2025年12月16日火曜日

【IP ISSUE】各国の最新情報_202512

  EP

2025年11月24日、欧州連合知的財産庁(EUIPO)は「EUIPO著作権カンファレンス(EUIPO Conference on Copyright)」において、「著作権ナレッジセンター(Copyright Knowledge Centre)」の発足を発表したと公表しました。

▲ gettyimagesbank.com

創作環境を大きく変えつつある生成系AIの発展や、欧州連合(EU)内における分散した著作権の法的枠組みにより、著作権作品の保護や価値評価の在り方について、明確な指針が求められる状況となっていました。

そこでEUIPOは、戦略計画2030(SP2030)の一環として、創作者がデジタル時代の潜在力を最大限に発揮できるように著作権を保護・尊重し、その価値を正当に評価する方法について、初のオンライン情報リソースとなる「著作権ナレッジセンター」を立ち上げました。
同センターの目的および役割、主な機能は以下のとおりです。

◎目的
1. AI環境において、利用者が自身の著作権を保護しその価値を高めるための方法を案内すること
2. 著作権に関連する創造的・革新的分野と協力すること
3. デジタル時代全般において、著作権の透明性とアクセシビリティを向上させる新たなサービスを模索すること
以上の内容を目標としています。

◎役割
EU内における著作権の中核拠点であり、著作権知識への単一のアクセスポイントとして、公的・民間の著作権コミュニティおよび関連する利害関係者とのコミュニケーションの接点を担うとともに、AI・EU著作権インフラ・文化的多様性といった主要課題に対応するためのツールやサービスを統合的に提供する核心的な知識ハブとしての役割を果たします。

◎機能
利用者は、「著作権ナレッジセンター」のウェブサイトを通じて、EUIPOが提供する著作権関連の①教育・意識向上のための資料、②研究報告書および各種刊行物、③判例など、豊富な情報資源を検索・閲覧することができます。

また、EU加盟国の著作権制度を調査・比較できるツールである「インタラクティブ欧州著作権マップ(Copyright in Europe – interactive map)」を通じて、著作権関連法令、管轄機関、ライセンシング制度などに関する包括的な情報を入手することができます。

さらに、EUIPOが既に提供している著作権関連サービスである「OOCW(Out-of-Commerce Works)ポータル」、「Orphan Worksデータベース」、「Agoratekaポータル」へのアクセスも、統合的に利用できるようになっています。

EUIPOは、「著作権ナレッジセンター」を通じて、EUにおける著作権インフラを強化するとともに、生成系AIによって生じる課題に対応するため、創作者やイノベーション分野の専門家との協力を促進していく方針です。
また、EU内における著作権の状態、著作権者、権利帰属に関する情報へのアクセス性を向上させることを目的とした「CopyrightView」サービスの開発など、新たなイニシアティブを模索していくそうです。

<出典>"ヨーロッパ知的財産庁(EUIPO)、デジタル時代創作者支援のための「著作権知識センター」出帆”. 韓国知識財産研究院.

CN

2025年11月28日、中国商務部をはじめとする6部門は、「消費財の供給と需要のマッチングを強化し、消費を一層促進するための実施方案」を発表しました。

6部門は、2030年までに供給と消費が好循環し、相互に促進し合う高品質な発展構造を形成するとともに、消費が経済成長に果たす役割を一層高めることを目標として本方案を策定しました。そのうち、「技術およびイノベーション」に関連する内容は以下のとおりです。

1.新技術及び新モデルの革新応用加速化

新聞や及び新経路構築加速化
●スマートネットワーク対応の新エネルギー車、スマートホーム、家電・消費者向け電子機器、先端繊維、食品、環境配慮型建築材料などの中核産業に重点的に取り組む
●「双百(ダブル100)代表的イノベーション応用」特別行動を展開し、
 ① 100件の代表的製品、
 ② 100社の代表的イノベーション企業、
 ③ 実用性と普及性を兼ね備えた新製品の初期応用シナリオモデルの構築を推進する
●高性能繊維、グリーン染色、製紙、家電、電池、日用化学品、バイオ医薬、バイオ製造などの消費財産業分野を重点に、検証・実証プラットフォームを多数整備・構築する

高効率の製造新モデルの促進
●柔軟かつカスタマイズ型の生産方式を積極的に普及させ、「千工場・千様(千の工場、千の顔)」改造計画を実施し、「ユーザー需要―スマート設計―柔軟生産」を一体化したデジタル体系の構築を推進する
●企業および業界団体などが消費財データ仲介プラットフォームを構築することを支援し、消費ビッグデータと生産システムのリアルタイム連動を促進するとともに、ユーザー参加型設計などの方式を普及させ、消費者の個別化・多様化する需要に効率的に対応する生産の実現を後押しする

人工知能(AI)融合及び力量強化
●消費財産業の全分野においてAIの応用を推進し、生成系AIや3Dデジタルデザインなどの新たなツールの普及・活用を加速する
●AIを活用した消費財産業の高度化・深化を推進するとともに、ソリューション提供事業者と生産企業との深度ある連携を強化する
●家庭用サービスロボット、スマート家電、AIスマートフォン、コンピュータ、玩具、スマートグラスなどのAI端末の開発を奨励し、スマート製品を通じて、エンターテインメント、健康、ケアなどの生活サービスを提供する体制の構築を促進する

 

2.差別化された新しい製品供給拡大

多様な趣味消費製品の供給拡大
●ペット関連製品、アニメーション、ストリートファッション、玩具など、趣味・嗜好型消費財の積極的な発展を図る
●リスクを厳格に管理し、安全を確保することを前提に、低空観光、航空スポーツ、個人飛行、民生用ドローンなど、低空分野における消費供給を有機的に拡大する
●企業が地域に根ざした知的財産(IP)を育成し、文化創作製品やアニメーション関連商品などを革新的にデザインするとともに、ブランドライセンシングの発展を促進し、IPライセンシング商品を展開することを支援する

<出典>“中国商務部など6個部署、企業のIP育成支援を含む消費促進方案発表”. 韓国知識財産研究院.
https://www.kiip.re.kr/board/trend/view.do?bd_gb=trend&bd_cd=1&bd_item=0&po_item_gb=CN&po_no=24056, (参照 2025-12-12)


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