2023年5月19日金曜日

【IP ISSUE】火災予防のための技術と研究

乾燥して風邪が強い時期には、あちらこちらで火災事故が増えます。
韓国でも3月に大田(テジョン)にある韓国タイヤ工場で発生した火災で多くの財産被害と人的被害を残す大型火災事故がありました。
幸い、消防隊員を含めて多くの人々の努力のお陰で火災発生58時間で完全鎮火されました。

▲大田の韓国タイヤ工場火災現場(出処:News1、https://www.news1.kr/)

これだけではなく、今でも色んな所から火災事故ニュースが聞こえてきます。
今回のポストでは、このように頻繁に発生する火災から安全を守れる技術と研究努力について調べてみたいと思います。

燃えにくい建築仕上げ材

火災事故が発生すると、壁紙とセメント、断熱材など建築の仕上げ材が火災被害を拡大させる原因の一つであると知られて、もう政府でも建設時になるべく燃えにくい建築仕上げ材を使うように規定しています。

これに韓国セラミック技術院では難燃、不燃機能が優れたセメント組成物を開発しました。
この技術はセメントモルタルに水性ポリマー材料を使用して高温でセメントモルタルの耐久性が衰弱する問題を解決してセメントの密度を高めて難燃及び不燃性を同時に強化します。

▲Wipsglobal.com、KR 10-2020-0189830 A、「難燃及び不燃性能が向上された建築外装仕上げ材用セメント系組成物」

インテリア効果のために使用するデコシートにも火災から安全を守れるように防炎機能を搭載しています。東レ尖端素材が開発したこのデコシートは防炎と難燃性能が優れたポリエステルの多層構造で構成されていてインテリアはもちろん防炎効果も卓越するそうです。

▲Wipsglobal.com、KR 10-2021-0103603 A、「防炎ポリエステルデコシート」

映画館や劇場など音響が積極的に使われる建築物では騒音を吸収するための吸音材が必須として組成されます。
ただ、この吸音材は不燃性に衰弱する問題が提起され続けてきました。

そのため、韓国のKOMERI(Korea Marine Equipment Research Institute)は吸音性のみならず不燃性も満足できる吸音天井材を開発しました。
この天井材は既存吸音材とは違って金属を利用した天井材で、不燃性を高めて微細吸音穴を入れて騒音を吸収及び分散させることができるそうです。

▲Wipsglobal.com、KR 10-2023-0031024 A、「不燃性及び吸音性を持つ天井材」

小さいけど誰より早い火災感知器

火災感知器は熱や煙による火災を感知する装備です。既存の火災感知器が単純に火災を感知して警告する程度だったとすれば、最近は有用な機能が搭載された火災感知器が続々登場しています。

この火災感知器は空気吸入型火災感知器で、内部にガス感知センサーが設置されていて火災発生時の火災警報はもちろん内部に広がる有毒ガスと煙を素早く吸入して発生し得る人命被害を最小化できます。

▲Wipsglobal.com、KR 10-2022-0082299 A、「空気吸入型火災感知器」

火災退避用のハンカチが内蔵された火災感知器もあります。この火災感知器は火災を感知すると内蔵された火災退避用のハンカチが自動で引き出されて建物内の人々にハンカチを着用して有毒ガスや煙からゴールデンタイムを守れるように補助します。

飛行機事故時に安全のために座席の上から自動でライフジャケットが広げられる原理と類似するようです。

▲Wipsglobal.com、KR 10-2286479 B1、「火災退避用ハンカチを内蔵した火災感知器」

火災感知器を他の装備と連動して安全を確保する技術もあります。この技術は火災感知器と出入り口が連動したシステムで出入り口に設置されたドアロックと火災感知器をNFCで連動して火災が発生すると近隣の消防署と管制センターに状況を伝えることができます。

▲Wipsglobal.com、KR 10-2502240 B1、「火災感知器と連動された出入口開閉システム」

火災予防のための独特なアイディア

難燃、不燃の建築仕上げ材と火災感知器の他にも火災から安全を守れる独特な技術も目立ちます。

この平凡に見える照明は一般の照明とは違う機能があります。スプリンクラーのように火災が発生した時に照明から消火薬剤が噴射される機能があります。天井に埋め込まれた消火薬剤噴射機が証明とつながっていて、火災感知センサーで火や煙を感知する下の部分から消火薬剤が噴射されます。

▲Wipsglobal.com、KR 10-2508233 B1、「火災鎮火手段を具備した照明器具」

電気自動車の火災も最近頻繁に発生して対策が要求されています。
このために完成自動車業界と自治体では電気自動車による火災防止技術開発に力を入れています。

韓国のソウル市でも、電気自動車の火災鎮圧のための装置を開発しました。この技術は浮上式水槽型の電気自動車火災鎮圧装置で、簡単に言うと発火した自動車の下にウォーターバッグを入れて圧力水を注入して車両をウォーターバッグの中に上げて車両全体の火を鎮圧する技術です。

▲Wipsglobal.com、KR 10-2475355 B1、「浮上式水槽型電気自動車火災鎮圧装置」

私たちのそばには小さい消防隊員である消火器があります。使用者の観点から便利で多様な機能を備えた消火器も多いです。

この消火器は見える消火器で、既存の消火器は赤い鉄材の外皮で包まれていて長らく放置されて使用期限が既に切れてしまったり、消火薬剤が足りない状態で置かれている場合が多く、実際に火災が発生した時には使えない状況になってしまいます。

▲Wipsglobal.com、KR 10-2022-0009122 A、「見える消火器」

この見える消火器はそのような状況を防止することができます。鉄材の外皮の代わりにプラスチックを利用して透明圧力容器で製作されて、消火薬剤の残量を目で直接確認出来て消火器の上に付着された表示灯を通じて消火器の点検時期に合わせて灯りでアラートを表示する機能も搭載されています。

銃で撃つように投擲する投擲用消火器もあります。
この消火器の長所は火事が大きくなったり人が進入できない空間にこの消火器を投擲して鎮火できるという点です。
投擲用消火器は簡単に発射ボタンだけ押す方式なので、だれでも簡単に使えて活用性もいいそうです。

▲Wipsglobal.com、KR 10-2426878 B1、「投擲用消火器の発射装置」

火災予防のためには基本から守らねば

子供のごろの火事予防の標語やポスター大会で大賞になった作品を見ると、派手な表現ではなく誰でも簡単に理解できる基本を重視する作品が多かった気がします。

実際に山火事や大型火事の発火原因を見ると、ゴミの焼却、タバコの火からの失火、家電誤乱用など基本を守らなくて被害が大きくなったケースが多かったそうです。

このように誰もが警戒心をもって常に基本的な規範を守りながら火災予防に力を入れなければならないと思います。
また、今回のポストでご紹介した火災鎮圧と予防のための多角的な技術の発展も期待してもいいと思います。


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