【IP ISSUE】各国の最新情報_202306

KR

2023年5月31日、韓国の特許庁(KIPO)は日本の特許庁(JPO)で韓日特許庁長会議を開催して両庁間の知的財産分野の案件と向後の協力方向について論議しました。

▲ Clipartkorea.co.kr

今回の韓日特許庁長会議は、2017年以後6年ぶりに開催された2023年3月と5月に開催された両国間の首脳会議をきっかけに韓日シャトル外交が元に戻っている時点で、知的財産分野の高級官僚の会議が再開されたという点で意味を持ちます。

今回の会議で韓国のイ特許庁長と日本の濱野特許庁長は、人工知能、モノのインターネット、メタバースなど新技術が急速に発展し、また気候変化対応など持続可能発展目標(SDGs)実現のための革新の重要性が高まっている状況で知的財産制度発展のための相互協力の必要性に同意しました。

また、商標・デザイン審査、審判、情報化、審査官力量強化などの実務協議体の再稼働、両庁間の審査官交流、緑色技術(Green Technology)関連の特許分類体系構築のための経験共有などに合意しました。

併せて、両庁長は両国の出願人たちに迅速で正確な特許審査サービスを提供するための特許共同審査(CSF)についても向後情報交換を行うなど実務論議を持続することを約束しました。

また、韓国のイ特許庁長は今年の下半期に韓国で開催される韓・中・日の特許庁長会議に日本の濱野特許庁長の訪韓を公式要請し、両庁は韓・中・日の特許庁長会議が成功的に開催できるように向後緊密に協力していくことを約束しました。

日本の濱野特許庁長は、グリーントランスフォーメーション技術区分表(Green Transformation Technologies Inventory, GSTI)をはじめとしたIP5(世界5大特許庁)プロジェクトについて両庁の理解を深めるための論議の新しいツールを提案したそうです。

<出典>"韓国特許庁、韓・日特許庁長会議6年ぶりに再開”. 韓国知識財産研究院.

https://www.kiip.re.kr/board/trend/view.do?bd_gb=trend&bd_cd=1&bd_item=0&po_item_gb=KR&po_no=22086, (参照 2023-06-16)

US

2023年5月23日、アメリカの最高裁判所(U.S. Supreme Court)がアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)の著作物の一部が公正利用(Fair Use)要件に符合せず、著作権侵害の対象になると判決したとロイター(Reuters)通信が報道しました。

▲Andy Warholの「オレンジプリンス」(右)、Lynn Goldsmithの歌手Princeの写真(左)
（出処：scotusblog)

本訴訟で問題になった作品は、Andy Warholの「オレンジプリンス」です。Andy Warholは1981年のニュースウィーク(Newsweek)の雑誌社の掲載用で16件の著作物を創作しましたが、この中のほとんどが有名写真作家の「Lynn Goldsmith」の写真著作物を基にした創作物でした。

2017年にゴールドスミスは、自分の著作物が無断で使用されたことを知り、Andy Warhol財団を対象に著作権侵害訴訟を提起しました。

判決の主要内容は以下通りです。

この事件の争点は、著作権者の許可無しで著作権として保護される著作物を表現の自由を根拠に公正利用できるか否かです。

公正利用を判断する要件としては、パラディ(Parody)・教育・批評など新しい芸術的な表現を追加して変形(Transformative)を加えたかの有無、使用目的、性格の新規性有無などがあります。

アメリカの最高裁判所は著作権を侵害したと推定される特定使用(つまり、Andy Warholの作品)が商業的な目的に該当するので公正利用に該当しないと判決し、ゴールドスミスの写真を基にしたAndy Warholの作品が著作権侵害と無関係ではないという下級裁判所の判決を支持しました。

<出典>“アメリカ最高裁判所、アンディ・ウォーホル著作権訴訟で公正利用要件未達判決”. 韓国知識財産研究院.
https://www.kiip.re.kr/board/trend/view.do?bd_gb=trend&bd_cd=1&bd_item=0&po_item_gb=US&po_no=22059, (参照 2023-06-16)

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