特許は登録された国のみ効力がある属地主義という原則があります。各国の審査制度により審査を実施して特許権を付与するため、一国で特許を取得したとしても、他国で特許を取得できない場合が発生します。このように、複数の国に1つの特許が出願される場合、基本原出願に対する各国の出願がまるで家族のような形になっているため、これらを「特許ファミリー」と呼ばれています。
昨年5月のWIPSマガジン2号で、WIPS Globalのファミリー分析機能について紹介しました。今回はファミリー特許の検討に有用なグルーピング機能について紹介したいと思います。
WIPS Globalのファミリーグルーピングとは、検索結果をファミリー単位でグルーピングしたり、検索結果に同一ファミリーがある場合は、1つのグループにまとめる機能です。 この機能により、国は違っても同じ発明であるファミリー特許について速やかに検討、分析が可能です。10万件の文献を一度にグルーピングすることができ、グルーピング後にも重複文献を除去することができます。
▲ wipsglobal.com> search result |
詳しく機能を紹介しますと、
1. 検索結果内で同一ファミリー同士でグルーピングでき、
2. 検索結果には存在しませんが、検索された文献が保有している全てのファミリーを検索結果に含めてグルーピングする 'ファミリー拡張後グルーピング' 機能です。拡張されたファミリー文献は、最初に検索した文献よりも多くの結果をも得ることができます。
3. ファミリーグループ内で代表として確認する文献基準を設定する機能です。出願日基準で並べたり、ファミリー文献に複数の国が含まれている場合、優先的に検討が必要な国順で設定できます。
▲ wipsglobal.com> search result > To Extend |
一つのファミリーグループの中には一つの代表ファミリー文献と下位文献が存在することになりますが。グルーピング後、下位文献を確認するには、+ボタンをクリックして確認することができます。図のように、4番文献の下に4.1、4.2、4.3と順次番号が付与されるため、検討した文献と区別しやすいです。
▲ wipsglobal.com> search result |
ファミリー文献を選択してマイフォルダに保存したり、スマートアングルなどで追加分析したい場合、全ての文献を選択したり、代表文献のみ選択することができます。
▲ wipsglobal.com> search result > download |
ファミリー文献をダウンロードして確認することもできます。ファミリー文献に同一の「ファミリーID」を提供し、ダウンロードしたExcelファイルの「ファミリーID」列で確認できます。詳しい内容を確認したい場合、使うととても便利です。ただ、ファミリー文献は時間が経つとファミリー関係が変わることもあるので、ダウンロードのタイミングによってはファミリーIDが変わることはご注意ください。
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