2021年1月8日金曜日

【IP NOTE】 IP資産から経済的利益を得る方法

IP資産は無形の資産として形態を作らない限り、金銭的な利益は得ることは難しいです。従って、利益を得るためには、IP資産を保有している企業の状況に合わせて、具体的で実際的な方法を戦略的に準備する必要があります。今回のIP STUDYでは、IP資産で経済的利益を得る方法について見ていきたいと思います。


1. 製品の向上

IP資産は革新の投資結果であり、新しい製品または既存製品の性能向上につながります。特に競争企業がIP資産を侵害してはならないという権利を通じて、より良い製品を生産できるということは、IPの主な商業的メリットの一つです。製品の品質向上は、より大量の製品を販売し、より多くの収益を達成、時間が経つにつれ、顧客の関心を期待することができます。従って、IP資産は企業において製品戦略と共に計画的に扱う必要があります。


▲ pixabay.com


2. ライセンス

IP資産の使用方法の中、最も活性化されていることはライセンスです。ライセンスはロイヤリティを支払う対価として、他社と特定条件を指定する法的拘束力のある契約を通じてIPを共有するものです。このような方式は、IP資産を購入する企業にとっては魅力的です。新しい機能と技術力で製品を向上させることができるからです。ライセンスは新しい市場にアクセスすることもできるので販売者も魅力的に受け入れます。例えば、流通チャンネルや製造能力がなければ他の市場にアクセスすることはできませんが、ライセンスを通じて新しい市場を間接的に経験することができます。ライセンスだけ使って収益を生み出す企業もあります。このような事業は効果的に研究および製品開発事業に従事し、技術が十分に開発されたらマーケティングや流通に関する専門知識を持っている他社へ渡します。


民間企業のみならず大学や研究所でもIPライセンスを積極的に活用しています。University Technology Managers協会の研究によると2004年、カナダとアメリカの大学及び研究所で得たIPライセンスの収益は13億6千万ドル(約1兆5千万ウォン)だったそうです。ニューヨークのColumbia Universityは大学のIP資産を管理するColumbia Innovation Enterprise(CIE)を設立しました。CIEは1982年の設立から2004年までに400件以上の特許を開発し、1,000件以上のライセンス契約を結び、2004年の年間売上だけで1億3千万ドル(約1,400億ウォン)に達しました。


業界では互いのIP資産を共有し合う協力体をつくるなどの活動もしています。IP資産協力体を通じて構成員は侵害の恐れなく、関連技術に関する共同研究プロジェクトを遂行することができます。また、協力体の力をつけるために、IP資産の「標準」または「プラットフォーム」を設けて広報します。プラットフォーム戦略の好例は、Microsoft Windowsです。多くの会社でWindowsで作動する製品を開発·販売しており、WindowsというIPはプラットフォームのコア位置を占めています。


3. 合弁投資および戦略的提携

企業は自分たちの力だけでは達成しにくいことを解決するために、企業間の提携を選択する場合もあります。法的形式は様々ですが、交差ライセンスは方式の一つです。交差ライセンスを使用することにより、金銭的取引や訴訟のリスクなく協業することができます。したがって両企業はより良い製品を作ったり製造するために知的財産を共有します。IPライセンスは合意された技術または製品の研究および開発に関連され、責任とIP所有権を分離する開発協定契約にも影響を与えます。また、著作権が適用される製造文書、仕様および説明書、産業デザインおよび営業秘密のライセンスを取得する可能性もあります。


戦略的提携は資源を共有し、活用することに同意する企業や研究センターがネットワークで結ばれていることです。協会の構成員は、協会の広告費用やお互いのIP資産を共有して製品を開発したり、マーケティングを一緒に進めたりします。また、協会の位が上がると構成員の品質認証にも使用されます。


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4. IP評価と資金調達

IP評価は、IP資産またはポートフォリオの金銭的価値を具体的にどの程度であるか評価します。IPが評価されることは事業計画および合弁投資に必須であり、ライセンス、買収、合併、投資、合弁投資及び貸付など、金銭の取引に関わるすべてのところに使用されます。


IP資産に対する貸付取引や投資は過去、活発ではありませんでしたが、IPの重要性が高まるにつれ、注目をされています。最近金融界は、企業への投資を決定する際、企業が持っている金銭的資産だけでなく、IP資産の個数や品質も考慮しています。計画から段階を踏んで進められた企業のIP資産ポートフォリオは、IPが生み出す潜在的な収益と技術革新、そして製品向上に対する意志を理解することができるため、投資家に説得力を与えることができます。したがって、企業への投資やM&Aが行われた際に会社の資産を調査、監査する実地調査で、IP資産は企画段階から行われたのか、企画に合わせてきちんと使用されているのか、管理はきちんとできているのかを細かく確認します。


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5. マーケティングツールとして使用

IPはマーケティングの核心ツールです。強力ブランドまたはブランドは会社のマーケティング戦略の中心となる可能性があります。また、国のイメージとしてその国の製品を広報する方法である「国家ブランド」として利用することもできます。


国家的(地理的)マーケティングキャンペーンは、IPを効果的に使用できる方法の一つです。国家イメージを通じて製品を肯定的に評価されることができ、潜在的な購入者に製品に対する信頼度を伝えることで、需要を高めることができます。地理的表示の有効な使用例としては、1977年より地理的表示で保護されているメキシコのテキーラがあります。メキシコはテキーラの商標を保護することにより、酒類産業における大したマーケティング効果を経験、これにより莫大な収益を生み出しました。


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