【WIPSTUDY】台湾の特許訴訟ケーススタディ #2
ケーススタディ#1に続いて、
今回の投稿では、アメリカで実際にあった台湾企業と韓国企業のUS訴訟ケースを以下にフォーカスを合わせて確認してみたいと思います。
・ライセンシング戦略
・他人引用
・カウンタークレーム
・IP競争力
<検索及び分析データベース:WIPS Global>
2-1. 訴訟ケース検索及び統計
AU Optronics Corp. vs Samsung Electronics Co., Ltd
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▲ Wipsglobal.com <WIPS GlobalのUS訴訟検索> |
・特許:US 7286192
・発明の名称:Transflective liquid crystal display
・ケースタイプ:侵害・プロダクト:サムスン電子の46インチLCDTVモデル「LN46C630K1F」
・ステータス:クローズ/Likely settlement
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▲ Wipsglobal.com <WIPS Globalの引用分析> |
該当特許は合計1,071件の引用があり、その中で1,056件が被引用です。更に1,012件の引用が他人引用(Non-self citation)です。これは、この技術がとても影響力があって多くの特許に引用されていることを意味します。
WIPS Globalの引用分析では、該当特許を引用した特許の出願人リストを確認することができます。サムスン電子はこの特許を引用した出願人トップ5位に入っており、BOEテクノロジーはトップ3位に入っています。
AU Optronicsは該当特許を多く引用しているBOEにライセンスアウト戦略を準備することができて、また逆にBOEもAU Optronicsに対するライセンシング戦略を準備するために該当特許のクレームを分析することもできると思います。
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文献間の引用/被引用関係はビジュアルモードで年度、日付、譲渡情報及びその他情報が特許番号と一緒に提供されるので、より直観的になります。
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▲ Wipsglobal.com <WIPS Globalの引用分析(テキストモード)> |
多くの審査官がこの特許を引用していることが分かりますが、これはこの特許がとても高く評価されていることを意味します。
2-2. IPパワー分析
それでは2社のIPパワーを確認するために、IP競争構造を調べてみたいと思います。

∎LCDパネル製品;
> AU Optronics vs Samsung Electronics : 10ケース
∎技術性及び市場性
このチャートを通じて2社が保有しているLCD関連特許の極端な差異を確認することができます。
AU Optronicsは、上記の引用分析で既に確認した通り、技術の影響力がもっと強いです。しかしファミリー特許が多くないので、USではない地域に対する戦略を準備しなければならない可能性がございます。
一方サムスン電子は、ファミリー文献が圧倒的に多く、市場支配力が強いです。しかし、市場支配力が高いというのは色んな地域に事業を展開している可能性が高く、その分リスクも高いことを意味します。そのため、万が一の場合(例えば、AU Optronicsの特許に対して無効化審判を提起して棄却されるなど)に備える必要がありそうです。
◀AU Optronicsの特許は全てActive状態
◀サムスンは3つの特許がInactive状態
(1件は消滅、2件は満了)

∎LCDパネル製品;
> AU Optronics vs Samsung Electronics : 10ケース
> Samsung Electronics vs AU Optronics : 9 ケース
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▲ Wipsglobal.com <WIPS GlobalのSmart Angle-IP競争力> |
∎技術性及び市場性
このチャートを通じて2社が保有しているLCD関連特許の極端な差異を確認することができます。
AU Optronicsは、上記の引用分析で既に確認した通り、技術の影響力がもっと強いです。しかしファミリー特許が多くないので、USではない地域に対する戦略を準備しなければならない可能性がございます。
一方サムスン電子は、ファミリー文献が圧倒的に多く、市場支配力が強いです。しかし、市場支配力が高いというのは色んな地域に事業を展開している可能性が高く、その分リスクも高いことを意味します。そのため、万が一の場合(例えば、AU Optronicsの特許に対して無効化審判を提起して棄却されるなど)に備える必要がありそうです。
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▲ Wipsglobal.com <WIPS Globalの特許検索> |
◀AU Optronicsの特許は全てActive状態
◀サムスンは3つの特許がInactive状態
(1件は消滅、2件は満了)
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▲ Wipsglobal.com <WIPS GlobalのSmart Angle-特許活動指数(Activity Index)> |
この特許活動指数は、技術分類による2社の特許活動を確認できる指数です。
平均1点を基準とする場合、サムスン電子はH05技術(電気技術)に集中していて、AU OptronicsはF21(照明)、G09(教育/暗号化/表示/広告/シール)に対してもっと多くの活動を行っていることが分かります。
2社が共通で活動を行っている技術においては、G02(光学技術)はサムスンがもっと多くの活動を見せており、H01(基本的電気素子)ではAu Optronicsがより多くの特許活動を見せています。
※注意:特許活動指数は、同一の分野で競争技術の相対的比較であり、絶対指数ではございません。
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