最新情報_202404

 FR

2024年3月20日、フランスの競争委員会(Autorité de la concurrence)はGoogle LLC、Googleアイランド及びGoogleフランス(以下、Google)のニュースコンテンツ著作物無断使用による著作隣接権法の違反に関連して2億5千万ユーロの課徴金を賦課したと発表しました。

2019年7月24日、EUは出版社・マスコミ・デジタルプラットフォームのコンテンツに対する均衡のある協商のための条件を設けるための「マスコミ及び出版社のための著作隣接権新設のための法(以下、著作隣接権法)」を採択しました。
この法の目的はマスコミのために出版社・マスコミ・デジタルプラットフォームの主体間の価値共有方式を再定義して、過去何年間マスコミが経験している重大な変化とデジタル読者の増加、そして主要デジタルプラットフォームが広告価値の相当な影響を及ぼす現象に対応するためのものです。

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フランスマスコミはGoogleが自社が提供する記事、写真、動画などのコンテンツを検索結果に漏出してオンライン検索広告で大きい収益を創出しているにも関わらず適切な使用料を支払っていないという理由で問題を提起しました。
フランスマスコミは著作隣接権法を根拠にGoogleに使用料の支払いを要求しましたが、Googleがこれを断るとフランス競争委員会にGoogleを提訴してフランス競争委員会は2020年4月Googleに3か月以内にマスコミとの協商義務を果たすよう仮処分決定を下しました。

しかし2021年7月、フランス競争委員会はGoogleが協商義務を順守しなかったことに対して著作隣接権関連仮処分決定を従わなかったと判断し、Googleに約5億ユーロの課徴金を賦課して使用料関連情報を提供して持続的に協商することを命令しました。
以後2022年6月21日、フランス競争委員会は合意の一環としてGoogleが競争に対する懸念を終息させるために提案した7つの約束を5年の機関の間に1度更新できる条件で受け入れて、Googelが約束の移行を順守するかをモニタリングして監督する責任がある代理人として自問会社「Accuracy」を承認しました。

2023年7月、Googleは人工知能サービスバード(Bard)を発表しましたが、フランス競争委員会は該当人工知能モデルを訓練するための目的でマスコミなどのコンテンツを当事者や当局に知らせずに使用した点を指摘しました。
また、Googleのサービスで隣接権利に従って保護されるコンテンツの表示に影響をしないで、出版社・マスコミが「バード」のコンテンツ使用を拒否できる技術的ソリューションを提供しておらず、出版社とマスコミの報酬協商能力を妨害したと判断しました。
フランス競争委員会はGoogleが7つの約束の内、4つを順守していないことに対して制裁を加えて、その目的は次の原則を保障するためのものだと判断しました。

 ・約束1と4:3か月以内に透明で客観的で非差別的な基準に従って誠実に協商を進めること
 ・約束2:関連権利に対する報酬を透明に評価するのに必要な情報をパブリッシャまたはマスコミに提供すること
 ・約束3:Googleと出版社またはマスコミ間の他の経済的関係に影響が内容必要な措置をとること

このようなすべての違反事項を考慮してフランス競争委員会はGoogleに2億5千万ユーロの課徴金を賦課しており、Googleは該当決定に対して異議を提起せず特定欠陥を改善するための一連の是正措置を提案しました。

<出典>"フランス競争委員会、著作物無断使用関連でGoogleに約2億5千万ユーロの課徴金賦課”. 韓国知識財産研究院.

KR

2024年4月8日、韓国の特許庁(KIPO)は次世代ディスプレイとして注目されているMicro LED(マイクロLED)*分野で韓国が特許登録世界1位を記録して技術開発を主導していることが明らかになったと発表しました。

*マイクロLED(Micro LED):マイクロLEDは100㎛以下のLED素子一つ一つが個別画素で直接光を出すディスプレイ技術である。LCDやOLEDに比べて薄く作ることができて、LED素子の光を個別に制御して細かい明暗を具現できる。また、有機物素材を使用するOLEDとは違って画質の低下や残象減少がなく、電力消耗料が少なくて寿命が長く応答速度が速いという長所があるためLCD、OLEDを継ぐ次世代ディスプレイで注目されている(出所:KIPO)。

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主要国の特許庁(IP5:US, JP, KR, CN, EP)に登録された世界の特許を分析した結果、最近10年間のマイクロLED技術の登録件数は2013年の540件から2022年の1,045件に2倍近く増加して年平均の増加率7.6%を記録しました。
登録人の国籍は韓国が23.2%(1,567件)で最も多く、日本が20.1%(1,360件)、中国18.0%(1,217件)、アメリカ16.0%(1,080件)、ヨーロッパ11.0%(750件)を記録しました。

主要登録人はLGイノテック(6.0%、404件)が1位を占めており、2位がサムスン電子(5.7%、384件)、3位は日本の半導体エネルギ研究所(SEL)(4.7%、315件)、4位はサムスンディスプレイ(3.6%、240件)、t5位は中国のBOE(3.3%、223件)を記録しました。
1位のLGイノテック、2位のサムスン電子、4位のサムスンディスプレイ、9位のLGディスプレイの4つの韓国企業が10位内に位置しており、韓国企業がマイクロLED技術を先導していることが分かります。

<出典>“韓国特許庁、マイクロLED技術特許登録韓国が世界1位”. 韓国知識財産研究院.
https://www.kiip.re.kr/board/trend/view.do?bd_gb=trend&bd_cd=1&bd_item=0&po_item_gb=KR&po_no=22778, (参照 2024-04-22)



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2024年4月25日木曜日

【WIPS Global】特許訴訟が提起されたアメリカの特許を簡単に探す方法

国内企業が競争が激しい世界市場に活発に進出して、外国企業との国際特許紛争に巻き込まれるケースが増えています。特に世界の企業たちの角逐場であるアメリカ市場での特許紛争が深化しています。
アメリカは特許の最も中心的な国であり、世界的な訴訟はすべてアメリカを中心に発生しているといっても過言ではありません。アメリカは市場競争において特許技術の先占の重要性に気づき、早くから政府の主導のもとで主要源泉技術に対する特許権を確保してこれを利用した攻撃的な戦略を体系的に準備してきました。そして個別企業においても特許攻撃システムを完璧に備えています。

このようなアメリカ市場で増加し続けている特許侵害または無効訴訟過程にある特許は重要な特許である場合が多く、この訴訟結果は該当特許の権利に関連する企業のビジネスにも大きい影響を与えます。また、特許訴訟を進める当事者のみならず関連産業の企業たちもこのような情報に敏感になりざるを得ません。

WIPS Globalではアメリカでの特許訴訟と訴訟が提起された特許を検索できるUS訴訟検索機能をご提供していて、アメリカ特許訴訟情報と共に関連特許に関する詳しい情報を確認できます。
今回のポストではUS訴訟検索について詳しくご紹介したいと思います。


WIPS Globalの訴訟検索では、検索フィールドを活用してアメリカ管轄裁判所で発生した特許訴訟ケースを検索することができます。
管轄機関を選択して検索したりまとめて検索することもできます。
*管轄機関:連邦地方裁判所(Federal District)、国際貿易委員会(ITC:International Trade Commission)、連邦巡回控訴裁判所(CAFC:Court of Appeal for Federal Circuit)、連邦最高裁判所(Supreme Court)


検索を実行すると検索条件に該当する訴訟ケースリストが結果として表示されます。ケース番号やケース名をクリックすると該当訴訟の詳細な内容を確認できます。
・検索結果フィルター:主要項目-管轄裁判所、原告、被告、出願人代表名化、登録番号、IPCなど-の統計情報を利用して選択した項目に該当する訴訟情報を確認できます。
・訴訟単位グルーピング:最初原審ケースと関連するケースをグルーピングして各管轄で発生したケースを集めて一つのケース単位で検討できます。


検索条件に該当するケースを特許基準に検索結果を確認出来て、各特許の紛争情報の詳細情報を確認できます。


アメリカ連邦地方裁判所、PTAB、ITC、CAFC、連邦最高裁判所のケースの詳細情報を確認できます。ケースの審理、人名、ケースヒストリーなど訴訟全般の内容をご提供します。


該当ケースの原文のケース進行リストと各書類の要約情報をご提供します。


ケースの原審と控訴審が存在する場合、ケースの流れを把握できるチャートを確認出来て、該当ケースの紛争が提起された特許と関連する他の管轄でのケースリストもご提供します。
また、訴訟と関連する特許リストを確認出来て、これは訴状(complaint)に記載された特許文献を抽出してご提供します。


訴訟情報は一般検索‐フィールド、番号、ステップなど-を通じた詳細表示の「訴訟(Litigation)」タブでもご確認いただけます。

ここまで、WIPS Globalのアメリカ特許訴訟検索機能をご紹介しました。
様々な詳細情報を活用したWIPS Globalの訴訟検索機能で関連訴訟の詳細で正確な情報と進捗状況までご確認ください。


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2024年4月24日水曜日

【IP KOREA】ウェブコミックの技術、多彩になった漫画の中の世界

YouTube、OTTなど、私たちの日常には見て聞いて楽しむコンテンツが溢れています。
その中でも、漫画は老若男女を問わず、色んな姿を見せながら人々の心をとらえています。
本を借りて紙面をめくり、時間に合わせてテレビ画面を見ていた時代を経て今では携帯のスクロールだけで数多くの漫画が広がります。
このように大衆文化に位置づいたウェブコミックにも様々な新技術が適用されているそうです。
今回のポストでは、新しい技術でもっと感覚的で便利さが増したウェブ漫画に関する特許を見てみたいと思います。

ウェブコミックを100%楽しめるAIの選曲

一番目の技術は韓国のNAVERウェブトゥーンの特許です。NAVERウェブトゥーンは人工知能(AI)でウェブコミックに適切な背景音楽(BGM)を流す特許を去年出願及び登録したそうです。この技術は人工知能技術でウェブコミックの属性情報と読者のフィードバックを考慮して現在見ているコミックにあうサウンドを再生してくれます。作家の意図やユーザーのニーズに合わせて自動でBGMを選んでくれるんです。

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この技術の特許を見てみると、人工知能が背景音楽を聞かせてくれる過程は次の3つの段階を含みます。

1.ウェブコミックに対する属性情報をコンテンツの全体内容、特定ページ、特定場面、特定客体の中から少なくても1つに連携して登録する段階
2.コミックコンテンツの属性情報を利用してオーディオコンテンツを検索する段階
3.コミックコンテンツに連動してオーディオコンテンツを提供する段階

▲Wipsglobal.com、KR 10-2478394、「インターネット漫画コンテンツに対して音源を提供する方法とシステム及び記録媒体」

このようにユーザーの趣向が考慮された音楽をウェブコミックの画像と一緒に楽しむとコンテンツに対する共感と楽しみがもっと増大しそうです。該当技術でAIが音楽を選曲する時、ユーザーの性格はもちろん時間、季節、天気、位置などの環境情報を一緒に考慮するそうです。画一でなく、観賞者の内容と状況を反映した最適のBGMを聞かせてくれるんです。

人工神経網で彩色をもっと繊細に

二つ目の技術もまたNAVERウェブトゥーンの特許で人工神経網を利用して彩色イメージを補正する技術です。人工知能技術の発展に従ってモノクロ写真をカラー写真に自動で彩色するイメージ彩色モデルは既に開発されています。
しかし、人工神経網を利用してイメージを彩色する方法はペイントツールと類似に作動して、イメージの境界が不明確な場合、色のにじみ(color bleeding)が発生する問題がありました。

▲ キャラクター彩色ができるNAVERのAIペインター 
<出所:NAVERウェブトゥーンAIペインターホームページ>

該当特許は次の3つの過程で人工神経網を通じてにじみのない繊細な彩色作業を行います。
1.スケッチイメージを第1人工神経網に入力して彩色イメージを獲得する段階
2.彩色イメージからターゲット領域に対するユーザー入力データを受信する段階
3.スケッチイメージ及びユーザー入力データを第2人工神経網に入力してターゲット領域の彩色状態が変更された補正イメージを獲得する段階

▲Wipsglobal.com、KR 10-2022-0152864、「人工神経網を利用した彩色イメージ補正方法及びその装置」

この技術は、色のにじみ現象を緩和する自動彩色モデルを学習させるための仮想のユーザー入力データを生成します。また、複数の彩色イメージから色にじみ現象が発生したイメージの境界線と色にじみ現象が発生していないイメージの境界線を検出します。そしてにじんだものとにじんだないものの二つの境界線を比べて仮想のユーザー入力データを生成してこれを学習データに使用します。ここで二つの境界線情報の差を最小化するように学習して色のにじみ(color bleeding)をより客観的に評価します。

また、イメージクラスターの形が違う程度を測定します。
これを通じて同じ色味と質感を持つピクセルたちを上位クラスターに縛り、元のイメージと生成イメージでのクラスターの形が違う程度を測定します。この過程で淵を境界にカラーがどれだけうまく区分されたか評価できるそうです。

文章をウェブコミックに変えます

最後に見る発明はAIとコンテンツの関係を研究する企業、「Toonsquare」の発明です。Tooningと呼ばれるこの技術は、文字で書いた文章を漫画に変えてくれるAIウェブコミックサービスです。文章が表現したストーリーに合う人物や背景などを漫画イメージに自動で生成するのです。

▲ Toonsquareの「Tooning」 <出所:AVING, Global news network, Choi yewon記者>

現在特許審査中のこの技術は以下のような段階を経て自動でウェブコミックを生成します。

1.文章を認識して認識された文章内に含まれた少なくとも一つの単語をそれぞれ識別する段階
2.認識された文章の開始地点及び終了地点のうち、少なくとも一つに位置した文章符号の種類を識別する段階
3.識別された文章符号の種類を基に文章を一般表現文章、セリフ表現文章および感情表現文章のどちらかの一つに判断する段階
4.文章が一般表現文章の場合、一般表現文章に含まれた単語を基に漫画イメージを自動生成する段階
5.文章がセリフ表現文章または感情表現文章である場合、セリフ表現文章または感情表現文章の主体を把握する段階
6.キャラクター上にセリフ表現文章または感情表現文章を吹き出し形で挿入する段階

▲Wipsglobal.com、KR 10-2023-0018027、「入力された文章基盤の漫画イメージ自動生成装置及び方法」

このように該当技術はユーザーが入力した文章に従って漫画イメージを自動で生成してくれるため、絵の腕前がない人でも簡単に漫画イメージを獲得できるようにする効果があります。さらにこの発明は、キャラクターの関節部分や連結部分に生じる余白領域にブリッジを生成してキャラクターの関節部分または連結部分の雨後b気を自然に作る効果があるそうです。

ここまでウェブコミックに対する特許技術を調べてみました。
ストーリーに似合う音楽が流れて2Dのイメージが3Dになり、絵が動画のように動くなどウェブコミックは引き続き進歩しています。
表現方式のみならず制作方式もまた発展して素人でも簡単にウェブコミックを創作する時代が訪れています。
今後披露されるもっと繊細で豊富になるウェブコミックのコンテンツがとても楽しみです。


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2024年4月22日月曜日

【IP ISSUE】95年の著作権が消滅になったミッキーマウス、自由に使えるか?

 世界の人々に愛され続けているキャラクター、ディズニーのミッキーマウスを今年から無料で使えるという話をご存じですか?アメリカでは毎年1月1日がPublic Domain Day(共有財産の被)*で、著作権で保護を受けていたコンテンツが公共領域に転換されますが、ディズニーの代表マスコットでこれまで95年間保護されていたミッキーマウスの著作権が2023年に満了になってもうみんなが商業的に使える共有財産になったそうです。

*Public Domain Day:Public Domaiは著作権やその他財産権を所有者が諦めたり大衆に寄贈して誰でも自由に使用できるように公開されている状態をいいます。アメリカはここにDay(月日)をつけて、毎年1月1日を著作件が満了されて公共領域に転換される共有財産の日に指定しました。

著作権、どれくらい長く保護されるか?

この話を詳しく確認する前に、著作権と著作権保護期間について先に調べてみたいと思います。
著作権は著作者が自分が創作した著作物に対して持つ排他的で独占的権利で、創作と同時に発生します。
有名人の芸術作品、企業のキャラクターのみならず、子供が家で描いた絵までも全て創作と同時に著作権を持ちます。

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韓国の著作権保護期間

韓国の場合、個人の著作権は著作者の生存期間と死亡後に70年間まで保護を受けることができます。また、無名や異名(知られていない名前)の著作物は公表された時点から70年間存続されます。ただ、無名及び異名の著作物の場合、著作者が死亡した後に70年が経ったと認められる時に著作権が消滅したとみなします。

業務上の著作物もやはり公表した時点から70年間著作権が認められます。創作を完了した時点から50年以内に公表されていない著作物の場合、創作した時点から70年間保護期間が認められます。

アメリカの著作権保護期間

アメリカの場合、個人の著作権は著作者の生存期間と死亡後の70年まで有効だそうです。ただ、無名、異名または法人の業務上著作物の場合、韓国より著作権が長く存続されます。初めて発行された時から95年間または創作された年から120年間の中で先に終了される期間の間に著作権が保護されるそうです。ディズニーのミッキーマウスは1928年にアニメーション映画の蒸気船ウィリーに初めて登場して名前を広めましたが、あっという間に95年の月日が経ち2024年1月1日から誰でも使える創作物になったのです。

▲著作権報告期間

全てのミッキーマウスキャラクターが共有財産になるのか?

正解は「NO!」です。蒸気船ウィリーでデビューした1928年のミッキーマウスの代表的な特徴は白い手袋をしていません。目も黒く表現されていて体格も小さくて現在のミッキーマウスとはかなり違う姿をしています。今回公共著作物になったミッキーマウスは1928年に大衆に初めて公開された過去のミッキーマウスです。

▲蒸気船ウィリーでデビューした1928年のミッキーマウス<出処:ウィキ百科>

それ以来、ミッキーマウスは過去の姿を基に少しずつその形が変わってきました。
変遷史を経て現在の白い手袋をして前よりしっかりした体系の白目を持ったミッキーが誕生しました。1928年以後に新しく登場したミッキーマウスキャラクターは今でも著作権の保護を受けています。

▲ミッキーマウスキャラクターの変遷史<出処:ニュースワン>

1928年バージョンのミッキーマウス、自由に使えるか?
「無人島に落ちるとSOSの代わりに砂浜にミッキーマウスを描け!」というディズニーの強力な著作権保護を風刺したミームがあります。実際にウォルト・ディズニー社の圧力でアメリカの議会が著作権存続期間を著作者の死後50年から70年に延長した事例もあります。その分、ディズニー社が自社の著作権保護に力を入れていることを大衆も知っているため、1928年バージョンのミッキーマウスを本当に自由に使ってもいいのか疑問が提起されています。

消滅された著作権

1928年のミッキーマウスの著作権が消滅されたので、該当キャラクターは映画、放送、漫画、ゲームなど色んな創作物で自由に使用できます。有名キャラクターが共有財産になった事例にはクマのプーさん、子鹿のバンビがありますが、著作権が消滅された後に広告や映画で色んな姿を見せてくれました。かわいいプーさんとバンビがホラー映画の主人公にもなりました。ミッキーマウスも例外ではありません。最近あるゲーム流通プラットフォームはミッキーマウスを怖いキャラクターに変形した恐怖ゲームの予告編を公開しています。


永久なる商標権

法的期間が経つと消滅する著作権とは別途として、商標権は10年ごとに更新できるので、ミッキーマウスの商標権は永久であると言えます。なので、ミッキーマウスの名前とロゴ、キャラクターを商品やサービスに使うためにはウォルト・ディズニー社の許可が必要となります。
つまり、映画、映像や小説などの著作物でのミッキーマウスの使用は自由ですが、商品とサービスに販売時、キャラクターを商標権者の許可無しで登場させる行為は無断使用にあたり法的措置を受けることになるのです。

▲商品にキャラクターを使用した例示仮想イメージ(実際の販売商品ではない/出処:freepik)

今回のポストでは、世界で最も有名なキャラクターの一つのミッキーマウスがパブリックドメインになった事例を調べてみました。
コンテンツの洪水の時代で様々な形でもっと身近に会えることになるミッキーマウスの姿が楽しみです。
更に、1928年バージョンのミッキーマウスの著作権満了以後、商標権を強化して新しいキャラクターを発掘するディズニーのこれからもとても楽しみです。
この事例がキャラクター著作権満了によって発生する色んな波及効果に対してみんなで考えてみる機会になるといいですね。


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2024年2月23日金曜日

【IP ISSUE】各国の最新情報_202402

 EP

2023年12月19日、ヨーロッパ連合知的財産庁(EUIPO)の控訴委員会(Board of Appeal)はプラダ(Prada)の三角形パターン標章は識別力(distinctiveness)が足りないと判断しました。

▲ プラダの出願標章及びプラダの商品(出処:EUIPO控訴委員会の審決文)

2022年にプラダは上記のパターンで構成された標章をヨーロッパ連合の商標に登録するために出願しました。
EUIPOの審査官は該当標章がよーろパ連合商標規定(EUTMR)第7条の登録拒絶理由にある固有な特徴のない商標に該当すると判断し、第9類、第20類、第35類の一部商品とサービスのみ商標登録を許容し残りの分類は登録拒絶決定を下しました。
プラダはこの標章が象徴的な逆二等辺三角形でプラダのシグニチャーになっていて、該当パターンが広範囲に使用及び広報されていると主張して登録拒絶決定に不服して控訴委員会に審判を請求しました。

その結果、EUIPOの控訴委員会はこの三角形パターンが本質的な識別力がないと決定しました。
EUIPOの控訴委員会は、「プラダの三角形模様パターンは同じ大きさの三角形を規則的で連続的に配列してお互い違う色を交互に配置して差別化する基本的で一般的な形状パターン」でこれは「三角形模様パターンの伝統的な表現と関連して目立つ変化を含んでおらず、三角形模様パターンの伝統的な形態と同様」と判断しました。
特に衣類、織物などに関して該当標章のパターンが一般的に使用されるパターンであることを審査官を通じて確認していて、その結果、大衆は三角形の繰り返しパターンをただの商標ではなく装飾要素の典型的なデザインに認識するという結論になりました。

また、一般的な消費者はプラダの三角形パターンを見ると商品の出処表示というより測角的に商品の魅力的なディテールまたは陳腐な装飾要素にみなすと敷衍しました。

<出典>"ヨーロッパ知的財産庁控訴委員会、プラダの三角形パターン標章の識別力不足判断”. 韓国知識財産研究院.
https://www.kiip.re.kr/board/trend/view.do?bd_gb=trend&bd_cd=1&bd_item=0&po_item_gb=EU&po_no=22601, (参照 2024-02-23)

US

2024年1月16日、アメリカの特許商標庁(USPTO)は、特許出願システムのデジタル転換のための段階として2024年1月17日からDOCXではなくファイル形式で新規特許出願を提出する場合、追加料金が発生すると発表しました。

USPTOは特許出願システムを現代化してユーザー経験を改善して、出願人により簡素化されたプロセスを提供し、出願を早く効果的に審査できる能力を強化するために持続的に努力しています。

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このようなデジタル転換を目的にUSPTOは特許センターを通じてDOCX形式の特許出願関連書類の提出のための次の段階を進めようとしていて、その内容は以下通りです。
・特許センターはすべての使用者がDOCX形式で明細書、請求項、抄録、図面を簡単に提出できるようにして特許の堅固性と信頼性を高められる審査前確認を提供する中、これにUSPTOは理解関係者たちと慎重に協力してDOCXへの転換と時期を決定
・2024年1月17日から非DOCX形式で明細書、請求項及び抄録が含まれた新規特許出願を提出する出願人は追加料金が発生し、出願人にDOCX形式と共にバックアップPDFまたは補助PDFを提供するオプションは相変わらずしようできてバックアップPDF提供に関する手数料はない
・USPTOは特許出願人の成功的で円滑なDOCX形式への転換を保障するために最善を尽くしており、USPTOのウェブサイトのDOCX情報ページにある資料を活用できるようにする
・また、「特許出願ドキュメントをDOCXに提出する方法」を説明する動画を公開して以後無料教育ウェビナーも進める予定

<出典>“アメリカ特許商標庁、デジタル転換のための段階進行”. 韓国知識財産研究院.
https://www.kiip.re.kr/board/trend/view.do?bd_gb=trend&bd_cd=1&bd_item=0&po_item_gb=US&po_no=22625, (参照 2024-02-23)



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