2025年6月13日金曜日

【IP KOREA】文化財を復元する技術と特許

一昨年の冬、韓国では大切な国宝である景福宮(キョンボックン)の壁がスプレーで汚れた事件がありました。幸い国家文化財研究院を始めとする関連部署、研究陣が集まって素早くきれいに復元することができました。これは、色んな文化財復元技術を装備があったからこそできたことでした。

▲ スプレーで落書きされた景福宮(キョンボックン)の壁

最近では観光客流入、山火事、工事などによる文化財毀損事例が増えていてこれを防止して文化財を保存するための復元技術と装備開発の重要性が注目されています。今回のポストでは歴史そのものが入った文化財を復元する技術と特許について調べてみたいと思います。

文化財復元の基本は細かな洗浄から

発掘された文化財や遺物復元の基本は細かな洗浄から始まります。何より文化財や遺物の状態は毀損せず溜まったほこりや土などをきれいに洗浄しなければいけません。驚きなのは最近までも市販される洗浄ブラッシュで文化財を洗浄してきたそうです。しかし一般のブラッシュはブラッシュヘッドから毛の長さが3~10㎝程で十分な洗浄ができず、文化財が毀損されてしまうという問題があったそうです。

結局、韓国の国立文化遺産研究院は文化財洗浄だけのためのブラッシュを直接開発しました。この文化財洗浄用のブラッシュは、問題になってきた毛の長さを研究者が直接調整できるので、毛の摩耗を防止して洗浄効果も向上させる効果を得られたそうですが、文化財を特定せず色んな文化財にも使用できるようにして汎用性も確保したそうです。

▲Wipsglobal.com、KR10-2018-0073629、「文化財洗浄用ブラッシュ」

3Dスキャナーで文化財と遺物を復元

一般的に遺物発掘現場で発見される遺物は砕けた状態で発見されます。5㎝ほどの小さいかけらが誰かにはただの砕けた意志の破片に見えるかも知れませんが、研究陣にはそれもまた大事な手掛かりになる可能性があります。その過程でとても重要なのはこのかけらがどんな遺物の破片なのか、どんな姿の遺物なのかを把握することです。
こういう時に3Dスキャナーが大きな助けになる可能性があります。この発明は3Dスキャナーを利用して文化財遺物を復元する技術として3Dスキャナーで破片をスキャンした後、適切な破片の元の位置に違う破片と接合して実際の遺物を予測復元してみるのです。

▲Wipsglobal.com、KR10-2017-0041495、「3Dスキャナーを利用した文化財遺物復元サービス提供システム」

こちらは、破片を測定するユニットと3Dモデリング出力ユニット、分析ユニット、粒子の骨格を製造するユニットで構成されています。既存には一々研究陣が破片の大きさと規格を測定しては破片間の一致有無を分析するのに多くの時間を必要としましたが、この3Dスキャナーを利用するとより正確に遺物のかけらを分析、復元することができるそうです。

文化財の本来の色を探してくれる計測システム

文化財は内部の腐食や錆、摩耗による変色がある場合もあります。特に金属で作られた遺物はひどい錆でその形を完璧に把握することが難しいです。
そういう時に役立つ発明として、文化財保存処理のための文化財調色用の計測装置があります。発掘された遺物を復元及び複製する時に原本の色を客観性があるように抽出してなるべく原本と類似するように具現してくれる装置です。

▲Wipsglobal.com、KR10-2022-0011243、「文化財保存処理のための文化財調色用計測装置」

装置の構成要素を見てみると、文化財の表面を拡大して目で確認できる拡大鏡と陰影除去のための照明などで構成されています。ここで特徴はレーザー技術を活用するというところです。レーザーを活用して文化財の表面色と最大類似するように具現できるそうです。

劣化処理で織物文化財を保存する技術

発掘される文化財には伝統衣装の繊維、織物文化財も多数を占めます。特に服、繊維文化財は該当社会の服文化、服飾文化がどうだったか正確に測る基準にもなり得ます。しかし、長い時間の流れによって綿と繊維が風化されたり腐る場合が多く、復元が難しい部分があるそうです。

これに韓国の国立文化遺産研究院は人工劣化処理方法を利用して織物文化財を保存する技術を開発しました。人工劣化処理にはゼノンランプが使用されます。ゼノンランプの光源は光量を増加させて分光分布に大きく変化がなくて耐候性劣化処理に適して、織物の耐性変化を最小化する代わりに熱は増加させる長所があるそうです。

▲Wipsglobal.com、KR10-2022-0124778、「織物文化財保存処理用絹織物の人工劣化方法及びこれを利用した織物文化財の保存処理方法」

織物に一定の温度で設定されたゼノンランプで人工劣化をすると綿織物の原状をそのまま維持できるそうです。また、本装置を利用すると織物の抗張力損失及び黄変指数変化を最小化して長い間織物の無欠性も維持されるそうです。

技術の革新で文化財の価値をもっと輝くように

今回のポストでは我々の歴史がこもった文化財と遺物の復元、保存技術について調べてみました。これまで復元、保存された文化財のすべての過程には数多くの人力と努力と技術の適用があったから可能だったはずです。これからも私たちの文化財の価値がもっと輝くように技術の革新も続くことを祈っています。


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