2020年1月10日金曜日

【IP NOTE】特許の成功的な商業化戦略

特許の成功的な商業化戦略


特許権は、企業が競争力を高められるいい手段になります。特許権を通じて他人が自分の発明を使用できないようにすることで独占権が持てて、これを通じて自分が市場で有利な位置を先占することができます。
しかし、自分が特許発明を直接実施して市場を先占して、それによって収益を創出するためには、生産および販売を後押しできる資源が必要です。十分な資源と人力が裏付けられないと自分の特許発明だとしても実施することができず、収益を得られないまま放置状態になる可能性があります。

このような場合、直接実施しないで他の方法を通じて金銭的な利益を取る戦略も使用できます。保有している特許技術や発明品の直接生産・販売が難しい中小企業でも特許権の譲渡、ライセンシングなどの色んな方法を通じて利益を得られます。
今回のIPノートでは、保有している特許技術・製品を直接生産・販売する方法以外に、成功的に商業化するための類型別戦略について調べてみたいと思います。


▲ pixabay.com


1. 特許の譲渡


特許の譲渡は、特許権者(譲渡人)が特許の所有権を他人(譲受人)に販売してこれに対する対価を得ることを言います。一部(持分)移転でない限り、特許権と関連する全ての権利は譲渡人から譲受人に移転されます。
譲渡の場合、特許発明に対する投資リスクを最小にしたい場合、または他の分野の技術に集中しようとする場合にいい選択になり得ます。自分が実施せず、特許権を譲渡することで特許発明の実施のために投資すべき資源をセーブすることができて、製品を直接生産したり販売しないので、市場での失敗を考慮する必要が無いです。そして企業の主力分野ではない特許権の場合、権利譲渡を通じて処分してその分、主力分野にもっと集中できるようになります。
また、特許による投資費用を最も早く回収できるという点から、財政状況が劣悪したりすぐに資金が必要な場合に特許の譲渡を通じて収益を得るのが望ましいです。

しかし、譲渡による利益と実際に市場で特許を活用した製品の生産・販売で得る利益とは差があります。製品が市場で成功する場合、特許の譲渡収益が市場での実施を通じた利益に比べて少ない可能性があり、その反対の状況も発生する可能性があります。なので、特許の譲渡をする時には対象になる特許に対する綿密な分析が必要です。


2. 実施権設定(ライセンシング、Licensing)


実施権設定は、特許権者が他人に特許発明を実施できる権限を付与することを言います。特許発明を実施しようとする人は特許権者に一定の実施権費用(実施料)を支払って実施する権限を与えられます。
実施料は固定された金額を支払ったり、販売収益に対するロイヤルティを支払うなど色んな形で契約できます。そのため、分析と両側の合意を通じて実施料を設定する必要がありますが、既存の技術および実施権契約を参考としてそれと比較しながら適切な金額を設定することも一つの方法になり得ます。もし既存の契約が無かったり推定が難しい場合には、製品の生産および販売に必要な予想費用と収益、市場でのリスクなどを計算して適切な実施料を設定できます。

実施権は、実施権限の独占可否によって独占的実施権(専用実施権)と非独占的実施権(通常実施権)に分けられます。独占的実施権を設定する場合、特許権者は実施者に独占権を保障しなければいけないので、契約した実施権者以外の他人には同一の実施権を再設定できず、その代り独占の対価として高い実施料を期待できます。一方で、非独占的実施権を契約する場合、より多くの実施権者と契約を結ぶことができますが、独占的実施権者に比べては低い実施料を受ける可能性が高いです。また、複数の実施権者が競争することになり得るので、製品の価格、市場での販売量などに影響を及ぼす可能性があります。なので、特許権者はどんな実施権の設定が自分にもっと利益になるかを検討して契約する必要があります。


▲ pixabay.com


3. 特許権を利用した金融サービス(IPローンおよびIPファンド)


社会がどんどん発展して、特許権をはじめとする無形の資産に対する価値をどんどん高く評価しています。これを基に、特許権を担保として活用する金融ローン、ファンドなど様々なIP金融サービスとインフラができていて、これを利用することも特許権を活用する一つの方法になっています。
IPローンの場合、政府機関や指定された機関でなされる特許権に対する価値評価を通じてその財産的価値を認められて、特許権を担保として特許の事業化資金をローン形式で支援を受けることができます。

IPファンドは特許権を所有した企業が特許の所有権をファンドに譲渡して、企業はファンドが支払った資金を元に事業を進めることを言います。以後企業は特許権を使用するためにファンドに使用料を払わなければいけませんが、一定期間が経つと特許権をファンドから買い戻すことができます。所有権を移転するという点で譲渡と類似していますが、IPファンドの場合、以後に特許権を買い戻せる点で譲渡とは差があります。
このようなIP金融サービスは自分が特許発明を実施しようとするが資本が足りない場合、これをサポートする方法として利用できます。


4. 特許訴訟


特定の技術分野に核心的な特許権を保有しているなら、自分の技術を無断に使用していると疑われる企業を相手に特許訴訟を提起することも一つの収益化の方法になり得ます。特許権を防御手段ではなく、攻撃手段として利用する方法であり、核心的な技術に対する厚いポートフォリオを構築している場合に考慮できる方法です。

しかし、他の会社と特許訴訟を進めながら勝訴したり合意を通じて収益を得る必要があるため、訴訟に必要な十分な資源、人力などを確保しておく必要があります。また、訴訟の規模や状況によって法的紛争状況が長くなって収益を得るための期間が長くなる可能性があり、訴訟で敗訴する場合には収益が得られないリスクも甘受しなければいけません。なので、資源が相対的に制限される中小・ベンチャー企業は使用しにくい戦略である可能性があります。



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