2022年6月15日水曜日

【WIPSTUDY】大事な資源、PETリサイクル

 【WIPSTUDY】大事な資源、PETリサイクル


コロナ19の影響で食べ物の出前やオンラインショッピングなどの増加によってプラスチック、特に食品の包装材に使用されるPETの使用量が急激に増加しました。韓国ではこのようなプラスチック使用に従う廃棄物はほとんど中国に輸出されていましたが、中国政府が自国内の環境汚染が深化されて廃プラスチック輸入禁止措置を施行して、韓国では溢れるプラスチックゴミを減らすために食品容器に使われたペットボトルを洗浄・破砕した後に再び食品容器として循環して活用する、いわゆる「ボトルトゥボトル(Bottle to Bottle、以下「B to B」)方式のリサイクルが今年から導入されてPETをリサイクルするための努力と技術開発が速く進められています。
今回のWIPSTUDYでは、PETの機械的再活用技術において、リサイクルPETの品質向上のために汚染物質を除去する技術またはリサイクルPETの物性向上のための技術に関する特許動向の全体的な流れを分析してPETの機械的再活用技術の方向と現状を確認してみたいと思います。

1. PETの機械的再活用技術の特許動向

<技術細部分類>

2.出願動向


◎全体年度別/国別の出願動向
▲出願年度別の特許活動度

▲主要市場国別の区間別特許出願動向

出願年度別の特許活動を見てみると、1999年から2000年に頂点をとって以後減少する動きを見せていました。その後、2010年代に入ってから増減を繰り返して2018年以後に急激に増加する傾向がみられます。また、1990年代以前(第1区間)から日本、アメリカ、ヨーロッパを中心に特許を出願し始めて、1996年から2000年(第3区間)に特許出願の絶頂をなした後、減少する動きを見せましたが、2010年代(第4区間以後)から現在まで中国、韓国、アメリカでの出願が増加する様相を呈しています。

◎全体出願人別の出願動向
▲主要出願人の主要市場国別の特許出願動向

▲出願人国籍別の特許出願占有率

最も多くの出願件数を保有している出願人はSKCであり、URRC(US)、ILLINOIS TOOL WORKS(US)、KRONES AG(DE)、PHOENIX TECHNOLOGIES(US)順で主に再活用PET製造企業が上位に含まれています。出願人国籍別の特許出願現況を見てみると、アメリカ(US)国籍の最も多くの特許を出願していて韓国(KR)、日本(JP)、中国(CN)、ドイツ(DE)が後を次いでいます。

◎汚染物質除去技術の出願動向
▲廃PET汚染物質除去方法及び具体的な手段に対する特許現況

汚染物質の除去方法現況を見てみると、溶融圧出及び洗浄に特徴のある特許がそれぞれ26件で最も多くの件数を占めており、続いてその他、固相重合、乾燥、粉砕の順になっています。

◎再活用PET物性工場技術の出願動向
▲再活用PETの向上物性及び具体的な手段に対する特許現況

再活用PET物性向上に対する内容を見てみると、固有粘度向上に関する特許が38件で最も多くを占めており、次に色、その他、クランピング分率順で後を次いでいます。

3.あとがき

韓国では、B to B方式の再活用が今年から導入されました。
環境部の告示案には「B to B」再活用のための関連会社の施設基準と再生原料の品質基準に関する内容が入っています。既存のペットボトル再活用は捨てられたペットボトルを集めて不織布やぬいぐるみの綿、緩衝材など低付加価値原料を作る方式でしたが、このように作られたリサイクル製品が捨てられたときに追加のリサイクルができなくてゴミとして焼却または埋め立てられてきました。そのため、リサイクルではあるが持続は可能ではないという批判を受けていました。
したがって、PET再活用の中でも多くの部分を占めている機械的再活用技術の最近の世界の開発現況と適用対象による費用分析など基礎資料が綿密に要求され、再活用PETの品質向上のための積極的な技術開発及び制作支援が必要であると思われます。

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※参考資料
-'グリーンニューディールか' 2020、環境フォーカス
-'再活用プラスチックにも「レベル」がある' 2021、イーデイリー

※著者情報
Jaewon Moon l jwmoon@wips.co.kr
IP Planning team l Team Manager
(株)WIPSのIP企画チームのMoon Jaewonチーム長は、化学専攻者(ナノ材料合成)であり、特許先行技術調査と分析業務を8年担当してきて、現在はIP情報を活用したコンテンツ及び商品企画を担当しています。


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