2020年5月27日水曜日

【IP ISSUE】カワイ・レナード vs ナイキ、ロゴ著作権訴訟!

NBAを代表する選手、カワイ・レナード


2011年、サンアントニオ・スパーズに入団してプロ選手活動を始めたNBAの代表選手のカワイ・レナード(以下、レナード)は優れたフィジカルと守備力で注目を浴びました。

2018年のNBAファイナルシリーズでトロント・ラブターズをチーム史上初めて優勝させて、MVPにもなりました。
以後、LAクリッパーズに移籍して、NBA最高の選手の一人として評価されています。


▲ flickr.com ⓒ ebocdujt7


ナイキとのスポンサー契約、自分のロゴ制作


レナードはプロにデビューした2011年にナイキとスポンサー契約を締結しました。

契約当時レナードは、ナイキと共に自分のトレードマークである大きい手と名前のイニシャルの「K」と「L」を形状化したロゴを制作して、そのロゴをナイキが制作する商品に使用できるように許可しました。
2017年、レナードは自分のロゴを入れた衣類および靴などを制作してこれを販売して得た収益で幼少年バスケットボール選手をサポートする慈善事業に活用すると発表しました。
これに対してナイキがロゴに対する著作権を主張して反対しました。


▲ oregonlive.com 「カワイ・レナードのスケッチとナイキロゴ」


ナイキを相手にした著作権訴訟


レナードの計画に対してナイキ側は、このロゴを2014年著作権として登録したのでレナードが任意で使用できないと主張しました。

これに対してレナード側は、KLロゴは自分の大学時代に構想したデザインを元に制作したもので、ナイキが自分が知らない間に著作権を登録したと反論しました。
レナードはナイキにロゴ使用だけを許可したものであり、著作権を譲渡していないと主張して、去年に著作権訴訟を提起しました。
9枚分量の告訴状と共にナイキとやり取りしたメッセージ、メールなどを証拠として提出しました。


▲ nbkorea.com 「ニューバランスのカワイレナード靴」


ナイキの反訴


ナイキもまたレナードを相手に反訴を提起しました。

ナイキは2011年、レナードが渡した大まかな図案を複数の候補郡に形状化して、最終的に採択したデザインはレナードのデザインと違うと主張しました。
また、レナードのロゴの著作権がナイキにあることを認知しているにも関わらず、ナイキ以外の衣類に使用したとこれは明白な契約違反だと反論しました。


▲ intomark.com 「カワイレナードの登録商標」


裁判所の判断は?


実際にレナードのスケッチとナイキのロゴを比較してみると、同じようで違って判断がとても難しいと思われました。

しかし、最近裁判所はレナードがスケッチして提案したロゴとナイキのデザインが違うと、結局ナイキの手を上げました。
裁判所の判決でレナードはこれ以上ロゴの所有権を主張できないと思われます。
しかし、これとは別途として商標検索サービスであるINTOMARKの検索結果、レナードはロゴに対する商標権を持っていました。
今回の著作権判決をきっかけにレナードの商標も使用できるのか疑問です。
ナイキとの契約終了後、ニューバランスと新しいスポンサー契約を締結したカワイレナードが今後どんな歩みを見せるのか帰趨が注目されます。



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