特許検索は先行技術を調べたり技術の詳細を把握するなど、検索結果を通して技術の流れや研究開発活動などの情報を調べるために利用されます。特許検索結果を通して様々な情報を把握するためには、多くの特許の相関関係と特定区間のデータ分布現況を理解する必要があります。WIPS Globalの代表的な分析機能であるスマートアングルを通して利用できる「クロスマトリックス」は、ユーザーが分析しようとする特許母集団を2次元マトリックス基盤で特許間の情報の相関関係を分析することで多様な特許戦略を樹立できる機能です。
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クロスマトリックスは、スマートアングルを通して開けます。
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スマートアングルが一つの項目に対する統計を確認できる機能であれば、クロスマトリックスは確認したい項目を横、縦軸に設定して、データの分布状況を確認する機能です。分析過程で導出される関心項目に対する再分析をすることができます。画像ではなくテーブル形態で分布が確認でき、ユーザーによる任意チャート作成用としても活用できます。
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自動運転関連キーワードで 検索してみました。X軸には出願年度、Y軸には第一出願人を選択して年度別の出願状況を調べました。自動運転に関する特許出願は2015年から非常に多くなりました。 一見みても、トヨタ、フォード、GM、ヒョンダイなど、有名な企業が上位を占めています。
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今回は出願年度別の技術分野を設定してみました。出願の多い分野は右側に表示されたように濃い色で表示されています。特定区間の出願情報について知りたい場合はクリックして当該出願年度の当該技術に出願された特許リストをすぐに確認することができ、リストは特許の詳細に繋がるのでファミリー情報や引用情報などの詳細まで確認することができます。出願日と分類コード別出願の分布を確認することで、各企業がどの分野に集中しているのか把握することができます。
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今回はX軸をIPCに設定し、出願人別の自動運転の主力技術を見てみました。自動運転は運転手の介入なく車をコントロールし、目的地まで走行する原理であるため、「制御」技術が非常に重要です。制御関連分野であるG05D(非電気的変量の制御または調整系)にはトヨタ、フォード、ホンダ、GM、ヒョンダイなどが上位を占めています。また、周辺環境を自ら認識し走行状況を判断するために重要な「無線通信ネットワーク」技術分野であるH04W(放送・通信、非選択的通信のために無線リンクを使用する通信システム)には、スマートフォンでよく知られているサムスンとアップルが上位を占めています。その他、IBMは半導体装置技術である「H01L」、Intelはデジタルデータ処理技術分野である「G06F」で、それぞれ上位を占めています。医療機器を製造するグローバル医療製品会社であるCOVIDIENLPは、診断、手術分野であるA61Bでは研究開発が活発に行われていると思われます。
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クロスマトリックスはチャート機能を提供しています。以下のようにそれぞれバー、ライン、領域、バブルタイプに分類されており、適切なタイプを選んで統計を見ることができます。マウスオーバーをすることで統計数が確認でき、下部に年度などの範囲調節が可能となっております。
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このようにクロスマトリックスはX、Y軸に設定した項目間関係とデータ分布状況を簡単に把握できる機能であり、特許の流れや現状分析を行う際に有用なサポート機能です。
様々なな分析が必要であれば是非クロスマトリックスを利用してみてください。
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