2024年8月23日金曜日

【IP ISSUE】各国の最新情報_202408

KR

2024年8月6日、韓国の特許庁(KIPO)は、「産業財産情報の管理および活用促進に関する法律(以下、産業財産情報法)」が8月7日から本格施行されると発表しました。

KIPOが保有している世界の約5.8憶件の特許情報(商標、デザイン情報を含む)は研究開発(R&D)重複防止及び産業経済・安保関連のイシュー分析、国の製作及び企業の経営戦略樹立時に戦略的な活用が可能な核心情報であるにも関わらず、これを活用する法的根拠が足りず、特許情報を積極的に活用するのに混乱がありましたw。
それで、特許情報を戦略的に活用できる根拠を明示した「産業財産情報法」を訂正し、施行するようになりました。

▲ Clipartkorea.co.kr

産業財産情報法は大きく①国安保・技術流出防止目的の産業財産情報の提供、②技術・産業支援目的の産業財産情報の分析・活用、③特許情報インフラ構築などで構成されており、施行効果は以下通りです。

(1)国安保・技術流出防止のための国行政機関間の協力体系構築
➡産業財産情報法の施行で、国安保関連の技術の流出を防止するために出願中の特許情報を分析及び活用できる根拠を設けて分析結果を国の行政機関に提供するなど技術保護のための機関間の協力体系を構築できるようになる
既存には出願後18か月が過ぎた公開特許データのみ活用できて、最新の技術分析と他機関の情報提供に限界があったが、産業財産情報法の訂正で技術安保に関連する緊急事案に即刻対応できるようになる

(2)特許情報ビッグデータ化を通じて効率的な産業財産戦略樹立支援
R&D・産業支援のために特許情報をビッグデータ化して韓国企業・研究者など発明者情報を含めた特許情報を収集して整備できるようになる
これを基に特許情報を加工・分析して世界の技術動向を適時に把握して重複研究を防止するなど効率的な産業財産戦略樹立が可能になる
➡また、特許情報システム・データベース(DB)の構築及び情報化事業の根拠を設けるなど特許情報インフラも構築して総合的で体系的な管理が可能になる

KIPOは「産業財産情報法」の施行に合わせて特許情報の戦略的分析及び活用のために様々なデータの発掘・整備、技術流出防止及び保護、産業財産情報の活用支援などを包括する産業財産情報活用基本計画も年内に樹立する予定とのことです。

<出典>"韓国特許庁、産業財産情報法を本格施行”. 韓国知識財産研究院.
https://www.kiip.re.kr/board/trend/view.do?bd_gb=trend&bd_cd=1&bd_item=0&po_item_gb=KR&po_no=23039, (参照 2024-08-19)

CN

2024年7月26日、中国の北京知的財産権裁判所(北京知识产权法院)が「データ知的財産権登録証(数据知识产权登记证)」の司法的効力を認めたと中国の国家知的財産権局(CNIPA)が発表しました。

2022年12月、中国の国務院などはデータ財産権、流通取引、所得分配及び安全側面でデータガバナンスのための基本システムを構築するために「データ20個条項」を訂正しました。以後、CNIPAは関連業務配置に従って「データ知的財産権登録」を一部地域で試験的に施行しました。

▲ Clipartkorea.co.kr

2021年9月データ堂(数据堂)社は、公式ウェブサイトを通じて「人工知能(AI)データオープンソース計画1,505時間中国語標準語音声データ(以下、1,505時間データセット)」を発表して、2023年「標準語携帯収集音声データベース」に対して「データ知的財産権登録証(第2023000007号)」を付与されました。
2021年データ堂社はB会社が「1,505時間データセット」の下位集合である「aidatatang200zhデータセット」を不法的に入手して大衆に配布してダウンロードサービスを提供して会員登録を誘導するなどデータ財産権、著作権及び営業秘密を侵害したと主張して北京インターネット裁判所(北京互联网法院)に訴訟を提起しました。

裁判所は、1審と2審共に「1,505時間データセット」が法的に保護される財産的利益を持っていることを認めました。
二つの判決の違いは、「1,505時間データセット」が営業秘密であるか否かにありますが、1審の北京インターネット裁判所は営業秘密を構成することと判断した半面、2審の北京知的財産権裁判所はこれを是正して「1,505時間データセット」はデータ堂社のウェブサイトを通じて不特定多数に公開されたことによって秘密性を失ったと判断しました。

一方で、二つの判決はすべて「データ知的財産権登録証」の効力を認めましたが、1審の北京インターネット裁判所は「データ知的財産権登録証」がデータ堂社が「1,505時間データセット」を収集・保有する権利主体であることを証明するとみなしました。
また、2審の北京知的財産権裁判所もデータ堂社がデータ処理者として取得した「データ知的財産権登録証」は反対の証拠がない限り、「1,505時間データセット」の財産的利益を受け持つ予備証拠として使用できると同時に「1,505時間データセット」収集行為が適法である予備証拠としても使用できると判断しました。

<出典>“中国北京知的財産権裁判所、「データ知的財産権登録証」の司法的効力認定”. 韓国知識財産研究院.
https://www.kiip.re.kr/board/trend/view.do?bd_gb=trend&bd_cd=1&bd_item=0&po_item_gb=CN&po_no=23045, (参照 2024-08-19)



Japan Tel: +82-2-726-1113, 1107 | Fax: +82-2-777-7334 | wips-jp@wips.co.kr

0 件のコメント:

コメントを投稿

【お知らせ】「2024 知財・情報フェア&コンファレンス」出展のご案内

「2024 知財・情報フェア&コンファレンス」出展のご案内 ●会期:2024年10月2日(水)~10月4日(金) ●会場: 東京ビッグサイト 西3・4ホール ●展示ブース    ◎小間位置:W4-48    ◎展示内容:   ✓グローバル特許情報検索システム「WIPS GLOBA...