2023年5月3日水曜日

【IP KOREA】今度はまたSAMSUNG(サムスン)、「スライドで解除」関連特許紛争

サムスン電子が10年以上悩まされた「スライドでロック解除」技術関連特許紛争に再び巻き込まれました。

最近サムスン電子はスウェーデンタッチスクリーン技術企業「ネオノード(Neonode)」からスライドでロック解除技術に関連して提訴されました。
果たしてサムスン電子はこの特許紛争で勝利できるのでしょうか?

▲ Pixabay.com


予想より長い物語

この特許紛争は思ったより軽くも、短くもないです。もう10年以上続いてきた長い戦いになっているのです。
この紛争は2012年にAppleとサムスン間の特許紛争から始まりました。

Appleはサムスンを含めたAndroidフォン製造会社たちが自社の「スライドでロック解除」関連特許を侵害したとアメリカとヨーロッパで特許訴訟を提起しました。
これにサムスンは既にAppleが特許を出願する前からスウェーデンのネオノードがリリースした携帯電話に搭載された先行技術であると主張しました。

当時アメリカとドイツはそれぞれ違う判決を下しました。アメリカ裁判所はサムスンがAppleに約1330億の損害賠償金を支払うべきだと判決しましたが、ドイツの裁判所はAppleの特許に効力がないとヨーロッパ内の特許権を取り消しました。つまり、サムスン電子のApple特許無効化が的中したのです。

しかし2020年、今回はネオノードがサムスンに訴訟を提起して再び紛争が始まりました。
今回はアメリカ裁判所がネオノードの特許が認められるという一部勝訴判決を下しました。


ネオノードの技術は何か?

それでは、ネオノードが引き続き提起している技術は何でしょうか?技術は一見単純に見えます。
私たちが今も手にしているスマートフォン画面のボタンを指先でタッチしたりスライドしてロックを解除するタッチインタフェース技術です。

しかしスマートフォンはともかくタッチフォン自体が商用化する前の2002年に出願された技術であることを考慮すると相当高度化された技術だといえます。
むしろ、スマートフォン市場では出だし的な技術なのでネオノードが特許紛争を引き続き提起することができると思われます。

▲Wipsglobal.com、US 8095879 B2、「ネオノードのモバイル携帯用コンピューターユニットのためのユーザーインターフェース」

今回は何が問題?

2020年以後、サムスンとネオノードの法的攻防は終わったように見えました。しかしネオノードが今回は既存のスライドしてロック解除だけではなく、タッチで電話に出たり、スワイプで画面のタイピング機能まで指の画面タッチを利用した大半の機能を侵害したと被害範囲を広げました。
ネオノードのサムスン電子提訴ケースは「WIPS GlobalのLitigation search(訴訟検索)」でもご確認いただけます。

▲Wipsglobal.com、US Litigation、「ネオノードのサムスン電子提訴ケース」

現在ネオノードはサムスンに補償金額を既存より3倍以上高く判決してほしいと要求しています。
専門家たちは、2017年アメリカ判決でサムスンがAppleに1億1960万ドルを賠償したことを鑑みると今回の賠償金額は約4735億以上になると予想しています。


この紛争の終わりはどこか…

一方、サムスンは今回の紛争についてまだこれといった立場を出していません。
最近Galaxy S23シリーズの大反響でスマートフォン市場の主導権を再び持ってきているような今の状況で、終わったと思った特許紛争をまたやらなければいけないサムスンが果たしてどう対応するか今後の動きに注目です。


Japan Tel: +82-2-726-1113, 1107 | Fax: +82-2-777-7334 | wips-jp@wips.co.kr

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