2022年11月28日月曜日

【WIPSTUDY】元々空の色が青なの?

 【WIPSTUDY】元々空の色が青なの? 


青い空を見ながらマスクをつけずに町中を歩いたのがいつなのか、昔のことのようでなかなか思い出せません。もちろん最近ではコロナ19という新型呼吸器ウイルスが原因でマスクをずっとつけている理由もありますが、コロナ禍以前にも黄砂や微細ほこり、花粉症などによってマスクを着用することが多く、空気清浄機や空調施設が重視されておりました。
前述した微細ほこりとは、言葉通り粒子がとても小さいほこりを言います。一般の微細ほこりは人の髪の毛の直径の約1/5~1/7位の小さい大きさで、目に見えない状態で大気中に浮いています。微細ほこりは小さすぎるため、呼吸器を通じて肺などの臓器に直接浸透したり血管を通じて体内に移動して健康に否定的な影響を及ぼす危険性があります。
今回のポストでは、微細ほこりの解決のための様々な技術の中から、微細ほこりの低減技術に関する具体的な内容と合わせて除去技術を細部的に分類して、低減技術別の特許動向の全体的な流れを通じて最近の研究動向を確認してみたいと思います。

1.微細ほこりとは?
微細ほこり(Particulate Matter; PM)は、目に見えないとても小さい粒子をいい、大きさによって微細ほこり(10μm以下、PM10)と超微細ほこり(2.5μm、PM2.5)に分けられます。
微細ほこりに長期間漏出される場合、免疫力が低下して風邪や喘息、気管支炎などの呼吸器疾患はもちろん、心血管疾患、皮膚疾患などの各種疾病に拡張される可能性があるそうです。最近の研究動向によると、微細ほこりに含まれている物質を分析した結果、重金属含有量が高くて微細ほこりによる問題以外にも重金属による人体内の問題にまで拡大される恐れがあり、もっと問題視されている状況です。

2.微細ほこり排出源及び低減技術
◎微細ほこり排出原因
大気汚染物質は排出源から直接排出される形の1次汚染物質と他の前駆物質が排出されて大気中で化学反応を起こして作られる2次汚染物質に区分されます。1次汚染物質に対しては大気汚染排出量を算出できますが、2次汚染物質に対しては直接的な排出量を算出できません。微細ほこりも、生成過程によって1次微細ほこりもあって2次微細ほこりもあります。
1次微細ほこりは燃料の燃焼施設の煙突、自動車の排気口、風に吹かれるほこりの形で多く排出されて、2次微細ほこりは大気中に既に排出されている硫酸化物、窒素酸化物、アンモニアが化学反応を起こして生成される硝酸アンモニウムや硫酸アンモニウムのようなエアゾールと大気中に凝縮されていた有機物質がここに含まれます。韓国のソウルで測定した微細ほこり分析結果を見てみると、PM10の場合、約20~40%が2次微細ほこりで構成されていて、1次微細ほこり排出に対する原因や解決方法を具体的で正確に分析すれば、微細ほこりに対する問題を少しでも解決するカギになると思われます。

◎微細ほこり低減技術
①電気集塵(Electrostatic Precipitator)
電気集塵装置は、直流の高電圧を使用して適当な不平等電界を形成して、電界においてのコロナ放電を利用してガス中のほこりに電荷を与えて帯電粒子をクーロンの力によって集塵極に分離捕集する装置を言います。

②ハイブリッド集塵(Hybrid Precipitator)
ハイブリッド集塵技術は従来の電気集塵技術と、ろ過集塵技術の組み合わせを通じてほこり粒子の捕集性能を最大限に高められる技術です。

③バッグフィルター(Bag Filter)
フィルターは気相や液状中の小さい固形物を除去するためのろ過体で、微細ほこりを制御するためによく使用する繊維フィルターは燃焼ガスから粒子状の汚染物質を分離するのにとても効果的な技術であり、フィルターの単一繊維の捕集原理は慣性、遮断、拡散、重力によるメカニズムが作用されます。

④ディーゼル煤煙ろ過装置(DPF)
DPFはディーゼルエンジンから出る煤煙の微細ほこりを捕集する装置と捕集したほこりを燃やして無くす装置で構成されています。

3.微細ほこり低減技術及び排出源別の特許動向
<微細ほこり低減技術及び排出源細部分類>

◎全体年度別/国別の出願動向
全体年度別及び国別出願動向

出願数は増加→減少→増加→減少の動きを繰り返す傾向を見せていて、約300件内外の出願件数が持続的に出願されていると見受けられます。特に、韓国及び中国の出願は持続的に右上がり(↗)の傾向を見せていて、特に2010年代の後半、韓国の出願増加が目立つ結果が確認されます。
上記の国別出願傾向は、変化する国別の政策や大気質(微細ほこり、NOx、SOxなど)の状況による投資と需要の結果が反映されて動きが変化したと推測されます。

◎全体出願人別の出願動向
微細ほこり低減関連、上位出願人TOP10

微細ほこり低減関連の上位出願人TOP10を確認してみた結果、最も多くの出願件数を保有している出願人はTOYOTA MOTOR(JP, 383件)で、その後をYANMAR(JP)、ISUZU MOTOR(JP)、TOPSOE HALDOR(DK)、KUBOTA(JP)、JOHNSON MATTHEY(GB)の順で次いでいます。

◎微細ほこり低減技術別の出願動向
微細ほこり低減技術別の出願現況
▲微細ほこり低減技術別の年度別出願動向

微細ほこり低減技術別の出願動向の特徴として、
DPF(R4)>スクラバー、吸着(R5)>バッグフィルター(R3)>電気集塵(R1)の順で確認され、電気集塵技術の場合、乾式電気集塵技術(R1-1)は時間が経つにつれ引き続き増加する動きである反面、湿式電気集塵技術(R1-2)は全般的に減少しています。また、最も多くの発明群数を占めているDPF(R4)の技術がとても速い速度で下落勢を見せていますが、これは移動手段の原料の変化(水素、電気自動車)によって関連技術の研究が減少していると推測されます。

◎微細ほこり排出源別の出願動向
微細ほこり排出源別の出願現況
微細ほこり排出源別の出願現況

微細ほこりの排出源別の出願動向の特徴として、移動元(E3)>発電、燃焼(E1)>産業現場(E2)の順で確認されて、これは2010年代の序盤に日本、アメリカのDPF(R4)技術の高い出願率及び交替時期や費用が大きい大型設備に比べて私たちの生活に密接する移動元の排出源に対する研究開発がもっと頻繁になったので、上記のような出願動向が見られるようになったと予想されます。

4.終わりに
産業は引き続き発達していて、これによって汚染物質はもっと多く排出されています。このような排出要因を置いて技術発展の問題であるとか、認識や政策の不備によるものだとかの問題だけを責めては既に排出された汚染物質を回収できるわけでもなく、破壊された環境を取り戻せるわけでもないです。
なので、当面の費用や時間が所要されるとして低減技術及び規制を導入しないのではなく、徹底した原因分析と関連研究開発を通じて解決しなければいけません。
また、政府と企業との協力と低減技術導入のための制度的なインセンティブ及び支援などのインフラ構築を通じて共同的に対応していくべきであると思われます。

※参考資料
- 微細ほこり汚染の現況と問題点(ジャン・ヨンギ、2016)
‐ 大気汚染物質特性および防止施設(係長技術、2009)
- 微細ほこり処理方法原理及び技術開発動向(国土第452号、2019)
- 大気排出施設での事前汚染低減のための管理法案(韓国環境政策評価研究院、1998)


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