2019年6月24日月曜日

【IP ISSUE】アディダスの「3本ライン」デザイン、商標権効力否認

アディダスの「3本ライン」デザイン、商標権効力否認


先日、ヨーロッパ連合の一般裁判所は「アディダスの3本ラインデザインは識別力が無い」と判断して、商標権を認められないと判決しました。
アディダスはこれまで「3本ライン」デザインを衣類、靴、アクセサリなど色んなものに使用してアディダスの固有デザインのように使ってきましたが、裁判所の今回の判決は3本ラインデザインの独占的効力を否認したものであり、関連業界と多くの人々の関心を集めています。


▲ pixabay.com


アディダスとシューブランディングの熾烈な紛争


アディダスとベルギーのシューブランディングは3本ラインデザインの商標権効力をおいて約10年間紛争を続けています。
二つの企業間の紛争はとても複雑です。
先ず、2本ラインのデザインをロゴで使っているシューブランディングがヨーロッパ知的財産庁(EUIPO)にアディダスの3本ラインデザイン商標に対して商標登録取消を要請しました。
EUIPOはこれを受け入れてアディダスの商標権を無効だと判断して、これにアディダスは控訴しましたが結局また敗訴してしまいました。


▲ infusionlawyers.com

しかしアディダスは再び一般裁判所に自社の商標と混乱する恐れがあると主張してシューブランディングの商標を取り消して欲しいと訴訟を提起しました。
ここでアディダスが勝訴するとシューブランディングがヨーロッパ司法裁判所(ECJ)に上告して、ECJはシューブランディングの主張を認めて一般裁判所に訴訟を差し戻しましたが、一般裁判所が再びアディダスの手を上げて当時のシューブランディングの商標登録を止めました。
でもシューブランディングはここで止まらず、EUIPOにアディダスの3本ラインデザインの商標が有効ではないと主張し、19日にあった3本ラインデザインの商標権効力否認判決がこの主張に対する判決だったのです。


▲ Intomark.com INTOMARK商標検索<アディダス3本ラインデザイン関連韓国商標>


アディダス3本ラインの今後は?


アディダスは「3本ライン」デザインと類似する他のブランドとの間で多くの紛争があって、「トムブラウン」はアディダスから訴えられた後、スーツのライン数を3本から4本に変えたりもしました。
もちろん今回の判決によってアディダスの全ての3本ラインデザインが効力を失う訳では無いですが、今回のEUIPOの判決が他の色んなブランドにも影響を与えることは間違いなさそうです。



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