2019年3月19日火曜日

【IP KOREA】韓国国内製薬業界、最高裁判所の判決に対する対応方法模索

医薬特許権保護に対する最高裁判所の判決


先日、韓国の最高裁判所は医薬特許と関連して、「塩」変更医薬品の特許回避にブレーキをかける判決を下しました。
薬物で「塩」とは、医薬品の用途と効能にはあまり影響を与えないけど、薬物の溶解度と吸収を高める役割をする化合物です。
最高裁判所が延長登録された既存の特許医薬品で「塩」を変更した医薬品に対しても用途と効能が同一であれば、延長された特許権の権利範囲に属すると判決し、製薬業界に大きな波紋をよぶと予想されます。


▲ pixabay.com


医薬品特許回避に大きな影響


今回の最高裁判所の判決がイシューになっている理由は、韓国の多くの製薬会社が既存の医薬品特許を回避するために化合物で塩を変更した製品を開発してきたからです。
塩の変更は用途と効能は同一で化合物の一部構造が異なるため、特許回避のために多く使われている方法です。
今でも塩変更医薬品開発が引き続き行われていて、現在裁判所に塩変更医薬品関連の事案で係留中の事件が約170与件に上るとのことです。
多くの医薬品と事件が関連している分、今回の最高裁判所の判決は少なくない影響を及ぼすと思われます。


▲ pixabay.com


韓国と海外国の医薬特許延長登録の保護


アメリカとヨーロッパの場合、一つの許可に一つの特許だけが延長可能です。
その反面で韓国の場合、医薬品特許の延長登録時、一つの許可で複数の特許延長が可能ですが、延長された特許の権利を狭く認めて多国とのバランスをとっています。
しかし、今回の事案と関連して最高裁判所が延長登録された医薬品特許の権利を広く認める判決を下して、むしろ韓国がヨーロッパやアメリカより延長特許をもっと強く保護することは不当だという意見も出ています。


▲ pixabay.com


韓国内製薬会社の対応は?


韓国の製薬会社はこの判決と関連して改良新薬開発に対して懸念を公に表して対応方法を模索しています。
予想できなかった判決にほとんど困惑している雰囲気ですが、個別事案の差異によって異なる可能性があって、立法的に掘り下げることができる可能性もあるとの意見もあります。
今回の裁判所の判決が韓国内の製薬業界に大きな変化をもたらすことは確かだと思います。



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