2021年2月22日月曜日

【IP ISSUE】 数百年前から伝わるパネラ製造法、特許登録?

 ポリコサノール成分が入っているサトウキビ濃縮液

コロンビアの砂糖製造関連事業家であるホルヘ·ゴンザレス·ウヨアラは2020年6月、米国でポリケイン(policane)という商標を出願しました。この商標は、サトウキビジュースの濃縮液を販売するための商標でした。ゴンザレスは、サトウキビの「ポリコサノール」成分が医薬品より安くコレステロールを下げられると言っていました。この成分を効率的に抽出するための方法も特許登録、事業を進める予定でした。


▲ www.intomark.com (WIPSのデータベース)


特許に記載されているポリコサノールの抽出方法が数百年前の方法?

ゴンザレスが登録した特許は安定的な飲用コレステロール低減製品生産の中、ポリカサノールの保存を極大化するサトウキビの処理システムと方法です。特許を見ると、サトウキビそのものから安定的に原液を抽出するためのプロセスが説明されています。この方法で人為的ではなく自然にポリコサノールが生産できるそうです。しかし、特許を見てコロンビアで論難の的となりました。特許に記載されている方法がパネラ製法と違いがあまりなかったためです。


▲www.wipsglobal.com WIPS Global 特許検索 <サトウキビの原液抽出方法の特許>


中南米の伝統料理パネラ

「パネラ」(panela)は、サトウキビの汁を煮詰めて作った未精製の砂糖です。中南米国家で主に生産されるパネラは、数百年前から生産された伝統料理であります。特に16世紀、スペインの征服者によってパネラを生産し始めたコロンビアは、パネラ生産国として知られています。そのためゴンザレスの特許ニュースは、コロンビアで大きな論難の的となりました。コロンビアのパネラ生産業者はゴンザレスがパネラ市場を横取りするために特許を取得し、パネラはすべてのものなので、特許無効訴訟を進める予定であると言いました。


▲pixabay.com


パネラの製造方法はどうして正常に登録されたのか?

専門家はゴンザレスが出願した特許が登録されたことについて理解できないと言っています。パネラ製造の伝統に関わる記録が多いにもかかわらず、特許が登録されたのは米国特許庁のミスだからです。米ペンシルベニア大学のフォーク·ワグナー教授は、特許審査官は他の言語で発行された内容はあまり把握できない状況であり、特許審査慣行の盲点であるといいました。今回の事件で米国特許審査の慣行に問題があるということが知られました。



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