2021年5月4日火曜日

【IP ISSUE】 コロナ19の影響で大人気! キャンピングカーに関わる技術の特許出願動向

 コロナ19の影響で日常に戻ることもままならない状況ですね。旅行はもっと危険なことになってしまいました。自然にできるだけ他人と距離を置ける「キャンプ」が代案として浮かび上がりました。さらに、昨年から小型車のチューニングが認められ、キャンピングカーのチューニング件数も前年比、約4倍増加1)しました。

キャンピングカーで世界旅行する人に憧れたことありますか? 「キャンピングカー」とは、宿泊のための装置を備えた車やトレーラーを意味します。 キャラバンのような専用車から、一般の車の内部を改造する場合や、車の屋根にテントを設置する形もあります。トレーラーは、小型テントトレーラーから多様な設備が設置されている大型トレーラーまであります。


▲ pixabay.com

今回の特許動向分析では、最近注目されている「キャンピングカー」に関わる技術2)の特許出願動向を見ていきます。


1. 年度及び国家別の出願現況

過去20年間、主要国家3)に出願されたキャンピングカーに関わる特許は約5,700件であり、2013年以降急激に増加しました。国別にみると米国、中国の出願が約30%で最も多く、次いで韓国が約10%、ドイツが9%となっています。非対面活動中心の生活が続く限り、特許もっと多くなると予測されます。












2. 出願人別出願現況

出願人別の現状を見ると、ドメティック·グループ(Dometic Corporation)、ソー·インダストリーズ(Thor Industries)、リパート·コンポーネント(Lippert Components)が最上位の出願を占めています。スウェーデンのドメティックグループは、家電企業であるイレトロルクス(Electrolux)のレジャー用機器事業部であったが、2001年から独立しており、キャンプに関わる各種装置および制御ソリューションを提供しています。トールインダストリーズは、北米のキャンピングカー市場の約40パーセントを占めている米国のレジャー用車両メーカーです。キャンピングカーで有名なエアストリーム(Airstream)、ジェイコ(Jayco)もソーの子会社であり、2018年にはドイツ最大規模のレジャー車両メーカーであるハイマーグループ(Hymer)を買収しました。リパートコンポーネンツは、米国のレジャー用車両に関わる装置や部品製造企業であります。






3. 出願人国籍別の出願現況

出願人の国籍を見てみると、米国と中国が最も多く、次いで韓国、ドイツとなっています。詳細を見ると、全般的に内国人の出願が80%であり、自国に出願する割合が高いことが分かりました。この中、米国、中国、韓国、ドイツを比較すると、米国とドイツは外国人の割合が19%以上ですが、中国と韓国は5%以下を占めています。










4. ファミリー及び引用現況

ファミリー状況は、全特許の69%が1カ国のファミリーを保有している中で、11カ国以上のファミリーを保有しているケースもありました。この中、上位出願はシリウステクノロジー(Sirius Technology、ノルウェー)のキャンピングカートイレに関わる特許とトムトムインターナショナル(Tomtom International、オランダ)のカーナビに関わる特許です。











一方、引用現況を見ると、全体の60%が引用されたことがないものと確認されていますが、11件以上の文献に引用された場合も約7%であります。 この中、上位出願は、アルファレジャー(Alfa Leisure, 米国)のレジャー用車両構造に関する特許とリパートコンポーネント(Lippert Components, 米国)、アクチュエントコーポレーション(Actuant Corporation, アメリカ)のレジャー用車両位置およびモーション制御関連特許です。









5. IPC別出願の現況

特許分類コードはB60(車両一般)に集中しています。細分化してみると、B60P(特殊目的車両)が最も多く、キャンピングカー内/外の装置及び制御に関わるE04H、B60R、B60J、B60Hなどがあります。トレーラー分野であるB62Dもあります。




IPCコード

説明

B60P

貨物輸送に適合な車又は特殊貨物又は特殊目的物を輸送、運搬又は搬入に適合な車

E04H

特定目的の建築物又は類似の構築物; 水泳又は水遊び用水槽又はプ; マスト; ; テント又は車

B60R

他に分類されない車、車口または車

B62D

自動車; トレ

B60J

の窓、防風、ガラス、非固定式の屋根、ドア又は同類の装置; に適合に分離可能な外部保護カバ

B60H

特に車の客室又は貨物室の暖房、冷房、換又は他の空理手段にする装置又は改造装



キャンピングカーに関わる技術の特許出願動向を見てきました。暫くはキャンピングに対する関心が続きそうです。韓国は昨年、完成車メーカーがキャンピングカー市場に進出4)したりもしていますが、今後キャンピングカー産業にどのような変化があるか期待しています。


(脚注)

1) 最近8ヵ月間、キャンピングカーチューニング3.7倍に増加…規制緩和·コロナ影響

2020.11.17 (https://www.hankyung.com/car/article/202011177467Y)

2) キャンプのための車両構造及び装置または作動·制御に関わる技術を中心に検討

3) 韓国、米国、日本、中国、EP、PCT、ドイツ、イギリス、フランス、ロシア、インド、台湾特許対象

4) ヒョンダイ自動車もキャンピングカー市場に飛び込んだ…価格は4899万ウォンから

2020.7.2(https://news.mt.co.kr/mtview.php?no=2020070208374417416)



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