2018年5月31日木曜日

LG電子、中国内「QLED」商標登録無効

LG電子、中国内「QLED」商標登録無効


LG電子の中国内「QLED」商標先占が難しくなりました。
2016年、LG電子は「QLED」という名称で中国で商標を登録しましたが、
当時、QLEDディスプレー技術の先占のために、先行して商標を登録したと予想されます。
しかし、この度中国当局の登録取消によってLG電子の「QLED」商標は無効になりました。


▲ flickr.com © Leon Benjamin

QLEDとは?
「QLED」とは、量子ドット発光ダイオード(Quantum Dot light Emitting Diode)の略字でディスプレー関連技術です。
最近テレビ関連広告でよく見かけるOLED(Organic Light Emitting Diode)もQLEDと同じくディスプレー関連技術です。
LG電子が中国で「QLED」商標を申請したのは2014年とのことですが、当時はQLEDが大衆にほとんど知られていない時期で、約1年6ヶ月の時間が経って中国で「QLED」を登録することができました。

▲ flickr.com © Marco Verch

商標登録を阻止したサムスン電子
TV分野でLG電子とライバル関係であるサムスン電子は、中国にLG電子の「QLED」商標が登録されていることを知り、中国当局に異議を提起しました。
サムスン電子は、「QLED」は識別力を持つ用語ではなく技術用語であり、共益上特定人の独占を許容するのは不当であると主張しましたが、中国当局がこの主張を認めることでLG電子の「QLED」は無効になりました。


▲ intomark.com 韓国商標検索システムINTOMARK <サムスン電子のQLED登録商標>

容易くないQLED商標登録
LG電子は既に中国のみならず韓国でもQLED商標の登録を拒絶されてことがあります。
当時LG電子は、登録拒絶に対して取下げ訴訟まで提起しましたが、中国と同様に、裁判所は識別力の有無と共益上の理由によって商標を認められないと判示しました。
もちろん、「QLED」商標を絶対登録できないわけではございません。
「QLED」自体は登録が難しいが、サムスン電子の場合は既に「サムスンQLED」という名称で商標を登録されてます。
こちらのようにQLEDの単語の前にブランド名称や社名をつけると商標として認められる可能性もあります。

韓国と中国の両国でQLED商標登録に失敗したLG電子が、QLEDに対する商標に今後どう対処するか気になります。




Japan Tel: +82-2-726-1113, 1107 | Fax: +82-2-777-7334 | wips-jp@wips.co.kr

0 件のコメント:

コメントを投稿

【IP ISSUE】各国の最新情報_202510

  US 2025年10月11日、アメリカのコンピューター科学者のStephen Thaler氏が人工知能(AI)が生成した芸術作品の著作権を認めないアメリカ著作権局(USCO)の決定に関連し、連邦巡回控訴裁判所(CAFC)の判決に対してアメリカ最高裁判所(The U.S. Su...