2020年3月17日火曜日

【IP KOREA】特許侵害訴訟で疲れるサムスン電子

イギリス企業「Nanoco Technologies」からの被訴


最近、イギリスの量子ドット(クアンタムドット)素材技術企業であるNanoco Technologiesは、アメリカテキサス東部地方裁判所に特許訴訟を提起しました。

サムスン電子が自社の量子ドット関連特許5件を侵害したという理由でした。
Nanoco側は、2010年サムスン電子とLCDモジュール素材開発協力過程において量子ドットサンプルを提供するなど関連技術を公開して、サムスン電子がこの技術を通じてQLED TVを開発した後、大きい成果を上げたと主張しました。


▲ nanocotechnologies.com 「Nanoco社のホームページ」


Nanocoの訴訟目的は?


実は、Nanocoはここ何年間会社の売却を推進しています。

一部の企業が引受合併を提案しましたが、現在まで成り立ってないと知られています。
業界の関係者たちからは、Nanocoが売却を早期に成り立たせるためにノイズマーケティングをしているとの意見も出ています。
量子ドットディスプレイ技術で世界1位のサムスン電子を相手に訴訟を提起して市場の注目を浴びれば、売却がスムーズになる可能性があるからです。
特に、韓国ディスプレイの先進技術に追いつくために努力している中国の企業たちにはQLED開発に必要な技術を保有しているNanocoが魅力的に感じられると思います。


▲ Wipsglobal.com WIPS Globalの特許検索「Nanocoのディスプレイ関連特許」


特許トロールからも提訴されたサムスン電子


2018年にアイランドで設立されたネオドローン(Neodron)は、各国の企業から安い価額で特許を購入した後、他の企業を相手に訴訟を提起して、収益を得る特許トロールです。

最近ネオドローンは、自社のスマートフォンタッチスクリーン関連特許を侵害したとの理由でサムスン、LG、アマゾン、アップルなどグローバル企業をITCに提訴しました。
サムスン電子は去年にもネオドローンから提訴されたことがあって現在調査が進められていると知られています。
ITCはネオドローンから訴状を受けた後、一ヶ月以内に調査開示可否を決定しなければいけません。


▲ Wipsglobal.com WIPS Globalの特許検索「ネオドローンのディスプレイ関連特許」


特許紛争によって受ける被害は?


過去の協力企業、特許トロールにそれぞれ提訴されたサムスン電子の立場では疲労感を感じそうです。

サムスン電子は数多くの特許紛争を通じてこれに対処する体系を備えていて、大きい打撃に繋がるとは思われないですが、特許紛争に巻き込まれること自体が好ましい状況ではないと思います。
判決が出るまで必要な時間と訴訟費用の消耗などを避けることはできないからです。
大きい被害を受けること無く、うまく解決するといいですね。



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