2025年6月19日木曜日

【IP ISSUE】各国の最新情報_202506

KR

2025年5月8日、韓国の特許庁(KIPO)は特許・商標最多登録権利者を発表いたしました。
KIPOの調査によると、特許最多登録権利者はサムスン電子(134,802件)、商標最多登録権利者はアモーレパシフィック(16,514件)だったそうです。

▲ gettyimagesbank.com

(1)特許

韓国では、1948年中央工業研究所(現、国家技術標準院)の「乳化染料の製造方法」が1号特許として登録となり、以後2024年末まで合計2,705,171件の特許が登録されて、2027年には登録特許が300万号を超えると見込まれています。

特許の最多登録権利者の1位は、サムスン電子で全体の5.0%である134,802件を登録していて、サムスン電子は半導体、移動通信(モバイル)機器分野など先端技術分野で世界を代表する革新企業の一つとして認められています。2024年のサムスン電子の登録特許件数は5,255件でした。
2位はLG電子で全体登録特許の2.9%の77,802件を登録しています。1959年に初めて韓国産のラジオを開発したLG電子はスマート家電分野などで技術開発を主導していて、2024年の登録特許件数は2,424件でした。
3位は現代自動車で、これまで54,305件の特許を登録しています。1968年に設立された現代自動車は絶えない技術開発を通じて現在は世界を代表する自動車製造会社として成長しています。

(2)商標

韓国の商標は1949年に天一産業(チョンイル産業)の「天(チョン)」が1号商標として登録した以後、2024年末まで合計2,741,047件の商標が登録されています。2029年には300万号の達成が予想されています。

商標の最多登録権利者の1位は、1945年太平洋化学工業社で始まったアモーレパシフィックで合計16,514件の商標を登録しています。Sulwhasoo、HERAなど色んな化粧品分野の商標権を保有しています。
2位は化粧品専門企業であるLG生活健康で、合計15,969件の商標を登録していて、THE WHOOなど化粧品関連の商標とPERIOEなど生活用品関連の商標権を保有しています。
3位は9,357件の商標を登録した株式会社アモーレパシフィックグループです。

<出典>"韓国特許庁、特許・商標最多登録権利者を発表”. 韓国知識財産研究院.

EP

2025年5月12日、ヨーロッパ連合知的財産庁(EUIPO)は「著作権観点での生成型人工知能の発展(The development of Generative Artificial Intelligence from a Copyright perspective)」を発表しました。

この報告書はヨーロッパ連合(EU)の著作権法(EU copyright law)の観点で生成型AIの発展動向を探求したものであり、主要構成及び研究結果は以下通りです。

▲ gettyimagesbank.com

(1)主要構成

この報告書は①生成型AIの機能性とその発展が及ぼす影響を理解するための技術的・法的・経済的分析、②生成型AIサービス発展過程でのコンテンツ使用に関連する著作権問題に対する詳細な検討、③コンテンツ生成に関連する著作権問題に対する詳細な検討で構成されています。

(2)主要研究結果

<高品質コンテンツに対する接近の重要性>
・高品質コンテンツに対する接近は生成型AIサービス発展の核心である
・AI学習過程は複雑で様々な段階でコンテンツを入力(Input)値で使用する
・生成型AIモデルの場合、特定機能に特化されているため、高品質の最新コンテンツに接近しなければいけない必要性がある
・これに、一部生成型AI開発者が著作権者から高品質コンテンツの接近及び使用権原を付与されて「直接ライセンシング」市場が登場
・ライセンシング市場が発展するためには著作権者が自分の権利を効果的に保護する力量を備えるべき

<解決策の不在>
・著作権者が自分の権利を保護できる「すべてに適用できる単一の(one-size-fits all)」解決策はまだ存在しない
・代わりに著作権者が権利を保護してAI開発者が規制義務を順守するための多様な接近方式とソリューションが開発されている
・例えば、AIモデル学習の入力段階で権利保存メカニズムを通じて著作権ン社が「テキスト及びデータマイニング(TDM)」に対する著作権保護例外から情報収集禁止(Opt-out)意志を表現できる
・また、算出(Output)段階に対する透明性措置としてAI生成コンテンツの表示および認識を可能にする方法が存在

<公共機関の役割>
・EUIPOなどの公共機関は技術的支援(著作権者が権利を保存してAI開発者がこのような保存を効果的に遵守できるように補助する)と非技術的支援(大衆認識の引き上げ、技術情報共有フォーラム開催、利用できるソリューションに対する情報提供など)を提供する役割を遂行できる

※本報告書の原文は以下のリンクをご参考ください。
https://euipo.europa.eu/tunnel-web/secure/webdav/guest/document_library/observatory/documents/reports/2025_GenAI_from_copyright_perspective/2025_GenAI_from_copyright_perspective_FullR_en.pdf   

<出典>“ヨーロッパ連合知的財産庁、「著作権観点からの生成型人工知能(AI)の発展」報告書発表”. 韓国知識財産研究院.
https://www.kiip.re.kr/board/trend/view.do?bd_gb=trend&bd_cd=1&bd_item=0&po_item_gb=EU&po_no=23647, (参照 2025-06-18)


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