2020年12月24日木曜日

【IP ISSUE】ブレグジット以降、イギリス知的財産権の変化

英国のEU脱退に伴う変化


現地時間2020年1月31日、英国議会は2016年から進められてきた欧州連合(EU)からの脱退を公式的に宣言しました。その後、EUと英国は、今年12月31日までを転換期間とし、関係を維持しながら貿易協定など未来関係協商を実施することに合意しました。合意が終わる来年からは、経済、貿易分野だけでなく、多くの分野において変化があると予想されます。今回のIP ISSUEではブレグジット後、変化される英国の知的財産権政策について見ていきたいと思います。


▲ pixabay.com

ブレグジットの影響を受けない特許


欧州特許庁(EPO)は1977年、欧州特許協約に基づいき、設立せされました。
94年に始まったEUはEPOに代わる傘下の統合特許管理機関の設立するために努力しましたが、英国が最終決定を延ばして結局、設立されませんでした。したがって、EPOはEUと関係のない独自機関として、現在までヨーロッパの特許を審査、登録しています。そのため、英国がEUを脱退したとしても、特許出願や登録には打撃は少ないです。


▲ epo.org <欧州特許庁ホームページ>

変わる商標デザイン制度


特許とは異なり、ヨーロッパの商標デザインは、EUの傘下機関であるヨーロッパ知的財産庁(EUIPO)により管理されています。そのため、ブレグジット後の商標デザイン制度には大きな変化があると予想されます。例外の場合を除いて、今年9月までにEUIPOに出願したものや既存の登録済みの商標デザインは、英国の知的財産庁(UKIPO)に承継される予定です。当該期間まで含まれ承継された権利はEUIPOおよび英国、両方認められ,英国の登録番号の前に「UK009」が追加されます。
また、出願中の商標デザインは、英国への登録を希望しない場合、UKIPOに適用例外の申請をしなければなりません。承継該当期間後に出願した商標デザインは、UKIPOに別途再出願をすることにより、権利を得ることができます。また、登録済みのデザインであっても、来年公開されるのであれば、これもUKIPOに再出願しなければなりません。今年、期間が満了される商標デザインはEUIPOで更新可能ですが、来年1月から満了される権利はUKIPOでのみ更新可能です。


▲ euipo.europa.eu <欧州連合知的財産庁ホームページ>

来年から英国に出願される商標デザインは、欧州法ではなく英国法に従うそうです。出願を計画している方も、このような点をしっかり把握して準備しなければならないと思われます。



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